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第二十三話 断罪


「フレディ」

「…何ですか。驚かさないで下さいよ…」


うたた寝でもしていたのか、ぎょっとしながらフレディは僕の方を振り向く。


「僕は、起きてる?」

「えぇ…。夢でも見ましたか…?」

「あぁ…。いい夢だった。いや、哀しい夢かな。皆と会ったよ。人一人分くらい間が空いてて、僕と皆が向かい合ってるんだ。皆、寂しげに笑ってた」

「そうですか…。魔獣の方は殲滅しました…。もう襲われる心配はないでしょう…」

「ん。大分『核』に近付いたみたいだな。今は…第二区辺りか。―フレディ、あそこら辺に何かある?」


片目以前に元々の視力が悪いのと暗闇とでほぼ盲目状態だが、『魔眼』のおかげで広範囲に渡り魔力を感知することが可能になり、相手の位置が特定出来る。

しかし、今回は魔力を感知する以前に濃い血の匂いと腐敗臭が入り混じった悪臭が増したことへの疑問から導き出された結論だ。決定打は魔力だが。

微かに捉えた魔力の方を指差すと同時にフレディが答えた。


「あれは、魔獣…の死骸のようですね…。ちょっと、影の王…!?」


フレディの制止も聞かず、魔獣の背から飛び降りる。血が地面を満たしており、着地した途端、血が顔にかかった。着地の衝撃で骨が嫌な音を立て、鈍い痛みが全身を駆け巡るが、それでも這うようにして魔獣の死骸に近づく。

死して地に横たわる数十の魔獣の輪郭は闇から隔離され、うっすらと浮き彫りになっている。


「切り傷に、こっちは刺し傷…。この魔力の感じは…」


ある程度近付けば見える程度の視力が残っていて良かったとつくづく思う。


「痛っ!」


―今までの数百単位ので一つの群れを形成していた魔獣とは違い、此処の奴らは数は多くとも数十からなる少数でいつくもの群れを成していた。

万が一敵に群の一つを潰されても血が絶えないようにしたのだろうか。恐らく、少数で行動した方が移動には適しているのかもしれないし、獲物の取り分の問題が発生しないのかもしれない。

何はともあれ、此処が奴らのテリトリーなのは間違いなさそうだ。どれ程の規模の群れなのか知らないが、これらの魔獣は全て警備だろう。

こうした役割分担は他の獣にも見られるが、それにしても戦術や一糸乱れぬ統率など魔獣の知能と統制には舌を巻く。


多少点々となっている魔獣の死体を見て回っている途中、魔獣達の死体から数メートル離れたところの血溜まりに浸かっている二体の魔獣の死体に近付いた時、血溜まりに沈んでいた刃物に気付かず手首に鋭い痛みが走る。慎重に辺りを探ると血溜まりの中に何かが沈んでいた。

どうやら魔獣の下敷きになっているらしく、拾おうとするとびくともしない。

仕方なく乗っかっている魔獣を退けようと押してみると予想に反して体重は思っていた以上に軽かったが、その魔獣のすぐ隣に一回りほど大きな魔獣の死体があり転がすことは不可能だったので色々と奮闘した結果、何とか下敷きになっていた物を取ることに成功した。


「刀身…?」

「何ですか、影の王…。一目散に駆け出したから何事かと思えば…。潮干狩りシーズンはまだですよ…」


いつの間にか後ろにいたフレディがニヤニヤしながら茶々を入れる。


「あぁ、そうだな。…シャコ貝に挟まれて死ねよ。

―この刀身の細さ、教官の剣の刀だと思う。魔獣の死体からは微かにカインと教官の魔力を感じたし、この魔獣の群れを倒したのはあの二人に違いない」

「大分、切れ味が鈍っていますね…。まぁ無理もない…。こいつ等、脂身が多いですから…」

「フレディの鎌はよく平気だな?」

「ふふっ…、魔剣とほぼ同じ作りですからね…。脂で切れ味が鈍るほどやわな代物ではありません…。

それはともかく、こんなところで道草食っている暇はないのでしょう…?」


全くの正論に返す言葉もない。しかし、この刀身が教官達の安否を示唆しているようで後ろ髪を引かれてるのも当然じゃないかと内心で不平を呟きながらも、もう一度刀身に目をやる。


