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リコレクション15:ラムダ=エンシェントの復讐

■ ストーリー概要

【第一幕:バル・リベルタスの戦い】


「迂闊だったね、ラムダさん。護りたい人は常に側に置いておかないとさぁ!」


 ――――エージェント・ブレイヴ(第795話より)



 全世界へと宣戦布告を行なったアロガンティア帝国皇帝スペルビアは大艦隊を“海洋自由都市”バル・リベルタスへと派遣。事態を重く見た“ギルドマスター”カルマはラストアーク騎士団に救援を要請、ラムダたちは“海洋自由都市”バル・リベルタスの上空でアロガンティア帝国軍との交戦状態に突入する。


 亡きアルバート=ファフニールが開発した強力な空中艦隊を前にラムダたちは苦戦を強いられるが、グラトニスの要請を受けたグロリアス=バハムート率いるバハムート艦隊の加勢によって戦局は徐々にラストアーク騎士団へと傾いていく。


 しかし、ラムダがアロガンティア帝国軍の旗艦へと乗り込んでいる隙に戦艦ラストアークをスペルビア率いる強襲部隊が攻め込み、グラトニスたちがいる艦橋ブリッジを爆破しつつ、スペルビアは格納庫にいたノアを誘拐してしまう。そして、ラストアーク騎士団を誘きよせてノアの誘拐するという真の目的を達成したアロガンティア帝国軍は“海洋自由都市”バル・リベルタスに向けて核兵器を発射、ラムダが防衛にあたっている間に軍を引き上げて帝国領へと撤退していったのだった。


 ラムダの活躍で核兵器の直撃は避けられたが、ラストアーク騎士団や冒険者ギルドは多大な犠牲を払う事になってしまう。負傷したグラトニスたちは体勢の立て直しを優先しようとするが、ノアを一刻も早く救出したいラムダはグラトニスたちの決定に反発する。そして、ラムダはアリステラ、ウィル、キルマリア、ジブリールの五名で結成された特殊部隊『タスクフォースⅩⅠ(イレヴン)』を結成し、ノア奪還の為にアロガンティア帝国の帝都ゲヘナに向けて行動を開始するのだった。




【第二幕:タスクフォースⅩⅠ(イレヴン)


「あなたはグランティアーゼ王国が誇る英雄『ラムダ=エンシェント』で……我が祖国アロガンティア帝国を取り戻そうと奮闘する救世主『イレヴン』なのです。決して……決して、スペルビアなんて悪ではありません。大事なのは……今、()()()()()()()()()()です」


 ――――アリステラ=エル=アロガンティア(第816話より)



 アロガンティア帝国軍によって誘拐されたノアは帝都ゲヘナへと連行され、囚われの身にされてしまう。そして、ノアはスペルビア、並行世界から現れた『ラムダ=エンシェント』によって凄惨な拷問を受けて、ラムダという存在そのもの対する恐怖心を植え付けられてしまう。


 それでもラムダの元への帰還を願うノアはアロガンティア帝国第三皇女パーノ=ユゥ=アロガンティアの協力を得て脱獄する。だが、脱走したことを第一皇女ディクシア=アル=アロガンティアに発見されてしまったノアは追われる身となってしまう。さらに、同時期にアロガンティア帝国軍からの離脱を図ったトネリコとタウロスⅠⅤ(フォー)が引き起こした混乱にノアは巻き込まれる事になってしまうのだった。


 その頃、帝都ゲヘナを目指すラムダたちは審問官リヒター=ヘキサグラムの協力を得て、アーカーシャ教団の使節に変装する事で帝都ゲヘナに潜入する事に成功する。だが、そんなラムダたちを待ち構えていたのは、空中に浮遊する事で誰一人として逃げられない『鳥籠』と化した“空中浮遊帝都”ゲヘナだった。




【第三幕:帝都ゲヘナの戦い】


「じゃあな、ラムダ=エンシェント……高潔なまま死ね。そして見ていろ、お前が選ばなかった『スペルビア』の覇道こそが正しかったという事実をな。フフフッ……フハハハハハハハッ!!」


 ――――スペルビア(第835話より)



 帝都ゲヘナへと潜入したラムダたちはスペルビアが居ると思われるインペルティ宮殿に向けて、下水道から潜入作戦を決行。道中、アロガンティア帝国軍の追跡から逃れてきたノアやトネリコたちと合流、そこでラムダたちはスペルビアの真の目的を知ることになる。


 スペルビアの目的は『ノア=ラストアークの蘇生』だった。アロガンティア帝国の秘宝である“機神”、古代文明のあらゆる情報を集積したアーティファクト『輝跡書庫レーカ・カーシャ』を手中に収め、こちらの世界のノアから記憶を抜き出し、並行世界から持ち込んだノアの亡骸を蘇生させようと目論んでいたのだった。


