第3話:ライバル現る!?
順調に見えたアイドル活動に、早くも暗雲が!?
強力なライバルの噂を聞きつけたあかり達は……。
青春のスパイス、ライバル回です!
「えっ、嘘!? 2組の西園寺さんが!?」
翌日の昼休み。
購買で買った焼きそばパンを頬張ろうとしていた私の手が、ピタリと止まった。
目の前の席でスマホをいじっていたクラスメイトの噂好き女子、カナが声を潜めて言う。
「本当だってば! なんかね、本格的なダンスユニット組んで、次の合同ライブにエントリーするらしいよ」
「マジか……西園寺さんって、あのバレエ経験者の美少女だよね?」
隣で野菜ジュースを飲んでいた美姫が、渋い顔をした。
西園寺玲奈。
容姿端麗、成績優秀。おまけに実家はお金持ちという、絵に描いたようなお嬢様だ。
そんな子が本気でアイドルを始めたら、私たちの『ルミナス』なんてひとたまりもない。
「やばいよ美姫! 偵察に行こう!」
「えぇ~、今から? ご飯まだ残ってるのに……」
私は美姫の手を引いて、教室を飛び出した。
廊下は昼休みの生徒たちで賑わっている。
笑い声、走り回る男子、先生の怒鳴り声。
いつも通りの喧騒だ。
……ただ、少しだけ気になったことがある。
「ゲホッ! ゴホッ! ……はぁ、はぁ」
すれ違った男子生徒が、ハンカチで口を押さえて激しく咳き込んでいた。
顔色が悪い。土気色というか、少し青黒い感じがする。
「大丈夫? 保健室行ったほうがいいんじゃない?」
「あ、ああ……平気……ただの風邪だから……」
彼はふらつく足取りでトイレの方へ消えていった。
最近、季節の変わり目だからかな? 風邪引いてる人、多い気がする。
「あかり、急がないと予鈴鳴っちゃうよ!」
「あっ、待って!」
気を取り直して、私たちは2組の教室へ向かった。
教室の後ろからこっそり中を覗く。
「……あれ? いないね」
西園寺さんの席は空席だった。
近くの女子グループが話しているのが聞こえる。
「玲奈、どうしたの?」
「なんか朝から調子悪いって言ってて、さっき早退しちゃった」
「えー、珍しいね。あの玲奈が」
「なんか熱っぽかったし、顔真っ白だったよ。貧血かな?」
早退かぁ……。
ライバル視して偵察に来たのに、なんだか拍子抜けしてしまった。
「なんだ、いないのか。……でもさ、あかり」
美姫が窓の外を見つめながら呟く。
「ん? どうしたの?」
「今日、救急車の音、すごく多くない?」
言われて耳を澄ますと、確かに遠くから『ピーポー、ピーポー』というサイレンの音が聞こえる。
それも一台や二台じゃない。
街のあちこちから、不協和音のように響いている気がした。
「……事故かな?」
「かもね。大きな事故があったのかも」
美姫は肩をすくめた。
「ま、西園寺さんがいないなら今はチャンスじゃん! 放課後の練習、気合入れようよ!」
「もう、あかりはポジティブだなぁ。……まあ、負ける気はしないけどね」
私たちは顔を見合わせて笑った。
強力なライバルの出現。
それはピンチだけど、燃える展開でもある。
西園寺さんが元気になったら、正々堂々と勝負しよう。
そう心に決めて、私たちは教室へ戻った。
窓の外で鳴り止まないサイレンの音が、徐々に近づいていることに気づかないまま。
ライバル・西園寺さんは不在でしたが、これからどう絡んでくるのか?
それにしても風邪が流行っているみたいですね。皆さんも体調管理には気をつけてください!
次回、部活中にトラブル発生!?