「そうだけど…。教官なら例え剣が折れても、置いていかないと思う。ほら、根本から折れてるだろ?切れ味が落ちて魔獣を斬れなくなったから斧みたいに叩いて退けた結果、根本から折れてしまったんだろう」

「しかし、彼女は双刀でしょう…。拾う必要がなかったか、あるいは魔獣との戦闘の最中、一本が折れ、回収する間もなかった…。それで良いではありませんか…。

―ところで影の王…。これを含む魔獣の死体は全て調べたのですか…?」

「いや、調べたのは向こうら辺の二十体だけ。それで大方の死因は分かったからあとは調べてないけど?」

「そうですか…。いえ、別に大したことではないのですが、貴方が鈍間なのは熟知してますけど、それでもあまりに戻って来るのが遅かったので、このクソ時間がない時に全て調べて回っていたのかと思いまして…」


安堵の息に嘲笑が混じっているし、さりげなく小馬鹿にされているが、怠惰の塊であるこの男は一応心配して来てくれたのだ。そう思い、気の済むまで言わせておくことにした。


「そこまで馬鹿じゃない。まぁ、死体がないということは無事城に行けたんだろう。待たせて悪かった。それじゃ、急ごうか」

「……………。えぇ、行きましょう…」


フレディは魔獣の死体を一瞥してから、僕の方を見て静かに頷いた。


****


所々崩れ落ちている橋を通り、門番のいない門をすり抜ける。扉に鍵は掛かっておらず、すんなりと城の中に入ることが出来た。


「世界は崩壊の一途を辿っているというのに、腹立たしいことに此処は何も変わらないんですね…」

「それにしてもやけに静かだな。ゼリーさんのことだ、何処かに…」

『―伏兵でも忍ばせているかもしれない、か?』


瞬間、大きな物音と共に扉がこちらへ吹っ飛び、視界を覆う。


「なっ…!?」


しまったと思ったところで既に時遅し。突然のことに体が反応出来ていない。迫るドアを突き破り、槍の先端が心臓を貫かんとした時、フレディが蹴り飛ばしてくれなかったら間違いなく死んでいただろう。

