表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/7

ゆらぐ青と赤いさかな


 ゆらゆらと水を通した光が部屋に射し込む。


 窓際に置いた水槽のなかには、眩しさも気にも留めないような金魚がゆらゆら泳いでいた。


 半月前別れた彼女が、夏祭りで欲しいと言ったやつ。

 それがこの金魚だった。


 金魚すくいは得意でないものの、必死に取ってやった一匹。

 それを最初は、彼女が飼うのだと思っていたのだが、なんと飼うのは俺だった。


「だって、面倒じゃん」


 今思い返せば腹立たしい限りだ。女性を殴る趣味は毛頭ないが、それでもあれだけは許せない。


 それでも、生命は大切に、と律儀に飼う俺。

 それは別れた今でもだ。



 ゆらぐ青い光。

 いや、青く感じるだけで実際は青くないのだが。


 ソファーに寝転がりながら、眠さのため目を細めてると、金魚がふいにゆらいだ気がした。

 いつかの、好きだった人に見えた気がした。



 いつしか眠っていたようだ。


 まだ、青い光はゆらいでいた。

 一つの赤を包みながら。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