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ダイイチワ 「書き始めた理由は暇だから」
「転入生を紹介するぞー」
担任が教室に入り、その一言を発した途端、騒がしかった教室の生徒は、一瞬水を打ったように静かになり、全員がひとつの話題でまた騒がしくなり始める。
「清谷高校から来ました神代彩人です。
能力の関係でこちらに転校してきました。宜しくお願いします」
朝のホームルームで紹介された僕は当り障りのない挨拶の後、案内された席に腰を下ろす。
「よろしくー。転校生さんとは珍しいねぇ」
「ああ、宜しく」
差し出された手を握り返しながらそう返した。
「それにしても君、まだあまり使ってないみたいだね」