リコレクション13:死と生の黙示録
■ ストーリー概要
【第一幕:“天蓋揺籃墓標”ルイナ・テグミーネ】
「興味ないわ、貴方の名前なんて。だって……これから私は貴方の事を“下僕”としか呼ばないもの……」
――――テオフォニア=ティアマトー(第487話より)
“夢現幻想郷”マホロバでの戦いを終えたラムダが直面したのは、大事な“相棒”であるノアの危篤だった。元々のデザイナーズベイビーとしての遺伝子の脆さ、旅の中で負った負傷などが原因でノアの寿命は残り僅かな状態まですり減っていた。その事実を知ったラムダはノアの治療を試みようとしていた。
だが、そんなラムダを阻むように女神アーカーシャによる襲撃が発生、戦艦ラストアークは突如として女神アーカーシャがけしかけた超巨大の龍フィオス・ティオニスの攻撃を受けてしまう。艦体は見るも無惨に壊され、捕らえた筈の審問官ヘキサグラムやトネリコ、タウロスⅠⅤは脱獄、さらにラムダとノアも艦体を貫く攻撃に巻き込まれて艦外へと放り出されてしまう。
“黙示録の竜”へと変身したシリカの援護で巨大龍フィオス・ティオニスの攻撃から逃れたラムダだったが、謎の人物の横槍を受けてラムダとノアはそのまま何処かへと吹き飛ばされていく。そして、ラムダたちは戦艦ラストアークが墜落していく様子を目の当たりにしながら、天空に浮かぶ大陸へと落下していくのだった。
ラムダが落下した先はバハムート領、ファフニール領、ティアマトー領、リンドヴルム領の四つの大陸と中央の霊峰エンブリオから構成される“竜人”たちの住まう天空大陸、“天蓋揺籃墓標”ルイナ・テグミーネ。その一画、ティアマトー領の領主である伯爵令嬢テオフォニア=ティアマトーによってラムダとノアは保護されたがテオフォニアは救助の見返りとしてラムダに隷属を強制、首輪を着けられたラムダはテオフォニアの“下僕”として彼女の執事として仕えることを余儀なくされるのであった。
【第二幕:ティアマトー家の執事】
「あぁ、どうかお許しを! わたしはこれからこの手を血で染めます。そして感謝を! この素晴らしき出会いが、わたしのささやかな幸福へと昇華される事を!」
――――プロヴィア=リンドヴルム(第494話より)
テオフォニアの執事にされたラムダは雑務をこなしつつもノアを救う手立て、そして消息不明になった戦艦ラストアークや騎士団の仲間たちの行方を追っていた。そんな中、ラムダは謎の“竜人”の女性、通称“旅人”と知り合い、彼女の助言でテオフォニアの機嫌を取ることに成功する。
同時に、単動で行動していたアヤメからラムダはある事実を告げられる。それはファフニール領に不時着した戦艦ラストアークが天空大陸を治める四人の領主の一人、アルバート=ファフニールによって制圧され、戦艦を動かす操舵手であるホープが裏切ったツェーネル=バハムートによって攫われたという情報だった。
その翌日、領主である四大貴族の会合に招かれたテオフォニアの護衛に就くことになったラムダは飛空艇でバハムート領へと向かうことになる。そこで戦艦ラストアークを接収したアルバートへの接触を試みようとしていたラムダだったがその道中に飛空艇が空賊たちに襲われる事件が発生する。その中でラムダは空賊たちを率いる女ボス、プロヴィア=リンドヴルムと接触、その実力からプロヴィアに目を付けられてしまう事になってしまうのだった。
【第三幕:天空大陸の支配者たち】
「天空大陸の生命の源である『エンブリオ』の枯渇……”黙示録の竜“の帰還……。そう、いよいよ天空大陸に終焉が近付いて来たのね……」
――――テオフォニア=ティアマトー(第501話より)
