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第十一話 温泉旅行に行こう


『―タマさんへ。

このメールは私の身に何か死に瀕する程の良からぬことが起きた場合、自動的に貴方の許へ送信されるようになっています。なので、貴方がこれを読む頃には恐らく私は海の藻屑ならぬ都会の粗大ごみとして焼却処分されていると思いますが、実際そうだとしても貴方のせいではないと思いたいし、思うので気になさらないで下さい。』


「…精神的脅迫だ」


遠回しにお前のせいだと太鼓判を押しているのが文脈から容易に読み取れる。

上記の内容が冗談であると伝えたいのか、励ましとも取れるユーモアな部分も感じるが、その真意は不明だ。


真っ暗な部屋。電球が元よりないので明かりがつくことはない。携帯から漏れる僅かな明かりがこの暗闇を照らす唯一の光だ。

まだ三咲学園見学の最中というのに、気付けば僕は一人ふらりと家に戻り、自室に篭っているという全く記憶にない行動を果たしていた。

後から、気分が優れなかったから先に帰ってしまったという詫びのメールを岸辺に送り、そのまま二三日程体調不良という仮病に甘んじて学校を休んでいる。

ノワール達は食事も取らず部屋に篭っている僕を随分と心配しているが、何せ口を酸っぱくして言い聞かせた立ち入り厳禁の二階に僕が篭っているものだから手の出しようがないらしく、下の階から声を掛けるだけに留まっている。

―現時刻は午前二時。僕は部屋の片隅にある刑務所を連想させる鉄格子のベッドの中で布団と暗闇に包まれながら先程送られてきた迷惑メールに勝る、嫌がらせとしか思えない全く時間を考慮していない長文のメールに欠伸を噛み殺しながら目を通していた。


『このメールが貴方に届いたということは、私は貴方にあの事を伝えたのでしょう。その事実に絶望し、べそをかきながらふて腐れ、一人部屋に篭り布団に包まってこのメールを読んでいるタマさんの惨め窮まりない姿が容易に想像でき、このメールを書きながら私は一人ほくそ笑んでいます。ざまぁ』

「…最早、腹が立つを通り越して殺意湧くな。ちょっと当たってるところが特に」


引き攣った笑みを浮かべながら、画面を下にスクロールする。


『貴方は確かに特異点ではありますが、しかし今までそちらの三嘉ヶ崎に何か主だった歪み…事件などの類は起きませんでした。

つまり、あちらのミケガサキに行ったことで貴方はその歪みを引き起こすようになったと断言できます。それが向こうの環境により影響…すなわち魔力が引き金となったのか、もしくは魔力がある環境だったから歪みが生じたのか分かりませんが、どちらにせよ、このままでは確実にご自身が意とせずとも周りに歪みを生み、何らかの事件や災厄を引き起こすでしょう。

あまりこういうことを書くのは気が進みませんが、『リンクシステム』が健在している以上、…推測の域ですが、貴方の生み出した歪みが例の事件と似たような事を引き起こし、第二の貴方とも言うべき魔王が誕生する可能性もなくはありません。しかし、『勇者撲滅』の設定として魔王は常に一人としています。今回、書き換えにより生じたバグがその設定にまで影響を及ぼしているとは考えにくいですが万が一ということもありますので一応気に留めておいて下さい。


―最後に、タマさん。私は貴方ことが結構好きでしたよ』

「……………。」


無言のままに携帯を操作し、真偽を確かめるべく返信する。数秒して送ったはずのメールは受信者の不在により返ってきた。嗚咽と似ても似つかない溜め息のような曖昧なものを静かに吐きだし、携帯を閉じた。

辺りは暗闇に包まれる。僕は祈るように布団の中で縮こまって時を過ごした。

此処に引きこもって無為に時を過ごしたところで、僕が何処に居ようと歪みは生じるのだ。例えこの行いの全てが無駄でも、それでも、この外界から切り取られたかのような疎外した空間の中で一人でいるという、誰にも干渉していない状態が唯一の慰めとなって僕は独り自己満足に浸っていた。


