闘技場
ソアルの調子はどうだろう?昨日は散々だったから、今日はちょっと優しくした方がいいかな。レクレイと一緒にソアルとメイリンの居る部屋へ向かった。
コンコン
「は~い。あ、ゲイルさんおはようございます。」
「おはようソアル。朝ごはん食べに行こう。」
「そうですね、行きましょう。メイリンさんもご飯行きましょう。」
パッと見はいつも通りに見えるけど、無理してるかもしれないしソフトに行こう。朝食は宿の食堂で取った。朝食のメニューはパンにベーコンエッグだ。
「ソアル、今日はどこへ行くんだ?」
「そうですね、商業エリアは一旦置いておきたいので、闘技場エリアですかね。」
「闘技場!私試合に出てみたい!」
「えっ観戦する方じゃなくて出る方ですか?」
「うん、だって大勢の観客の歓声の中で強い相手と試合ができるんだよ!ワクワクしない!」
確かに面白そうだ、自分の実力を試すこともできるし俺も出てみようかな。レクレイはと言うと試合に出たそうにしているがソアルの傍を離れる訳にはいかないとなにやら葛藤している。俺やメイリンも居るんだし皆で交代に出れば問題ないと伝えると、それならばとレクレイも試合に出場することになった。朝食を食べ終わると、馬車に乗って闘技場エリアまで移動した。闘技場は円形の建物でその直径は300m、高さ20mはある。闘技場の外でも大きな歓声が聞こえてくる、中はかなり盛り上がっている様だ。俺達は早速受付をすることにした。闘技場の試合はランク分けされているようでレベル30以下の下級、レベル50以下の中級、レベル70以下の上級、レベル無制限のマスターの4階級となっており、どの階級も参加料は銅貨5枚。各階級勝ち抜き戦となっており、その勝ち抜いた数に応じた賞金が貰える様だ。勝敗は相手に参ったと言わせるか、舞台から相手を落とせばいいらしい。メイリンは上級、俺とレクレイはマスターの階級になるけど、1人ソアルと一緒に居ないといけないから取り敢えずメイリンとレクレイに先に行ってもらうことにした。2人と別れて俺とソアルは観客席に移動した。試合は4つの四角い舞台の上で階級ごとに行われている。やはり階級が上の方が戦いが激しく、人気があり、マスターの試合をしている舞台に近い席が多く埋まっていた。俺達は上級とマスターの舞台両方が見える位置に座った。
「ゲイルさん、メイリンさんが出てきましたよ。」
メイリンはこちらに気付き手を振って来たのでこちらも手を振り返す。メイリンの相手を見ると20歳くらいの男の剣士だった。簡単な挨拶をしたあとお互いに剣を抜き向かい合う。審判の合図で試合が始まると同時にメイリンは相手に向かって突っ込んで行った。そして勢いを利用して剣に重みを乗せた攻撃を仕掛けた。相手の剣士はそれを受け止めるが攻撃が思ったより重たかったのか少し仰け反っている。それを見てメイリンはすかさず連続攻撃を仕掛ける。防ぎきれなくなった相手は徐々に追い詰められて行き、最後は剣を弾き飛ばし勝敗は決した。メイリンの勝利だ。メイリンは嬉しそうに笑いながらまたこちらに手を振ってきた。良かったなメイリン。
ワー!ワー!
マスターの方で歓声が上がった。舞台に立っているのはレクレイだ。どうやらメイリンの試合を観ているうちに勝利を納めたようだ。レクレイもやるな。う~ん、俺も早く戦いたいな。それから観戦すること1時間くらいだろうかメイリンは7人目の大柄な斧使いの男に負けてしまった。メイリンは悔しがっている。勝ち抜き戦だもんなそりゃ疲れは来るよ。しばらくしてメイリンが戻ってきた。
「あ~あ~負けちゃった。もうちょっと腕力付けないといけないかな。でも楽しかったよ。ゲイル、次どうぞ。」
「ああ、行ってくる。もう待ちきれなかったんだ。」
受付を済ませると、待機場所に案内された。俺の前には2人居た。そう言えばまだレクレイは残ってるから当たるかもしれないな。レクレイと試合か、1回は戦ってみたかったけど連戦で疲れてるだろうし、微妙だな。
「次の方どうぞ。」
俺の順番になったようだ、思ったより早かったな。舞台に歩いていくと待っていたのはやっぱりレクレイだった。
「次はゲイルかお前とは1度戦ってみたいと思っていたところだ。」
「俺もだよレクレイ、ただ連戦で疲れてないか心配だよ。」
「ふん、今まで相手にしてきた者に大した者はいなかったから疲れなどない。全力で来るがいい。」
「わかった、そうさせてもらうよ。」
剣を抜き構える。レクレイを見ると隙のない構えだ。さすがレクレイ、熟練の戦士って感じがするよ。さて、どう攻めるかな。考えている内にレクレイが仕掛けてきた。息をつかせない連続攻撃を俺はひたすら防いだ。このままはまずいなちょっと距離を取ろう。俺は後ろへ飛んだ。よし、反撃開始、〝迅雷風烈〟。風の壁がレクレイ目掛けて飛んで行く。レクレイは横に飛びそれを回避する。そこをすかさず攻撃するが防がれてしまった。なら、〝林林総総〟。無数の突きがレクレイを襲う。レクレイは受け止めきれず剣が弾き飛んだ。剣をレクレイの前に差し出す。
「俺の勝ちだな。」
「ああ参った。俺の負けだ。」
レクレイは舞台を降りソアル達の下に向かった。さて、これから何勝できるかな。
ワー!ワー!
闘技場中が歓声に包まれた。
「「「「マーベル!マーベル!マーベル!マーベル!」」」」
そう呼ばれて登場したのは、小柄な女剣士だ。俺の次の相手らしい。それとどことなくシルバに似てるな。それにしても相当人気があるらしい。
「やあ、私はマーベル。よろしくね。」
「ああ、よろしく。」
お互いに剣を抜き向き合う。そして、始まりの合図が発せられた。