プロヴィアを退けてバハムート領に到着したラムダはテオフォニアの護衛として領主たちの会合に参加。そして、そこでラストアーク騎士団を捕らえたファフニール領の領主アルバート=ファフニールと、四大貴族の頂点に立つ領主グロリアス=バハムートとの邂逅を果たす。
ラストアーク騎士団、及びラムダ=エンシェントを天空大陸を脅かす脅威だと判断したグロリアスはラストアーク騎士団の解体とラムダ抹殺を決定。ラストアーク騎士団はアルバートの手に委ねられ、ラムダ自身の天空大陸での立場も危ういものになってしまう。そんな中、会合場所になっていたバハムート邸に“黙示録の竜”が襲撃、突如として無差別攻撃を開始し始めるのだった。
行方不明だったシリカが帰ってきたのだとラムダが安堵したのも束の間、“黙示録の竜”はラムダの声すら聞き届けずに暴走を続け、遂にはラムダにも攻撃を開始、さらには“黙示録の竜”からは未知の粒子が放たれ始める、その粒子に触れた瞬間、ラムダは激しい激痛と全身をくまなく弄られる不快感に襲われてしまう。
幸いにも“黙示録の竜”は撤退しラムダたちは難を逃れたが、ラムダは未知の因子に感染した事で戦闘不能状態に陥ってしまう。そして、意識を失う間際、ラムダはシリカに招かれるのだった。天空大陸を支える霊峰エンブリオへと来るようにと。
【第四幕:第十三使徒】
「そうだ、このエンブリオの正体は巨大な生命体の“胚”だ。故に“絶望の繭”……この天空大陸は、彼方より飛来した“厄災”を天蓋へと封じ込める“天蓋揺籃墓標”だ」
――――“旅人”(第513話より)
四大貴族の会合の最中、“黙示録の竜”が放った未知の因子に感染したラムダは死に瀕していた。それを“進化”だと言いながら現れた“旅人”はラムダを霊峰エンブリオへと誘う。そこにラムダを救う手立てが、死に瀕したノアを救う手立てがあると言って。そして、“旅人”の誘いに乗ったラムダは霊峰エンブリオへと向かう決意を固める。
テオフォニア、“旅人”、ジブリール、アヤメ、そして意識不明のノアを連れてラムダは霊峰エンブリオへの登頂を開始。道中、未知のモンスターを撃退し、“旅人”の正体が女神アーカーシャの子どもである“風”であること知りながらも、ラムダたちは霊峰エンブリオの頂上へと到着。そこで待ち構えていた“黙示録の竜”と再度対峙する事になる。
“黙示録の竜”の苛烈な攻撃を凌ぎながらもラムダはシリカ奪還を試みて戦い続け、ラムダとシリカ両名が感染した未知の因子を介して二人は和解の道を辿る。そして、無事に“黙示録の竜”の暴走を収め、シリカを取り戻したラムダは“旅人”に案内されて霊峰エンブリオの内部へと突入する。
霊峰エンブリオの内部でラムダが目撃したのは、“黙示録の竜”やラムダを犯した未知の因子を放出する存在の正体だった。その名は“第十三使徒”ニュー、この世界を捕食せんと宇宙の彼方より飛来した十三番目に飛来した『終末装置』だった。
【第五幕:アルバート・インダストリー攻略戦】
「利口だと言って欲しいね。矢面に立って独裁者を気取っても碌な事にならない。なら、安全な立ち位置で、世界に多大な影響を与える“影の支配者”をしている方が何倍もマシなのさ……!」
――――アルバート=ファフニール(第539話より)
霊峰エンブリオから帰還したラムダは不意な事でノアに“第十三使徒”の因子を感染させてしまう。だが、因子は危篤状態だったノアの細胞を活性化させ、幸か不幸かノアは意識を取り戻して一時的に復活する事に成功した。そして、復活したノアは天空大陸の現状を即座に把握すると、アルバートに抑えられたラストアーク騎士団の解放を決定。先んじてプロヴィアを引き込む為にリンドヴルム領へと向かうことをラムダに進言するのだった。