地面を両手で叩き、跳ね起きると敵と対峙する。


「「野生のハゲが現れた」」


四十代後半、中年。眼光は鋭い。頭髪、皆無。上半身裸、こめかみからは角、下肢は馬。ざっくり外見を説明しては見たが、これではただの色々な意味でヤバい奴だ。


「あと足りないのは鼻輪ですかね…ぶふっ…」


そんな姿を想像したのか、フレディは痙攣を起こしたように笑い、浮かんだ涙を拭う。


『誰のせいだと思ってる!ええい、指差すな!これでもミリュニス国国王であり、そもそも此処は我が城だ。野生化した覚えもない』

「世も末ですね…」

『だ・ま・れ』


フレディはやれやれと言わんばかりに肩を竦めておどけてみせた。吉田魔王様は今にも飛び掛かりそうな形相でフレディを睨む。


「つか、吉田魔王様。背後をとるなんて今まで何処に?」

『フッ…。扉の後ろに潜んでいたさ』

「隠れんぼ中のガキか、貴方は…」

「いつ来るかも分からなかっただろうによくやるよ。暇で良いね」


吉田魔王様は青筋を浮かべつつも、こちらの挑発に乗るまいと何とか怒りを堪えているが、槍を握る拳がぶるぶると震えている。

思いの外、期待していた反応を示さないことにフレディの方もつまらなそうな顔をしてから舌打ちし、吉田魔王様に聞こえるかどうかという音量でボソッと呟いた。


「ハゲ…」

『マジ、お前だけは何としても同じ屈辱を与えた上で殺すからな』


「―吉田魔王様、ゼリーさん達は何処に?皆は…」

『さぁ、何処だろうな』


白々しい態度で答えを返す吉田魔王様にフレディが溜め息を吐きながら鎌を構える。


「無駄ですよ、影の王…。敵がそう簡単に情報を漏らすはずないでしょう…?まだ情けをかけるつもりですか…?」


確かに、目の前に立ち塞がるのは情けなどかける必要がないほどに悪逆非道の限りを尽くしてきたハゲ。

しかし、主君がハゲであろうとも、ノーイさんや、ノワールは決して敬愛の姿勢を崩さなかった。

例え相手がどんなに人道を外れた行いをしていようが、見ているこっちが思わず同情の念を抱くほどハゲていようが、このハゲに絶対的な忠誠と誠実を持って接していたのだ。


フレディの言う通り、僕もこのハゲに情けなどかける必要はないと思っている。しかし、これを主君と慕った世にも忠実なる臣下の真心を僕は尊重したい。


「―吉田魔王様、外がどうなっているか分かるだろう?此処は『核』があるから辛うじて免れているけど、それも永久に続くとは限らない。…今ならまだやり直せる」

『それがどうした。崩壊した世界も私の研究の対象だ』

「………ッ。ノーイさんや、ノワールが心配じゃないのか!?あんたの側にいないということはまだ此処に来ていないんだろ!?」


唇を強く噛み締める。じんわりと血の味がするが気にしない。

ノーイさんも、ノワールも吉田魔王様が拾ってくれたからこそ今があるのだと嬉々として語っていた。

彼がどんなに人道外れた行いをしていようとけして見捨てなかった。孤独な研究者の唯一の理解者になろうとしていたのに。


『アレもただの被倹体に過ぎない。必要なデータは十分得たからな、何処でどのような末路を辿ろうがもうどうでもいい』


淡々と吐き捨てるように言ってから、吉田魔王様は嘲笑を浮かべた。


「ですから、話すだけ無駄だと言ったでしょう…。こんなのを相手にしている時間さえ惜しい…。さっさと行きますよ…」

『そう簡単に通すと思うか?』


吉田魔王様が指を鳴らすと、彼の背後の扉が悲鳴を上げながら開く。中から、前傾姿勢でだらりと腕を下げ、よたよたと覚束ない足取りで一人の魔人が現れた。

最初に会った魔人と外見はほぼ同じだが、この魔人にはギョロリとした大きな赤い目と口があり、人間と同じ歯がある。


「ただの魔人ではありませんね…」


フレディの呟きに吉田魔王様はにやりと笑う。


『行け、アダム』


吉田魔王様は僕を指差し、命令を下す。すると、アダムと呼ばれた魔人は裂けんばかりに口を大きく開いた。


「ギュアアアアアアア!!」


耳をつんざく悲鳴は、城を揺るがすほどの衝撃波となって襲い掛かる。


「アダムってまさか、あの霊山で見付けた胎児か」

「あの目つきの悪さといい、悲鳴といい、恐らくそうでしょうね…」


防御壁シールド』を形成し衝撃波を防ぐと、素早く空中に別の魔法陣を描く。


『お得意のビィーネの業炎か?』

「―…『召雷の陣』」


描いた陣がまばゆい輝きを放ち、無数の蛇を思わせる雷撃が敵二人に襲い掛かる。

『ビィーネの業炎』は基本的に絶大な威力を誇るが、一方通行で陣から出てしまえば簡単に回避出来る。しかしこの陣は、威力はそこそこながらに魔力が尽きない限り効力を保つことが出来る数少ない持続型の魔術なのだ。また、繰り出される無数の雷撃も術者が自由自在に操ることが出来、電磁砲さながらに一直線に放つことや、そこそこ威力は落ちるが、このように雷撃を広範囲に四散させて攻撃することが出来る。