「予測はしていましたが、実に惨め窮まりない光景ですね…。実に何の面白みもなくつまらない…。貴方、それでも影の王ですか…」

「いや、影の王ってフレディが求めるようなものでもないと思う…ってフレディ!?」


布団を剥いで声のする方を見ると、いつもの黒の外套に身を包みんだフレディの姿がそこにあった。フードを目深に被っているせいで顔の殆どが影に覆われているが、フードから垂れる背中まで届くであろう長い白髪が女性を思わせる線の細い顔のラインを強調して何とも品のある感じになっている。

フレディは微笑を浮かべながらフードを取り払い、頬に掛かった紙を払うようにゆるく首を振った。


「お久しぶりですね、影の王…。この再会を祝して、手始めに死んで下さい…」

「この再会を呪っての間違いだろう?つか、手始めに死ねって…、一体その先に何が待ってるんだ」


戦々恐々と呟く僕を物の見事に無視してフレディは薄く微笑みながら罵詈雑言を撒き散らす。


「相変わらず、実に見事なマヌケ面ならぬ馬鹿面ですね…。貴方はそうでなくてはなりません…」

「凄く酷なこと言ってる自覚ある?犬に二足歩行しろってくらいの無理難題を主に突き付けてるよ、君」

「何をおっしゃいます…。貴方はいつもその面だと遠回しに教えているだけではありませんか…」


フレディは立つのに疲れました…などと年寄り臭いことをぼやきながら我が物顔で机に腰掛け足を組むと、嘲笑を浮かべ満足げに僕を見下した。

恐らく僕がベッドの上に居たために目線が大体同じ位置だったので存分に見下すことが出来なかったのだろう。


「お前も居ないだろ、友達絶対居ないだろ」

「天才とは常に孤独なものです…。尚且つ、私は私の目に適う者しか友として認定しませんので…」

「言いが訳見苦しい上に最低過ぎる!その強情が命取りだってことにいい加減気付けよ!そりゃ周りも煙たがる!ツンデレか!?」

「どちらかと言えばヤンデレに属しますかね…」

「マジかよ!?」


フレディはそれ以上の追求を良しとせず、少し照れ臭そうに咳ばらいをして話を無理矢理切り変える。


「慣れないことはするものではありませんね…。まぁそれはともかくとして、本題に移りましょう…。

今日、わざわざ魔力を倍に消費してまで話に来たのは、言わずもがなですが貴方のことです…。本来、魔王であるはずの貴方が何故、ミケガサキに召喚されるまで周りに歪みが生じなかったのか?色々な仮説がシステムの方から立てられたようですが、正直、掠りもしてませんね…」

「そう、なのか…?」

「えぇ…。まぁ、お門違いの仮説も仕方ないことです…。我々も確固たる確信はないわけですから…。まず、元より『魔王』である貴方が何故三嘉ヶ崎で歪みを生じなかったのか?答えは簡単ですよ…。恐らく、貴方は魔王ではなかったからです…」

「はぁ…」


僕が気の抜けた返事をすると、フレディは露骨に顔をしかめ舌打ちした。そしておもむろに机の引き出しを開けると数本鉛筆を取り出し、一気にそれをこちらに投げ放つ。鉛筆は僕の頬を掠め、壁に深々と突き刺さる。


「チッ…。これだから馬鹿は理解に乏しくて困る…。何ですか、その微妙な反応は…。気泡の抜けた炭酸ですか貴方…。チンパンジーの方がまだ気の利いた返事を寄越しますよ…」

「十中八九寄越さねーよ。仕方ないだろ!今の説明で納得する方がおかしい!大体、気泡の抜けた炭酸はもう炭酸じゃねーよ、ただの水だよ」

「いいえ、微炭酸です…。まぁ、クソどうでもいいことに論議を諭している場合ではないので先に進みますよ…。―確かに、元より魔王である貴方があの時点では魔王でなかったというのはおかしな話でしょう…。しかし、私がそう言うのにも訳があります…。まず、貴方が持つ特殊能力の話をした方がいいですかね…。貴方が持つ特殊能力は実は三つありますが、貴方が知り得ているのは二つまででしょう…」


