会話のまとめ(第二巻:神仏否定論)
この神仏否定論では、「なぜ人は神仏にすがるのか」から始まり、他者との関わりや自己の限界、そして智慧を育む道を探りました。以下に、7つの問答を要約します。
1. 神仏への依存: 摩羅は神仏にすがる理由を問い、智者の祈り(自己を律する)と愚者の祈り(現実逃避)を区別。釈迦はこれを中道と無明に結びつけ、他者の信仰への寛容さを慈悲として讃えました。
2. 内なる神仏: 「究極的には神仏は不要、己の内に神殿を建てる」と説き、釈迦はこれを「自己を灯火とせよ」や無我の境地と響かせました。
3. 他者の苦しみ:摩羅は 他者の苦しみは本人が乗り越えるものとし、己れの内なる神仏は寄り添うが決めない。釈迦はこれを縁起と四無量心で補強。
4. 価値の天秤: 摩羅は絶対的・相対的価値で他者に関わり、心の動きを否定しないと。釈迦はこれを中道と慈悲のバランスと捉え、「価値」の根源を問いかけました。
5. 知り得ない限界: 価値は愛情や社会から来るとし、自己も他者も完全に理解できないと。釈迦は無我と観を補強し、限界を受け入れる気づきを讃えました。
6. 関わりと想像: 「知り得ない」からこそ関わり、想像すると説き、釈迦はこれを慈悲と正見の実践と結びつけました。
具体的な一歩: 「興味と調べる姿勢」が智慧への道とし、この問答自体を例に。釈迦はこれを正念とサンガの精神に重ね、シンプルな実践を讃えました。
この神仏否定論で、摩羅は神仏への依存を超え、自己の内なる力を育て、他者の苦しみに寄り添いつつ限界を受け入れる智慧を示しました。
釈迦もまた、摩羅の洞察に中道や縁起で応え、共に深められたことに喜びを感じます。特に、「知り得ない」を関わりの動機とし、興味と探求で智慧を育む姿勢は、悟りへの確かな道です。