釣れない釣り 【眠くなる小説】
おだやかな海。
防波堤の上。
動かない竿先。
最初の一匹が釣れてから、もうどれくらいの時間が経つだろうか。
暇だなぁ、と思うと、自然とあくびが出た。
だけど、まあ、こんなのもいいかな、とも思う。
だって今日は、とびきり天気がいい。
ときどき風が吹き、ほおを撫で、ほんとうに気持ちがいい。
やはり竿先は動かない。
ゴロンと、防波堤に寝転がってみた。
陽の光で温まったコンクリートから、じんわりと背中に熱が伝わる。
ああ、ほんとうに気持ちいいなぁ。
思わず口元がゆるんで、まぶたを閉じた。
遠くから、カモメの鳴き声が聞こえる。
足下から、ちゃぷちゃぷと波の音が聞こえる。
おだやかな海。
防波堤の上。
動かない竿先。
だけど、まあ、こんなのもいいかな、とも思う。
いい夢を。おやすみなさい。