表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1015/1172

リコレクション08:メサイアの空

■ ストーリー概要

【第一幕:第十一師団、参戦!】


「これより我らは戦場へと突入する! だが、誰ひとり欠ける事は許さない、必ず生きてグランティアーゼ王国へと帰還するぞ!!」


 ――――ラムダ=エンシェント(第223話より)



 獣国ベスティアを後にしたラムダたちはそのまま険しい山岳を越え、グランティアーゼ王国軍と魔王軍が激突する『アーティファクト戦争』の主戦場“不毛地帯”テラ・ステリリスへと足を踏み込んだ。そして、王立ダモクレス騎士団の本隊へと合流すべくラムダたちは戦場へと突撃、群がる魔王軍を蹴散らしながら進撃を開始した。


 その途中、ラムダは魔王軍の将軍の一人である獅子系獣人族の青年ルドルフ=ヴォルクワーゲンと対峙。亡き父ガンドルフの敵討ちに燃えるルドルフをラムダは一撃で返り討ちにして道を切り開き、王立ダモクレス騎士団の本隊への合流に成功するのだった。




【第二幕:天空要塞メサイア、起動】


「全高五千メートル、最大搭乗人数三万人……古代文明に於いて、対【終末装置アル・フィーネ】用決戦兵器として建造された空中要塞――――名を“救世主”『メサイア』!!」


 ――――ノア=ラストアーク(第231話より)



 王立ダモクレス騎士団の本隊と合流したラムダたちはそのまま魔王軍との戦闘に従事しようとしていた。しかし、そんなラムダたちを待っていたのは魔王軍の切り札、古代文明の空中要塞『メサイア』だった。


 地形すら変える圧倒的な火力を誇る空中要塞メサイアによって退路を塞がれた王立ダモクレス騎士団は総攻撃を決意。ノアの立案で部隊を三つのに分割しつつ進撃を開始するもラムダたちの前には魔王軍最高幹部【大罪】の機械天使ルシファーが立ち塞がり、もう一人の最高幹部アケディアス=ルージュによってノアも空中要塞メサイアへと攫われてしまう。


 ラムダは立ち塞がったルシファーと対峙、第八師団長ゴルディオ=オクタビアスの戦死という犠牲を出しつつもラムダはルシファーの撃破に成功するのだった。そして、ラムダはノア奪還の為に単騎で空中要塞メサイアへと特攻を仕掛けるのだった。




【第三幕:メサイアのソラ


「あぁ、おれは貴様を舐めている。そして、それが許される程度にはおれは強い」


 ――――アケディアス=ルージュ(第246話より)



 空中要塞メサイアへと突入したラムダは魔王軍最高幹部【大罪】のトップ、魔王軍のナンバー2であるアケディアス=ルージュと対峙。かつて魔界マカイを支配した“怠惰の魔王”であるアケディアスを前に、すでにルシファーとの戦いで消耗していたラムダは苦戦を強いられる。


 それでもラムダは自身の生命を削る戦闘術式『オーバードライヴ』を発動させてアケディアスへと肉迫していく。そして、体力の限界を迎えつつのラムダはアケディアスを下すことに成功し、戦闘の余波で破損した空中要塞メサイアも緩やかに落下を開始しし始めていた。


 しかし、それは魔王軍が仕組んだ罠にすぎず、ルシファーとアケディアスとの連戦ですでに立っている事もやっとなラムダの前に最後の刺客が現れる。その名は“暴食の魔王”ルクスリア=グラトニス。最大の脅威である“アーティファクトの騎士”ラムダ=エンシェントを完全に排除するべく、魔王軍の総大将が遂に戦場に出陣したのだった。



【第四幕:“暴食の魔王”ルクスリア=グラトニス】


「私にも退けない理由がある! 女神に見棄てられて何の意味も無く死んでいった同胞達の無念を晴らす責任が私にはある!! 故に……私は“大悪たいあく”となりて世界を討つ!!」


 ――――ルクスリア=グラトニス(第256話より)



 ルシファー、アケディアスと連戦させて体力の無くなったラムダを討つ。それが魔王グラトニスの計画であった。そして、最大の脅威であるラムダを確実に排除すべく、魔王グラトニスは“暴食”の権能である左腕の怪物『喰魔ベルゼブブ』と“色欲”の権能である『魅了』を操ってラムダを追い詰めていく。


 このままでは魔王グラトニスに敗北すると悟ったラムダは自らの魂を燃料として焚べる“魂喰い(ソウル・イーター)”を用いて『オーバードライヴ』を発動、自身の寿命と引き換えに魔王グラトニスへと肉迫していく。


