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【第四部】忘れじのデウス・エクス・マキナ 〜外れ職業【ゴミ漁り】と外れスキル【ゴミ拾い】のせいで追放された名門貴族の少年、古代超文明のアーティファクト(ゴミ)を拾い最強の存在へと覚醒する〜  作者: アパッチ
第十八章:虹を越えて、無限の彼方へ

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第1046話:Beat the Angle


「第四十階層……やっぱり見覚えのある場所だな」



 ――――“無限螺旋迷宮”ユグドラシル・シャフト、第四十階層。“異聞イフ”ゼクス=エンシェントを撃ち破り、さらなる上層階に辿り着いた俺たちを待っていたのは、またしても見覚えのある景色だった。

 何処までも続く白亜の回廊、その最深部にそびえる巨大な門。時間に忘れ去られたように佇む“永遠の今日”の牢獄。



「“逆光時間神殿”ヴェニ・クラス……」



 グランティアーゼ王国の一画に在った迷宮ダンジョン、“逆光時間神殿”ヴェニ・クラス。エルフ族から代々選出される“時紡ぎの巫女”が管理する神殿、古代文明の遺産である旗艦アマテラス、その内部に眠る九番目の終末装置アル・フィーネ“光の化身”アルテマを封じた場所だ。



「此処で俺たちはアウラと出逢い、ツヴァイ姉さんと協力して魔王軍最高幹部のレイズ=ネクロヅマと戦った。あの時はみんなゾンビ化させられそうで大変でしたね、我が王?」


「ええ、そうですね……」


「そして、俺はこの場所……“天ノ岩戸(トワイライト・ケージ)”で()()()と戦い、旗艦アマテラスであなたの出自を知った。古代文明が造り出した人造人間ホムンクルス……ノア=ラストアークを」



 “逆光時間神殿”ヴェニ・クラスに侵攻してきた魔王軍最高幹部レイズ=ネクロヅマを撃退するべく、ツヴァイ姉さん率いる竜騎士部隊、当代の“時紡ぎの巫女”だったアウラ=アウリオンと協力して俺たちは戦いに関与した。

 そして、その戦いの中で俺はノアの出自を知った。古代文明の科学者たちが人為的に生み出した人造人間ホムンクルス、通称“人形マキナ”と呼ばれる少女ノアの事を。



(だけど、俺はまだ古代文明でのノアの事をちゃんとは知らない。その時の事を知っているのはホープとトネリコ、機械天使ティタノマキナたち、そしてノア本人だけだ……)



 だが、まだ俺は『ノア=ラストアーク』という少女の全貌を掴めてはいない。ただ命を賭けて仕える意義のある人物だと感じ、この剣を捧げただけにすぎない。

 いずれ、俺はノアの全てを知ることになるのだろう。目の前に聳える門を眺めながら、そんな予感を俺は感じていた。



「物思いに耽るのはここまでです、我が騎士。上を……この階層のガーディアンが現れました」



 そんな俺に気を引き締めるようにノアが促す。どうやら此処を守るガーディアンが出現したらしい。ノアが指差す頭上を見上げれば、其処には輝く翼を広げた天使が一機浮かんでいた。

 黒いレオタードのようなボディースーツを纏い、手脚に機械式のアーマーを装備し、その眼を朱い一つ目(モノアイ)が特徴的な仮面バイザーで覆い隠し、背中から白く輝くエネルギー状の翼を生やした、ピンク色と水色の二色で構成された髪をした少女。



「起動、起動、起動……」

「ジブリール……!」



 その名は機械天使ティタノマキナジブリール――――ノア=ラストアークが開発した人型戦闘兵器。“逆光時間神殿”ヴェニ・クラスの深部にて旗艦アマテラスへと続く“天ノ岩戸(トワイライト・ケージ)”を守り続けていた天使だ。

 ジブリールは頭上からゆっくりと降下して地上に降りると、バイザーの一つ目(モノアイ)を輝かせて俺たちを凝視し始めた。



「お前が此処のガーディアンか?」


肯定イエス――――軌道エレベーター:ユグドラシル・シャフト管理システム『A.E.S.C(トネリコ).』より要請を受理、幻影体を構成。機械天使ティタノマキナジブリール“異聞イフ”、本階層のガーディアンとして侵入者ラムダ=エンシェントを排除します」


「狙いは俺か……!」


肯定イエス――――弊機わたしはシステムによって再現された幻影、本物ではありません。ですので、申し訳ございませんが弊機わたしの命令権は管理者トネリコにあります。弊機わたしは貴方をマスターとは認めません、ラムダ=エンシェント」



 本来のジブリールはノアの護衛としてラストアーク騎士団に同行しているが、目の前に居る“異聞イフ”ジブリールの命令権はトネリコにありようだ。

 両腕に主武装である荷電粒子砲を装備し、ジブリールは俺とノアに狙いを定めている。相手は人型の戦闘兵器、話し合いには応じてくれなさそうな雰囲気だ。



弊機わたしは……()()()()()()()で貴方を評価はしません。弊機わたしはあくまでも測定します……貴方がこの軌道エレベーターを制覇するのに相応しい実力者であるかを」


「なら壊していく……構わないな?」


肯定イエス――――弊機わたしを破壊する事で上層階への道が開かれます。しかし、ラムダ=エンシェントを全力で排除せよと指令オーダーを受けています。手加減できませんのであらかじめご留意下さい」



 ジブリールは淡々と機械的に、ラムダ=エンシェントを排除する、手加減はできないと通告してきた。

 そして、敵を排除しなければならないのは俺も同じ。左手に魔剣を、右手に可変銃を握り、ノアに下がるように促しつつ俺はジブリールと相対する。



「対象:ラムダ=エンシェントの武装を確認、殲滅形態デストロイ・モードへ移行します。起動、起動、起動……人型戦闘兵器『機械天使ティタノマキナ』、タイプ:β’(ベータ・ダッシュ),ジブリール……起動開始」


「我が王よ……離れていて下さい」


「これより指令オーダーに従い、ラムダ=エンシェントを排除します。全機関、限定解除……駆動開始。対象を殲滅せよ、対象を殲滅せよ。荷電粒子砲……放て」



 そして、ジブリールが大きく浮き上がり、両手に握った荷電粒子砲から砲撃を躊躇なく撃ち出した瞬間、冷酷無比な殺戮兵器との死闘が幕を上げたのだった。

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