リンドヴルム領へと向かったラムダは秘密の洞窟基地でプロヴィア率いる空賊団と邂逅、プロヴィアをアルバート打倒の戦力として迎える為に彼女と一騎打ちに臨む。そして、“第十三使徒”の因子で強化されたラムダは見事プロヴィアを倒し、実力を認められて空賊団の協力を取り付ける事に成功する。
そして、空賊団と協力したラムダたちはファフニール領に建つアルバートの本拠地『アルバート・インダストリー』の本社ビルへと攻撃を敢行、施設内に囚われていたグラトニスたちを救出し、アルバート自身の身柄も拘束する事に成功するのだった。だが、同時に霊峰エンブリオの下部に建設された『魔素が枯渇した霊峰エンブリオに地上から吸い上げた魔素を還元する』施設“天杖”アジ・ダハーカがグロリアス=バハムートの手で起動開始、地上への攻撃を開始し始めるのだった。
【第六幕:“天杖”アジ・ダハーカ攻略戦】
「我が悲願、霊峰エンブリオの再誕は誰にも邪魔させんぞ! 愚かなりし勇者と魔王よ、三人仲良く大地に墜ちるが善い!! 儂が送り返してやろう!!」
――――グロリアス=バハムート(第542話より)
グロリアス=バハムートによる地上攻撃を食い止めるべくラムダたちは“天杖”アジ・ダハーカへと向かい、父グロリアスへの反撃の機会を窺っていたツェーネルの手引きで施設へと突入、最深部で四大貴族の長であるグロリアス=バハムートとの決戦に挑む。重力と斥力を操るグロリアスを前にラムダたちは苦戦を強いられるものの、応援に駆け付けた“黙示録の竜”の助けも得てラムダはグロリアスを撃破する事に成功する。
だが、グロリアスを倒してのも束の間、“天杖”アジ・ダハーカを建造したアルバートによって全ての計画が明るみにされる。それは地上から吸い上げた魔素で霊峰エンブリオに眠る“第十三使徒”を復活させて隷属させ、アルバートが世界の王になるという壮大な計画だった。
空中戦艦に乗り込んで逃走したアルバートを追ってラムダたちはファフニール領で修復を続けていた戦艦ラストアークを起動させる。そして、天空大陸と運命を共にしようとするテオフォニアとラムダは別れ、戦艦ラストアークは浮上を開始した。だが、アルバートを追うラムダたちの前に天空大陸の守護者フィオス・ティオニスが立ち塞がる。
戦艦ラストアークの総力を結集してラムダたちは天空大陸を覆う超巨大龍フィオス・ティオニスと対峙、ラムダの決死の活躍でフィオス・ティオニスの本体を倒して撃破する事に成功する。だが、その勝利の瞬間を待ち構えていたようにアルバートが強襲を仕掛け、彼は“第十三使徒”を封印していた守護者フィオス・ティオニスをその手で抹殺してしまうのだった。
そして、霊峰エンブリオの活性化、守護者フィオス・ティオニスの消滅によって“第十三使徒”は完全に孵化。世界を喰らう『終末装置』として完全な覚醒を果たすのだった。
【第七幕:生誕の鎮魂歌】
「さようなら……わたしの救世主様……――――」
――――シリカ=アルテリオン(第582話より)
覚醒を果たした“第十三使徒”はアルバートの命令を受け付けず、天空大陸を崩壊させながら地上への落下を開始。邪魔者としてアルバートの艦隊は壊滅させられ、最後の抵抗も虚しくアルバートは戦艦ラストアークの主砲の前に散っていった。そして、ラストアーク騎士団は残された最後の脅威である“第十三使徒”の迎撃に打って出る。
ラムダは崩壊する天空大陸からティオニスを救出しつつ、戦艦ラストアークと共に“第十三使徒”への攻撃を開始する。だが、あらゆる攻撃を吸収する“第十三使徒”には戦艦ラストアークだけでは刃が立たなかった。さらに、さらなる進化を図ろうとする“第十三使徒”によって戦艦ラストアークの艦橋にいたノアが捕食される事態が発生、ラムダはノア奪還の為に“第十三使徒”の内部へと突入することを余儀なくされた。
