魔物の国に帰ろう
ヴェライカでの観光も終わり、俺達は魔物の国に帰ることになったのだが、
「ソアル様!いい加減出て来て下さい!ソアル様!」
「嫌です。もっと旅行したいんです。許可を下さい。」
ソアルは帰りたくないようで、宿の部屋に閉じ籠ってしまった。やれやれ、ワガママなソアルが出てしまったな。レクレイは相変わらず頭を抱えている。この光景も見慣れたな。って眺めてるだけじゃダメだよな。メイリンも部屋の外に出てきているし、ソアルを説得するしかない訳だけど、どうしたもんかな。
「ソアル、お腹空かないか?外に出て来て一緒にご飯食べないか?」
「大丈夫です。ゲイルさんと一緒にしないで下さい。」
失敗した様だ。続いてメイリンが行く。
「ソアル、どうして帰りたくないの?」
「だってお城に帰ったらお仕事ばっかりになるんですよ、そんなの嫌です。」
「今まではソアル様が来たばかりでいろいろ決めなければならなかっただけです。これからはそんなに仕事はありません。」
「そうなんですか?嘘じゃないですよね?」
「本当です。ですから出て来て下さい。」
ガチャ、キイー。
扉を開けてソアルが出て来た。
「嘘だったら逃げ出しますからね。」
ソアルの早とちりだった様だ。まあ本当に早とちりかどうかは帰らないとわからないけど。何にせよソアルが納得して出て来てくれて良かった。もし旅行がこのまま続く様ならお金も足りなくなるだろうし、何よりレクレイが苦労のしすぎで禿げちゃうかも、なんて。大変なのは確かだから本当に早く方が付いて良かった。ソアルが出て来たことで部屋に置いていた荷物を馬車に積み込んだ。俺達も馬車に乗り込みヴェライカを出発した。帰りの道のりはなんだか早く感じる。一度見た道だからかな。それからコレッティを通り過ぎカルストまで帰って来た。ここでお別れかな。
「メイリンさんいろいろありがとうございました。私が魔王だと知っても変わらず仲良くして下さって本当に嬉しかったです。」
「メイリン、私からも礼を言う、コレッティでは本当に世話になった。旅の友にお前がいてくれて良かった。」
「俺もメイリンがいて楽しかったよ。また一緒に旅しよう。」
メイリンとはこの旅行の間だけ一緒に旅するという話だった。初めはソアルやレクレイともぎこちなかったけど、今では大切な仲間だもんな。別れは辛そうだ。メイリンももじもじとしている。
「ねえ皆。私まだ一緒にいたい、魔物の国までついて行ってもいいかな?」
「メイリンさん!・・・行きましょう一緒に!私達の国へ!」
レクレイはどうだろう?横を向くといつものように頭は抱えておらず、うんうんと頷いている。よくよく考えてみると俺も人間の姿のままで魔物の国を歩き回れたし、魔物にとっては人間をそこまで敵対視していないのかもしれないな。魔物にもいろいろ種族があるし、何よりソアルの様に人間とほぼ同じヤツもいるのも要因だろう。俺達4人での旅はまだまだ続きそうだ。




