プロローグ
時は、魔法が世界を統べる時代であり、人々は、戦争、国政、犯罪、仕事、全てに魔法を使った。世界は六つの魔法国に分かれ、日々領土争いや外交に精を出していた。
しかし、魔法主義の時代が突如として幕を閉じる。魔法が時代を統べ始めてから三百年後に、魔法国第六位ユノミー王国で、人類の瞳に特殊な能力を宿した人間が産まれた。人々はその人種を、「眼人」と呼んだ。
眼人は、魔法を使えず眼に能力を宿さない「無眼人」と協力しながら余った土地を耕し、質素で平和な生活を送っていた。時が経つにつれ眼人の人口が増えると、人々は眼人の特殊能力による領土侵攻の不安や、魔力を使わずに特殊能力を発揮することに差別的な目線を持つことで眼人を敵視し、魔法を使う人種を「魔法人」と名乗り戦争を仕掛けたのである。
眼人は、争うつもりもなく、自分達の生活ができる領土をもらえば幸せであった。しかし、魔法人は眼人からの友好条約を否定し眼人の領土に対して戦争を仕掛けたのである。結果として眼人は圧倒的な軍事力を前に魔法人に敗北し、眼人が住む土地を植民地として確立させたのである。
その戦争から二百年が経ち、世界は魔法国同士による合併などから四国に減った。
眼人の英雄ジダの功績によって、魔法国政府は眼人に対し、人権を与え、植民地という立場から脱却したのである。その結果、眼人達が統べる五つの国、五大眼国が建国したのである。
その後、魔法国と眼国は、対等な関係を築いたように思われたが、眼人に課せられた法律が多くある。その一例として、眼人が魔法国に入国することは、基本的に出来ない法律である。仮に、特別な理由があり、入国したとしても、魔法国民から白い目を向けられ、歴史的な観点から差別的な扱いを受けることになる。次に、魔法人と眼人の結婚は認められない法律である。決して交わることのない人種として魔法国側が決めているため、魔法人と眼人のハーフはこの世界に存在しない・・・・。
それでも、魔法国と眼国が対立し戦争に発展することはない。それだけ英雄ジダの功績は大きいのである。彼は、魔法国第一位マクカフ帝国国王ドルナド四世に、眼国の建国を直談判したのだ。交渉内容の詳細は、誰も知らないが、建国を実現させ、戦争を止めたのである。
多少の障害がありながらも、大きな平和を手に入れた眼人。そんな世界で、大きく時代を動かす一人の眼人の物語が始まるのである。




