第一戦「消戦」
「ばーかばーか!これでホームラン何本目かな?ん?」と憎たらしい口調で叫んでいる少年の名は佐藤健太郎。(以下健ちゃん)
僕の名前は南田奎吾(以下僕、奎吾)
小さい頃から人一倍小柄で力が弱い為虐められやすかった。
そんな僕とは真逆な健ちゃんに僕はよく助けてもらっていた。
「うるせえええ!次でラストな!次俺はがストライク取ったら俺の勝ちな!今までの全部無しだし!」
と、理不尽な条件を突きつけたこの少年の名は藤田俊佑。(以下俊佑)
小学校から今まで僕を虐めていた奴だ。
僕は俊佑に何もしていないが虐められている。何故なのかは僕にもわからない。
「上等だ!かかってこいやぁ!」
「おんどりゃああああ!!!」
俊佑の手から野球ボールが勢いよく放たれた---が「どっこいしょおおおおおお!!!」
という怒声の後、ボールは見事健ちゃんのバットに当たり、場外ホームランキラリーン。となってしまった。
「きょ、今日はこれくらいにしといてやる!明日は余裕で勝つからな!ばーかばーか!」
と言い残し自転車で「全力疾走」という言葉しか似合わない様子で帰って行った
「明日も絶対勝つけどな!奎吾!俺んちでスイカ食べようぜ!早く!」
「え、あ、うん!待って!」
僕は思った。
何でこんなふうになったんだっけ...
夏休み初日にこんなことを思う奎吾であった。