向かってくる雷撃をアダムは避けようともせず、顔面にもろに食らうが、吉田魔王様は自慢の四肢で器用に雷撃をかい潜るとこちらに突進してくる。


「ちっ、まだ思ったほど上手く操れないな…。まぁ、いくら吉田魔王様でも、力技で破られるような陣の形成はしてな…」


い、と言いかけて、視界の端に映った黒い物体に鳥肌が立つ。

僕の足元には、つい先ほど頭を消し飛ばしたために首から上のないアダムがちょこんとしゃがみ込み、ズボンの裾を掴んでいた。

直ぐさま防御壁に目をやると、まるでオブラートのように溶けはじめているではないか。


―魔術の無効化か?いや、雷撃は効いたから違うはず…。こいつは魔王の亡きがらから生まれた生き物だ。となれば、魔王の特殊能力か。


「ギュァアアアアアア!!」


ぼこぼこという音に現実に引き戻される。はっとした時には既に僕を飲み込まんばかりに大口が開けられたところだった。


「………っ!!」


声にならない悲鳴を上げながら、『瞬間移動の陣』を形成し、五メートルばかり先の廊下に移動する。

『核』の魔力はこの真下、つまり城の地下にあるらしく、最短ルートとしては此処から床に穴を空けて降下するのが一番早いはずだ。


「ギュアッ…。ギャアアアアアア!!」扉をぶち破り、最早、先程までの人型とはほど遠い、おおよそ『肉塊』としか形容しようのない奇妙な物体が現れる。

ギョロリと大きな赤い目が模様のように体中にあり、キョロキョロとしきりに辺りを窺っている。左右に生えた六本の腕が足の役割を果たし、口は歯が鋭く尖り、横に大きく裂けていた。


「―裕也…」


その姿が何だか、異形と化した弟と重なって妙な親近感が沸いて来る。そうなると殺すのが可哀相に思えてならない。


「気をつけて下さい、影の王…!そいつ、先程ハゲが魔力魂を与えたせいでおかしくなってます…」


向こうから剣撃が奏でる甲高い音に負けじとフレディが声を張り上げる。


「―フレディ、こっち来れる?というか、このままじゃ埒があかないから来てくれ」

「ったく、面倒な…。まさか、私をそいつの餌にしようって魂胆じゃありませんよね…?」

「大丈夫、こうなるとほぼ目は見えてないと思う。多分、音や振動、魔力の周波みたいなのを頼りに動いてるんじゃないか?

この状態でフレディのところに行かなかったのだから、多分襲われないさ」


これみよがしに態とがましく嘆息を吐くと、吉田魔王様の槍を跳ね退けて壊れた扉な隙間をすり抜け、アダムの頭上を飛び越し僕の隣に立つ。その後から悠然と吉田魔王様が中に入って来た。