フレディは指を三つ立てて説明し始めた。まず、僕の持つ特殊能力の一つが、明真さんから託された『干渉能力』。二つ目が元より僕自身の特殊能力である『拒絶』。


「―そして、三つ目が田中陽一郎の倒した魔王の特殊能力『継承』…」

「『継承』?」


フレディ曰く、『継承』は本来その能力を持っていた者が死後、その魂の一部を分離させ、自身が獲得した記憶を除く知恵などの類を他者に継がせる能力であるという。

そして、彼の知恵の継承者が僕であることを打ち明けられたが、いまいち釈然としない。

そう言えば、いつしか陽一郎さんが僕が彼の生まれ変わりだとか何とか言っていたことがあったが、陽一郎さんもまた、彼の特殊能力が『継承』であったと踏んでいたのだろうか。

そのことをフレディに告げると彼は都合のいい解釈だと鼻で笑い、哀れむような目で遠くを見据えた。


「いいですか、影の王…。貴方は田中優真であって、彼ではないのです…。その証拠に、貴方は貴方の特殊能力がある…。本当の生まれ変わりであるなら、その能力も同じものになるはずですから…。

彼は自身の能力のことを誰にも打ち明けなかったため、『継承』と我々が勝手に決め付けていたわけなんですが、魔王の特殊能力にしてはあまりにも弱いと思いませんか…?しかも、その能力が発揮されるのが生前でなく、死後というのも腑に落ちない…。元はといえば、記念すべき魔王第一号な訳ですよ…?その能力が死後に発揮されるというのは、あまりにも不公平でしょう…」

「質問なんだけど、そもそも何で初代魔王の能力が僕に継承されるんだ?」


僕の質問に、フレディは嘆息しながらも面倒臭さそうに説明し始めた。


「そりゃ、貴方が存じ上げないのも無理はないでしょうが、初代魔王は血縁関係上、貴方の伯父に当たる方なんですよ…。故に、愚弟が引き起こした不祥事によって生まれた貴方を心配していました…。彼は一連の事情を知り得ていましたから、貴方にその能力が継がれたことに我々としては何の疑問もありません…。

「そう考えると…、この一族、つくづくこのゲームに縁があるな」

「ですね…。まぁ、あの人は半分とばっちりを受けたようなものですよ…。弟の代役で召喚されたのですから…。一貫して言えるのは貴方の一族は皆、幸が薄いですね…」


三嘉ヶ崎人口において、魔王として抽出される確率は約数千分の一である。僕を含めまだ四人しか魔王として召喚されていないに関わらず、日頃の行いの悪さが幸薄へと導いているのか、その内の二人が血縁関係にあるというのは大変由々しき事態ではないだろうか。最も多くの魔王を排出している家系であることは言わずもがなだ。


「話を戻しましょう…。彼の特殊能力と、貴方が魔王であるのにも関わらず歪みを生じさせなかったこと。これは相対関係にあるといっていいでしょう…。そして血縁上、特殊能力というものは似たような性質になりやすいのです…。彼の直系である東裕也の特殊能力は『反転』。性質を全く逆のものに変える力でした…。つまり、彼の特殊能力もこれに近いものだったのではないでしょうか…。そうですね、『改変』とでも名付けましょう…」

「その能力のおかげで、少なくとも三嘉ヶ崎での僕は魔王として歪みを生じさせる存在ではなかった訳だ。ん?じゃあ、いつからそうなったんだ?」


僕が小首を傾げると、フレディはやれやれと言わんばかりに溜め息を吐いた。


「貴方が、『魔王』であることを望んだその時からに他なりません…」

「―あぁ、あの時か…」


あれは新資源である魔力魂を巡って争っていた最中のことだ。色々あって吉田魔王様と僕、そして女神由香子様とカインは捕らえられ、殺されようとしていた。その時の執行人が雪ちゃんで、彼女は長年精神的苦痛を強いてきた女神様を憎悪し、殺そうとしたのである。