 しかし、魔王グラトニスもラムダを追い詰めるべく空中要塞メサイアの動力に用いていたアーティファクト『“獣の心臓(ゼータドライヴ)”』を自らの身体に組み込んで身体能力を強化、空中要塞メサイアの墜落と引き換えに過剰な戦力を引き出し始める。


 戦闘は激化し、ラムダは地上に叩き落とされつつも魔王グラトニスと拮抗、加勢したミリアリアとオリビアの助力を得て魔王グラトニスの右腕を斬り落とす事に成功した。だが、追い詰められた魔王グラトニスは切り札を行使、戦場を飲み込む極大のブラックホールを形成してラムダたちを一網打尽にしようとした。


 魔王グラトニスの切り札に対してラムダは全力を出して挑み、渾身の一撃でブラックホールを斬り裂く事に成功した。だが、そこでラムダの生命力は遂に底を尽き、魔王グラトニスに追い詰められたラムダは絶体絶命の窮地に陥る。


 だが、ここで王立ダモクレス騎士団の“王の剣”たちが一斉に魔王グラトニスへと襲撃を仕掛け、先の切り札で全てを出し切った魔王グラトニスは遂に王立ダモクレス騎士団の前に討ち取られてしまう。そして、致命傷を負った魔王グラトニスはラムダに噛み付いて何らかの術式を仕込みつつ、ラムダの腕に抱かれながら息を引き取ったのだった。


 こうして、魔王グラトニスの戦死という形で戦いは決着し、空中要塞メサイアの落下を眺めつつも『アーティファクト戦争』の終結はなされるのだった――――。



■ 登場人物紹介

ルシファー

┗魔王軍最高幹部【大罪】の一角を担う存在で、ノアによって開発された人型戦闘兵器『機械天使ティタノマキナ』の一機。グラトニスが魔王になる前から腹心として仕えており、グラトニスを本名である『ルクスリア』で呼ぶ数少ない存在。


アケディアス=ルージュ

┗魔王軍最高幹部【大罪】の一角を担う吸血鬼ヴァンパイアの青年で、魔王軍の実質的なナンバー2。リリエット=ルージュの異母兄であり、グラトニス以前に君臨していた“怠惰の魔王”の肩書きを持つ。非常に怠惰で怠け者。


ルドルフ=ヴォルクワーゲン

┗魔王軍の一大隊を率いる獅子系獣人族の青年で、先の獣国ベスティアの戦いで戦死したガンドルフの実の息子。敬愛する父の仇であるラムダへの復讐に燃える若き天才で、“若獅子”の異名で恐れられている。



■ 章のテーマ・問い

【戦場を支配する暴力】

┗この章で語られるのは思想ではなく、ちからのみが正義として語られる圧倒的な“暴力”の世界である。相手を倒し自らの実力を示さねば理想を語ることは許されず、ラムダは否が応でも魔王軍の命を戦闘で奪わざるを得なくなっていく。


 その中でラムダの精神は少しずつ疲弊し始めて、夢見て入った筈の王立ダモクレス騎士団の日々に対してラムダは『疲れた』と抑えていた感情を吐露し始めるのだった。それは“理想”を夢見た少年が“現実”を前に潰されそうになる瞬間だった。



■ 伏線と仕掛け

【伏線1:グラトニスの最期】

┗討ち取られたグラトニスは最期の力を振り絞ってラムダへとある術式を仕込む。それは孤高の吸血鬼ヴァンパイアであるレディ・キルマリアが開発した『自身と対象の“魂”を混ぜ合わせ共有する』というもの。果たして、グラトニスがラムダにその術式を仕込んだ理由とは?


【伏線2:敗走した残党兵の行方】

┗グラトニスの敗北後、多くの魔王軍は王立ダモクレス騎士団によって捕縛されて捕虜とされた。しかし、一部の魔王軍たちはグラトニス奪還の為の戦場から逃れようとしていた。


 そして、その内の一人であるルドルフの前に現れたのは獣国ベスティアを追われた狼王フェンリルとその腹心たちと、彼等を従える謎の少女『ホープ=エンゲージ』だった。


■ キャッチコピー

【戦場にて英雄は生まれる。悲劇と共に】

┗魔王グラトニスを討った事でラムダはアーティファクト戦争最大の功労者として“英雄”の称号を得た。しかし、その代償としてラムダは寿命のほとんどを薪に焚べて、重い後遺症を背負う事になってしまった。


 だが、グランティアーゼ王国はラムダの病状は国民には告げず、国王の仕組んだプロパガンダによってラムダはただ“英雄”として称えられる事になる。その裏で感じた悲しみも苦悩も全て万雷の喝采によってかき消されながら――――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