『どうした?命乞いでもする気か?』


それには答えず、ポケットからビックリサイズ・アセロラ味とポップな文字が印刷されたビニールの包装を破り、中から大きな飴玉を出すと、アダムに放る。


「―…アダム、ほら君の好きな飴だ」


アダムは空気の僅かな揺れを察知したのか大きく口を開き、飴玉を飲み込んだ。


「ギ、ギギッ…ァアアア!!」


アダムはもっと欲しいと言わんばかりに耳障りな奇声を発する。そのあまりの声量にフレディは露骨に顔をしかめ、耳を塞ぐ。


「『飴の陣』」


魔眼で天井に魔法陣を形成すると、まばゆい光と共に一口サイズの小さな飴が降ってきた。


『まさかとは思ったが、どうやら本当に命乞いか?』

ふんっと鼻で笑う吉田魔王様をよそに、アダムは降ってくる飴玉に打たれながらもしきりに手を動かして飴玉を探している。


「ギギッ、ギャガガガガガ…?」


どうやら、何かが降ってきているのは空気の振動で伝わっているのだろうが、飴玉が小さく認識出来ていないのかもしれない。


「やっぱり見えてないか。感覚もいまいちみたいだし、しかも嗅覚がない」

「影の王、貴方、一体何を…」


怪訝な表情を浮かべ、フレディは僕を見た。


「そら、飴だ!」


まるで動物に餌をやるように飴をアダムの手前に次々と放る。

ドタドタと六本の手を動かし、アダムは口を開き飴玉をキャッチする。


『アダム、いい加減に奴を…』


一向に攻撃を再開しないアダムについに業を煮やした吉田魔王様はアダムに命令するが、アダムはすっかり飴玉に夢中になっており、吉田魔王様の声などまるで届いていない。

それを聞いた後、双方からちょうど三メートルほど離れたの距離にいるアダムを見、吉田魔王様に視線を移す。


「…アダム、これが最後の飴玉だ」


ポケットから飴玉を取り出し、握り締める。そして、吉田魔王様に向かって投げた。


『何の…』

「ギァアアアアアアアアアア!!!」


吉田魔王様の声を掻き消し、ドタドタと巨体から想像もつかないスピードでアダムは吉田魔王様に突進していく。


―そして、骨の砕かれる音や肉の引き裂かれる音、口に収まりきらなかった血が涎のように床に流れる。

彼の自慢の槍も、アダムの傍らに原形を留めぬ形で転がっている。


―かの研究者マッド・サイエンティストの末路は、被倹体に食われるという惨めで無惨ものになった。


****


「貴方はたまに、頭のネジが外れますね…。あれをどうなさるおつもりで…?」


魔術で床をぶち破りながら『核』のもとへ降下している途中、フレディが呆れながら聞いてきた。


「大丈夫、心配しなくとも最後にあげた飴は時限式爆弾みたいにしておいたからいずれ死ぬよ」

「てっきり、殺さないかと思いました…」

「どっちを?」

「無論、ハゲの方です…」そうだねと返事をしてから大きく息を吐く。


「―僕は神様じゃない。けど、心の底から、こいつに生きる価値はないと思った」

「貴方が殺さなければ、私が殺していましたよ…。我々は仲間を見捨てる奴は嫌いです…」


反吐と言わんばかりの表情で吐き捨てるフレディに、苦笑を返しつつも、ふと思い出した疑問を呟いてみる。


「…結局、アダムの特殊能力は分からず終いだったな」

「奴の特殊能力は恐らく『融解』です…。だから、防御壁を溶かすことは出来ても、雷撃を防ぐには至らなかったのでしょう…」

「成程。しかしまぁ、紆余曲折を経て今に至る訳だけど、流石にもう戦闘は避けたいね」


崩壊の闇に呑まれていなくとも暗い地下を、徐々にぼんやりと白い光が満たしてゆく。


「そう言えば、貴方、何故城に行くのを急いでいたのですか…?まぁ、確かに急を要する事態ではありますが…」

「この先に、全ての真実がある。もし僕の予想が当たっているなら、ゼリーさんと戦うことはないだろう」


ようやく地面に降り立つ。地下は白く覆われ、どこか病院を彷彿とさせた。無重力の空間なのか、やけに体が軽い。


「―待っていましたよ、田中優真」


背まで届くウェーブがかった赤い髪。手には先端に月をモチーフにしたクリスタルの金の杖が握られている。

その足元には、物言わぬゼリアの死体がある。


「女神が、何故今になって…」


唖然とするフレディを一瞥し、ミカ・エバン…いや、女神は艶やかに微笑む。


「役者は揃いました。…さて、何から話しましょうか?」

そろそろ物語も終わりに差し掛かりつつありますね。予定としては二十五話で終わろうかなとか思いながらせっせと執筆している次第です。

果たしてどのような終わりを迎えるのか私自身分かりませんが、最後までお付き合いいただけると幸いです。

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