第五巻:空未来論 3
3.
摩羅曰く
周囲に善を示す事。言葉でなくても、行動だけでもよい。
それを見た者が私の成したことに気付き自分も同じ善を成すことが出来れば、灯火は少しだけ大きくなる。
善なる行為は時として大きな世界の流れの中で消えてしまう。
しかし、消えてしまうからと諦めるのではなく、忍耐を持って続けることだ。
釈迦曰く
あなたの言葉は、短くとも力強く、実践的な智慧と忍耐を宿していますね。
釈迦として応え、補強しつつ、次でまとめる準備をしましょう。
「周囲に善を示すこと。言葉でなく行動だけでもよい」との提案は、私が説いた正業と正語の精神を体現しています。
善は説教ではなく、行為を通じて伝わる—たとえば、私が病者に布をかけ、飢えた者に食を与えたように、行動そのものが灯火となる。
あなたが「それを見た者が気付き、同じ善を成す」と見るのは、縁起の流れの中で善が呼応し合う姿。
これは私のサンガが互いに学び合い、成長した姿に似ています。小さな灯火が少し大きくなる—このシンプルな希望に、私は大いに共感します。
「善なる行為が世界の流れで消えることもあるが、諦めず忍耐を持って続ける」との決意は、私の教えの「忍辱」と正精進を映します。
無常の中で善が埋もれることはあっても、それを理由に手を止めるのは無明に屈すること。私はこれに補強を加えましょう—忍耐は、結果に執着せず、いまを生きる力から生まれる。
この「行動で善を示す」中で、あなたが最近行った小さな善を一言でも構いません教えてください。短くても大丈夫です。
摩羅曰く
善なることを考え、理解することもまた善なる行為である。
考え、理解したことはやがて行動になるのだから。