僕は決して由香子さんが好きだったわけではないが、死んでほしいと思ったことは一度としてない。雪ちゃんにしても同様で、これ以上傷付いてほしくなかった。しかし、この世界にいれば立場上、嫌でも彼女は剣を振るわざるおえないだろう。彼女が倒すべき魔王はあの時存在せず、もしかしたら彼女は永遠にあの世界に束縛される運命にあったのかもしれない。

そんな運命を辿ろうとした彼女を解放したいという殊勝な気持ちがあった訳ではない。ただあの時、誰にも傷付いてほしくなかった。救ってあげたかった。それだけだった。

だからと言って、『魔王』になるというのはあまりに突拍子もない話だが、それで結果的に彼女が救われたのだからそう思えば後悔など微塵もない。


「…雪ちゃん、折角還してあげたのに何でまた戻って来るかなぁ。もし、僕があのまま死んでたら僕のした行いが全くの無駄になってたんだよ?」

「それこそ、今更でしょう…。能力には常にメリットとデメリットがあります…。彼の能力の効力から鑑みるに、性質を変幻自在に変えることは出来ても、相手の意思に逆らうことは出来ないということですかね…。東裕也が能力効果が深く狭いものでしたが、彼の殊能力効果は広く浅かったのです…」


物憂げにフレディは窓の外の景色に目をやる。といっても、夜中故に辺りは黒一色に塗り潰されて何も見えないだろうが。


「伯父さんの折角の厚意を無駄にしてまで魔王になって、救ったと思ったら振り出しに戻って…結局何とかなったけど、何だか悪い気がするなぁ」

「それも、今更ですよ…。まぁ、良いんじゃないですか…?彼はもしかしたら、全てを見越していたのかもしれません…。貴方が何れ、魔王になると…」

「何で?」

「初代魔王である彼は自身の特殊能力によって、後に召喚されてくる松下明真を過去へと遡らせ初代勇者に仕立てあげました…。

それにより、当時もしかしたら死んでいたかもしれないカイン・ベリアルやアンナ・ベルディウスが騎士となり、貴方の良き仲間となった…。それに、貴方々と出会えたこら我々も…」

「我々も?」

「良い意味で変われた気がします…」


一片の悪意なく優しげに微笑むフレディに半ば呆気に取られながらも、微笑み返す。


「それは……。良かったね」

「…………。」


対してフレディは無言で先程と変わらぬ微笑みを浮かべたまま、周りにある棚や椅子などの家具をポルターガイストよろしく宙に浮かせた。

思わず笑みが凍り付く。嫌な予感がひしひしとした。


「えーと…フレディ?僕、何か癪に障るようなことしたかな?」

「そうですね…。何となくムカつきました…」


―後で知ったことだが、ヴァルベル曰く、このドメスティックバイオレンスな行動は全て照れ隠しのつもりらしい。しかし、いくら照れ隠しとはいえ、受ける側としてはたまったものではない。