そして、“黙示録の竜”の捨て身の活躍せラムダは“第十三使徒”の内部へと突入。そこで“第十三使徒”の精神体をノアと共に打ち倒す事で見事『終末装置』による世界終末の危機を乗り越えるのであった。
だが、その代償は大きく、天空大陸は地上に在る険しい山脈地帯へと落下、“第十三使徒”に対抗する為に死力を尽くしたプロヴィアの戦死、そしてラムダを最後まで護り抜いた“黙示録の竜”は“第十三使徒”の因子の産物である『シリカ=アルテリオン』の人格を失って元の物言わぬアーティファクト兵器へと戻ってしまい、ラムダは再び仲間たちの喪失という深い傷を負ってしまったのだった。
【第八幕:風の旅人】
「この先も……過酷な運命が君を待つだろう……。けど、君なら決して負けないさ……! 戦って、戦って、戦い抜いて……その先にある勝利を……そして……幸福を掴みなさい……」
――――“旅人”(第600話より)
“第十三使徒”撃破後、“竜人”たちは地上に落下した天空大陸に住み続けるべく復興作業を行なっていた。その中で、“旅人”は自身の持つ女神アーカーシャの権能をラムダへと譲る決心をする。だが、“旅人”は最期にラムダとの一騎打ちを所望し、その想いに応えるべくラムダはシリカを失った悲しみを押し殺して最後の死闘へと臨む。
“原初の竜”として圧倒的な実力を見せつける“旅人”だったがラムダはそれを上回る実力で肉薄し、テオフォニアが見届ける中で決闘はラムダの勝利にて決着した。そして、自身の敗北を潔く認めた“旅人”は自身の心臓である女神アーカーシャの権能をラムダに託し、ラムダたちが歩む新たな時代を祝福しつつも風になって消え去っていったのだった。
こうして天空大陸での戦いを終え、“第十三使徒”の因子のおかげで無事にノアの救出も達成し、新たにテオフォニア=ティアマトーをラストアーク騎士団に迎え入れたラムダは天空大陸を後にするのだった。
そんなラムダたちの活躍の裏側で、天空大陸を訪れていたアロガンティア帝国の皇帝スペルビアはアルバートが手掛けた空中戦艦を大量に強奪。さらにはアルバートの秘密兵器である『核兵器』までもを奪い、逃亡していたトネリコとタウロスⅠⅤを捕らえたまま姿を暗ませて、ラムダたちに“不可視の脅威”が胎動している事を知らしめるのだった――――。
■ 登場人物紹介
テオフォニア=ティアマトー
┗“天蓋揺籃墓標”ルイナ・テグミーネ、ティアマトー領を治める“竜人”の女領主。非常に高慢ちきであり、ラムダを『下僕』と呼んで無理やり執事にした。天空大陸が滅亡に向かうことを悲観しており、自らの人生を諦観している。
アルバート=ファフニール
┗“天蓋揺籃墓標”ルイナ・テグミーネ、ファフニール領を治める“竜人”の青年領主。巨大複合企業アルバート・インダストリーの最高責任者を務め、天空大陸の技術力を数百年分進めた天才技師。野心家であり、滅びゆく天空大陸に見切りを付けて密かに成り上がる計画を練っている。
プロヴィア=リンドヴルム
┗“天蓋揺籃墓標”ルイナ・テグミーネ、リンドヴルム領を治める“竜人”の女性で、かつて魔王軍で手腕を振るった最高幹部ネビュラ=リンドヴルムの実の姉。“第十三使徒”の因子に感染して精神が汚染されており、言動は常に支離滅裂。
グロリアス=バハムート
┗“天蓋揺籃墓標”ルイナ・テグミーネ、バハムート領を治める“竜人”の老夫で、四大貴族の長としての立場を持つ。滅びゆく天空大陸の再生を願い“天杖”アジ・ダハーカによる地上侵攻を計画している。
ツェーネル=バハムート
┗王立ダモクレス騎士団時代からツヴァイ=エンシェントに仕える副官の女性で、その正体はグロリアス=バハムートの実の娘。父グロリアスの命令で地上で諜報活動を行なっていたが、その際にツヴァイに出会い人間に感化していった。天空大陸での本来の所属はバハムート軍第一空挺師団長。