 真相を知ったラムダたちはスペルビアの野望を食い止め、帝都ゲヘナを解放する為に作戦を継続、インペルティ宮殿へと突入する。そして、宮殿内の礼拝堂でラムダたちはノアの亡骸を発見するもそこにスペルビアが現れ、ノアの亡骸はアロガンティア帝国軍が接収した旗艦アマテラスへと運ばれ、ラムダはスペルビアとの戦いを余儀なくされてしまうのであった。


 だが同時に、体勢を整えたラストアーク騎士団とバハムート艦隊が帝都ゲヘナへと接近、迎撃に動き出したアロガンティア帝国艦隊と激しい戦闘を開始し始める。その激戦の中で、再び戦艦ラストアークの制圧に乗り出したエージェントたちは迎撃に打って出たグラトニスたちと対峙、ノアは“天空神機エリュシオン”ユピテルを駆るエージェント・スペスに対抗するべく“天空神機エリュシオン”ウラヌスへと搭乗する。


 その頃、ラムダはスペルビアとの一騎打ちに望んでいたが、護るべきものを全て失ったもう一人の『ラムダ=エンシェント』であるスペルビアの実力は凄まじく、先の魔王継承戦で魔王装甲アポカリプスを失っていたラムダは劣勢に追い込まれていく。そして、スペルビアの攻撃から民衆を庇って隙を晒したラムダはスペルビアによって身体を真っ二つにされてしまい、そのまま帝都ゲヘナの地下へと落とされてしまうのだった。




【第四幕:星騎士の帰還】


「残す五つの試練を残り越え、一つの大きな“決断”を下し、そして誰もまだ見ぬ『結末』へと辿り着け! それが君が歩む“未来”だ、ラムダ=エンシェントよ!!」


 ――――第十一使徒■■■(第842話より)



 身体を切断されて死の淵に立たされたラムダは“機神”が格納された秘密の空間に運良く流れ着く。そして、その場にいたアリステラは死ぬ寸前のラムダを救出するべく、ラムダを“機神”と融合させるという一か八かの賭けに打って出る。


 “機神”に取り込まれたラムダは精神世界内でかつて“騎士”に憧れた幼き日の自分と対峙する。両親から託された王立騎士になるという“夢”を果たせず、その事で抱えた後悔に圧し潰されそうになっていたラムダは過去の自分に懺悔するが、過去のラムダは『騎士の誓い』はいまだに果たされていると言ってラムダを諭す。そして、過去の自分から助言を貰ったラムダは『騎士とは護る者』という誓いを今度こそ護る為に再び立ち上がることを決意するのだった。


 そして、次に現れた“第十一使徒”を名乗る人物と接触したラムダは『覚悟』を問われることになる。スペルビアに勝つためには“人間”であることを辞めなければならず、ラムダが進もうとしている道の先には大きな『罪』が待っていることを。それでもラムダは進む“覚悟”を示し、“第十一使徒”はそんなラムダに『輝跡書庫レーカ・カーシャ』のコアをラムダへと移植するのだった。


 その頃、帝都ゲヘナではスペルビアによる『ラムダ死亡』が高らかに宣言され、スペルビアに反旗を掲げた第一皇女ディクシア率いる反乱軍の士気は下がろうとしていた。だがその時、“機神”との融合を果たしたラムダが復活、スペルビアの宣言が虚言へと変わった事で反乱は再び活気付くのだった。


 戦艦ラストアークの侵略にあたったエージェントたちはグラトニスたちに討ち取られ、エージェント・スペアもノアの駆る“天空神機エリュシオン”ウラヌスの前に敗北して戦死、そして旗艦アマテラスも撃墜された事で安置されていたノアの亡骸も消失し、スペルビアの野望は完全に潰えてしまうのだった。


 それでも敗北を認めないスペルビアはせめてラムダだけでも倒し、『ラムダ=エンシェントにはどう足掻いても破滅の道しかなかった』という事を証明しようとした。だが、“機神”と融合して覚醒したラムダの前にスペルビアは手も足も出ずに敗北してしまう。そして、刻まれたラムダへの恐怖を“愛”で抑え込んだノアに赦しの言葉を与えられ、スペルビアという『ラムダ=エンシェント』は静かに息を引き取るのだった。




【第五幕:モラトリアムの終焉】


「はい……その……私のお腹の中にですね……私とラムダさんの子どもができたんですよ……できたんですよ」


 ――――ノア=ラストアーク(第862話より)



 スペルビアが打倒された事でアロガンティア帝国は解放され、帝国の主権はアリステラたち皇族の手に戻っていた。そして、アリステラたちは今回の事件で傍観を貫いたアーカーシャ教団への強い遺憾を示し、教団からの離反を決定する。世界最大の軍事大国であるアロガンティア帝国の離反宣言はまたたく間に世界に伝播し、女神アーカーシャの絶対的な支配体制の揺らぎが徐々に生じ始める。


 そんな中で、ラムダたちラストアーク騎士団はアーカーシャ教団に支配されたままのグランティアーゼ王国の奪還を決意。再びアリステラを仲間に加えて、ラムダの故郷であるエンシェント領サートゥスに向けて出発し始めるのだった。