次々と飛来して来る家具に半ば部屋を追い立てられるようにして僕は一階へと避難した。


****


「あれ?電気がまだついてる…。皆、こんな時間まで夜更かししてるのか?」


玄関を上がって三歩程歩いた先にリビングと玄関を隔てるドアがある。大した距離ではないので、階段からでも部屋から漏れる明かりで中の様子は大体分かる。

就寝用の明かりならば青く、漏れてくる明かりもごく僅かなため、ドアまで近づかなければならないのだが、今回は普通の照明の明るさであるから起きているのは明白だろう。

側まで来たはいいものの、どうするべきか躊躇している間に、ドア越しに浮かび上がる影で気付いたのだろう。ドアが開き、教官が嬉々とした表情で僕を迎え入れた。


「…優真、無事だったか。長らく部屋に篭ったままだったから我々も心配したぞ」

「心配かけて悪かったね。とりあえず、大丈夫だから」


そうかと教官は満足げに頷き、ほっとしたように胸を撫で下ろす。


「実は、今からお前を引きずり出すべく、ドア破壊策を実行に移そうとしていたところだったのだが…杞憂に終わって何よりだ」


そう言った教官の肩越しには、天井に届きそうなくらいの長さの大筒が突き出ている。ドアを破壊する以上の破壊力を秘めていることは最早一目瞭然だ。

―悪気はない。けして悪気はないのだ。しかし、あのまま引きこもっていたなら、引きずり出されるどころか、危うく消し飛ばされるところだった…。

つーか、僕の部屋のドアは城塞か何かか?


「うん、良かった。使われなくて本当に良かった」


恐怖のあまり身震いする僕にカイン達が近付いてきて、心配そうに大丈夫か?顔が真っ青だぞとか、もう少し横になっていた方が良いでしょうなどと気遣うが、もう何と言うか人間不信に陥りそうだ。


「具合の方は多分大丈夫。僕も出て来たことだし、これで皆安眠出来るよね」


曖昧に笑いながら言うと、カインはそのことなんだがと言葉を続けた。


「…優真にはまだ伝えてなかったが、校長の粋な計らいで、俺らの歓迎と慰安を兼ねて皆で温泉旅行に行くことに決まったんだ。五時に岸辺達が迎えに来るから寝坊出来ないし、それ以前に楽しみで寝れないからこうして皆で支度を整えて時間を潰している訳だ」

「何でも、此処から少し距離があるそうなんですが、昔野球部の合宿所として使っていた古い別荘で良ければタダで温泉に入れるらしくて…柄にもなく皆様はしゃいでいますの」

「へぇ…」


何でも、温泉の湧き出る場所は皆貴族が土地を買収してしまい、滅多に入れるものではないという。


「風呂は心の洗濯というからな、きっと優真も元気になるに違いないと皆で話していたんだ。行くことが出来て良かった」

「………!」


咄嗟に謝罪の言葉が出かかったが、何とか飲み込む。今言うべきは謝罪ではない。感謝だ。


「皆、ありがとう…」

「礼には及びません。我々も行きたかったので」

「だな」


何故か得意げなノーイさんの足を踏ん付けノワールが黙らせる。教官とカインは頻りに頷きながらも僕の頭をわしゃわしゃと撫でた。


「―…優真」

「ん?」

「我々は確かにお前より力は劣るし、幾分頼りない存在かもしれん」

「そんなことは…」


ないと断言しようとする僕の言葉を遮り、カインが二の句を継いだ。


「だからな、まぁ、俺らがお前に勝るものといえば年の功くらいだ。此処最近、何か思い詰めていたみたいだが、俺等としては例え力になれなくとも相談相手くらいなら勤まるんじゃないかと思うわけだ。でもな、だからと言ってそれを強制したいわけじゃない。お前がいつか、話そうと思う時まで俺らは待つ。だから、どうしても抱えきれないその時は俺らに話せ。俺らは皆、お前の仲間なんだから」


カインは一方的にそう告げると、乱暴に頭を撫でた。抗議の声を上げる僕に、皆は可笑しそうに笑いながらもカインの加勢に入る。

丁度その時、窓際から車のクラクションが鳴り、ライトが短く点滅する。


「えー…警告する、警告する。一番最後の奴は問答無用で荷台に放り込む。安定と安眠を手にしたくば、座席を勝ち取れ野郎共」


本気なのかそうでないのかいまいち分からないキー先の言葉に、皆は一目散に玄関に駆け出した。

ちょっと、前半予想外にもフレディがでしゃばったために、今回皆でワイワイ温泉行くはずが後方に押しやられてしまいました(笑)

何はともあれ、次回はそんな話になる予定です。

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