フィオス・ティオニス
┗天空大陸全域を囲むように翔ぶ超巨大龍。霊峰エンブリオに眠る第十三使徒を封印する役割を担っており、天空大陸の住人からは守護者として崇められている。立場的はグロリアス以上であるが、政治には直接は関与しない。
“旅人”/“風”
┗天空大陸の四領をふらふらと放浪する風来坊な女性で、その正体は女神アーカーシャの権能を分け与えられた『四大』の一人“原初の竜”。天空大陸の住人からは“旅人”と呼ばれ慕われており、“旅人”も天空大陸の民たちを心から愛している。
“第十三使徒”ニュー
┗天空大陸の中央、巨大な霊峰エンブリオの内部に閉じ込められた怪物で、この世界に出現した十三番目の『終末装置』。内包する膨大なエネルギーを天空大陸各領に吸い取られて枯渇しかけていたがアルバートの手で覚醒を果たして孵化、本来の使命である“星喰い”として惑星の地殻へと到達しようとした。取り込んだ、因子を感染させた対象の遺伝子や脳の情報を写し取る特性を持っており、ラムダとノアの遺伝子を吸収して目覚ましい進化を遂げた。
■ 章のテーマ・問い
【滅びの美学】
┗霊峰エンブリオの枯渇によって天空大陸は終焉を迎えつつあり、四人の領主たちは各々の価値観でこの終焉へと向き合っていた。グロリアス=バハムートは天空大陸の存続を願い霊峰エンブリオの復活を目指し、アルバート=ファフニールは天空大陸に早々に見切りを付けて新たな支配体制の確立を狙い、テオフォニア=ティアマトーは滅びこそが運命だと傍観者を気取り、プロヴィア=リンドヴルムはただ己の為すことに尽力し続けた。
そんな天空大陸の趨勢に巻き込まれたラムダは、迫りくるノアの滅びに抗いべく必死に戦い続ける。その情熱はやがてテオフォニアの心を動かし、人間を見くびっていたグロリアスをも感化させていく。そして、天空大陸はおろか、世界にまで終焉を齎さんとする第十三使徒を前にラムダは『生きる意志』を示し、世界を管理していた“旅人”に『次代を担う新たな旅人』であることを認めさせるのであった。
■ 伏線と仕掛け
【伏線1:空白の終末装置】
┗古代文明は『第十使徒ノア』が開発した『第十二使徒アーカーシャ』の暴走によってあえなく滅亡した。だが、“旅人”は古代文明の滅亡にもう一人、“第十一使徒”が関与していることを仄めかす。果たして、ノアと女神アーカーシャの狭間に出現した第十一使徒とは何者なのだろうか……?
【伏線2:第十三使徒の結末】
┗ラムダとノアの前に敗北し、“第十三使徒”ニューは二人に吸収される形で完全に消滅した。結果、ラムダとノアの削られた寿命は大幅に回復し、二人は生命の危機を脱することに成功した。だが、“第十三使徒”は完全に死んだ訳ではなく、その因子をラムダたちの遺伝子に溶かして潜伏していた。
そして、天空大陸から飛び立った直後、ラムダとノアが行なった生殖行為がある結果へと結実する。その顛末をラムダたちが知るのはもう少し後の話……。
【伏線3:アロガンティア帝国の来訪】
┗ラムダたちが奔走する最中、天空大陸にアロガンティア帝国の皇帝スペルビアが来訪。アルバート=ファフニールが開発した空中戦艦や兵器群を半ば強奪する形で奪っていった。すでに世界最大の軍事大国であるアロガンティア帝国は何も狙い軍事力の増大を図ったのだろうか……?
■ キャッチコピー
【死と生の黙示録を超えて、少女は産声をあげる】
┗“天蓋揺籃墓標”ルイナ・テグミーネの滅亡、それは全て“第十三使徒”ニューの生誕へと収束する。数多の生命の“死”を看取り、終末の“胚”は無垢なる赤子へと変生していく。そして、“第十三使徒”はその死と共に鎮魂歌を奏で、新たなる生命として生誕する……ラムダとノアの“愛の結晶”、あるいは“厄災の申し子”と化して。




