第2章 その頃、ジョージは何をしてた!?
その頃本当の暗黒川・・・いや、平蔵は、突如姫をさらった、魔騎士マルタを討伐するために、マルタの居住する城へと赴いていた。
城のある場所は完全に離島となっており、船を出すには"勇者資格"が必要であった。
しかし、平蔵は勇者資格を数日で取得した。
オーガに盗まれたアマンション大陸のエットの国の王様の杖をオーガ討伐の上、取り返したという功績が認められ、勇者資格を国王から献上されたのである。
3ヶ月前
異世界に突然飛ばされた本物の暗黒川根暗こと、竹中平蔵・ジョージ・ルークは、察しがいい。
文献や映像資料、そしてインターネットを通し、この世界の情報をわずか2日で網羅した。
そして、この世界ではまだなかった火縄銃を発明し、設計図と特許を合同会社ゼリベスのバド支社に売り、1000万ウェンという大金を得て、南のパロス大陸にあるマローズ王国へ行く船に乗った。
船の中に沢山の書物を持ち込み、呪術妖術魔術剣術、そして医学、臨床心理学、歴史など多数の学問を学び、そして、船に乗って、30日後、船が着く頃には、学者としても勇者としても秀でた才能を有す賢者となっていた。
暗黒川も平蔵も仕事が著しくできないのは、共通していた。
しかし、2人のただ一つの共通点は、興味を持ったものに対しては、非常に高いパフォーマンスと多くの知識を得ることができることだ。
旅の途中で日払いで様々な兵士を雇用したり、時には国王からも依頼を受けるようになった。
彼の発明した武器によって、マローズ王国は、パロス大陸にある様々な国や集落を次々とマローズの領地に収めることができ、平蔵は、勇者としての才能を開花させるだけじゃなく、かつていた国バドでもその名前が知れ渡るほどであった。
そして、今マルタの居住する城の前について。
マルタは、5メートルほどの巨人であったが、彼の所有する魔力を込めた誘導弾を"バズーカ砲"と彼が命名した発射機を使ってマルタを鎧ごとバラバラにし、城内には、内蔵や眼球などが飛び散った。
「姫、ご無事でしたか?」
姫は、平蔵の目を見つめて震えた。
「姫」
平蔵は姫を強く打った。
「そんな目で俺を見るな、俺は世界を統一する男だ。
もし、余計なことをほざいたら、その時は命がないと思え」