 そんな折、なんとノアとオリビアの妊娠が発覚、ラムダは若干15歳でありながら一気に二児の父親になってしまうのだった。だが、新たに護るべき家族を得たラムダは決意も新たに、再び『騎士』になる事を決意するのだった。そして、ラムダとノアが始めた『贖罪と再起の物語』は最終局面へと向かい始めるのだった――――。


 ――――第四部『機械から生まれた神デウス・エクス・マキナ』へと続く。




■ 登場人物紹介

スペルビア

┗アロガンティア帝国第十一代皇帝に就任した男で、並行世界から現れたもう一人のラムダ=エンシェント。手酷い敗北で仲間たちを失い、ノアをも失った事で精神が壊れて“傲慢の魔王”として覚醒してしまった。亡きノアの復活を目論んでいる。


ディクシア=アル=アロガンティア

┗アロガンティア帝国第一皇女で、アリステラの姉。帝国臣民をこよなく愛し、スペルビアによる恐怖支配から民を守るためにスペルビアへの隷属を受け入れた。


パーノ=ユゥ=アロガンティア

┗アロガンティア帝国第三皇女で、アリステラの妹。スペルビアによる帝都ゲヘナ襲撃時に死亡したと思われていたが、精神体になることで死を免れていた。




■ 章のテーマ・問い

【大人への成長/モラトリアムの終焉】

┗第二部での挫折によって道を見失っていたラムダはこの第十五章にて、ずっと目を背け続けていた『騎士』の理想と再び向かい合うことになる。かつてシータ=カミングの死を看取り騎士に憧れた自分との対話でラムダは『騎士とは護る者』という自身の掲げた“騎士の誓い”が今も護られている事を思い出し、たとえ女神アーカーシャに否定されたとしても『騎士』として立ち上がることを決意する。


 この“インナークリティック(内なる批判者)”との対話を経てラムダの内面は完成され、再び『騎士』を名乗ることを決意したことでラムダは真の“大人”へと成長を果たした。純然に騎士に憧れた少年期を経て、道に迷いながらも歩き続けた青年期を超え、ノアとオリビアの妊娠を以って“父親”になったラムダは大人への道を歩み始めるのだった。



■ 伏線と仕掛け

【伏線1:スペルビアを倒した者】

┗スペルビアに失墜したラムダは“神”と呼ばれる人物の影に怯え続けていた。ラストアーク騎士団を壊滅させ、愛する人を容赦なく奪い取った存在。果たしてその人物とは何者なのだろうか……?



【伏線2:第十一使徒】

┗ラムダの精神世界内に現れた仮面の人物。ラムダが『インナークリティック(内なる批判者)』と対話する最中に現れた彼は何者なのだろうか?



【伏線3:大人になったラムダ】

┗精神面での成長を果たし、“機神”と融合したことで戦士として完成され、子を持つ父になったことでラムダには大きな変化が現れた。それまで黒く染めていた髪は再び鮮やかな金色へと戻り、それまで自己を偽るために着用していた『仮面』は遂に脱ぎ捨てられた。




■ キャッチコピー

【そして君は大人になる】

┗傷だらけの過去を受け入れ、もう一度“騎士”になる事を決心したことでラムダは大人へと成長した。だが、それはかつての“弱かった自分”との決別を意味しない。


 ただ騎士を夢見たかつての自分も、王立騎士として“現実”の厳しさに打ちのめされた自分も、道に迷い『イレヴン』として自己を偽った自分も、その全てが大人になったラムダを形作る『真実の姿』である。


 それまで歩いてきた道を、それまで演じ続けていた『自分』を全て受け入れ、ラムダは『自分が何者であるか』に答えを出した。そして、来たるグランティアーゼ王国奪還作戦にて、ラムダは高らかに宣言するだろう……自分が『■■の騎士』であることを。



■リコレクションを終えて

【物語は最終局面へ……】

┗第三部で描かれたのは『ラムダが大人へと成長する物語』である。そして、ラムダが大人になったことで『忘れじのデウス・エクス・マキナ』は最終局面ヘと向かっていく。残された因縁との決着、明かされる古代文明滅亡の真実、ノアが隠した最後の秘密、そして待ち受ける結末に向けてラムダは駆け出していく――――。


 ――――第十六章『王の剣の帰還』へと続く。




これにてリコレクションシリーズは完結になります。

第一部から第三部までの物語を振り返ったリコレクションは如何だったでしょうか?


ストーリーをかいつまんだ要約で細部に欠けると思うので、実際のストーリーが気になる方はぜひ本編もお読みください( ・∀・)



そして、次回からはいよいよ最終シーズンにあたる第四部が始まります。ここまで築き上げた伏線や因縁を全六章のストーリーで回収していくのでお楽しみください!


それでは第十六章『王の剣の帰還』でまたお会いしましょう(`・ω・´)ゞ



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