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最終問題 解答と解説

A:3.最近感染者数が増えているのは検査数が増えたため



 はい。これで最終問題にします。これはつい二、三日前にネットニュースで見たものをそのまま載せた感じです。どこ新聞だったか覚えていないのですが、この三つがとても印象的だったので。仮に現在このような主張をしている方がいらっしゃった場合、なかなかに感染拡大のリスクが高くなるなと思い、今回採用しました。


 私個人としては1番も2番も、認識として甘いなと思うのですが、3番に関しては完全に間違いだと思うので、これが今回の答えです。


 では解説です。

 感染者数が今、東京を中心に鰻登りに増えています。一日の感染者数の記録を更新する日もあり、これはもう第二波では、と思いますがどうでしょう。

 しかし同時にPCR検査、抗原抗体検査の実施件数も増えていることは事実であり、世界的に検査数が少ないじゃないかという声に対して頑張って対応しようとしているようにも感じます。


 さて、では今日の感染者数の上昇が、検査件数によるものであるかというと、残念ながらそうは言えません。これは算数の問題です。

 仮に今日(7/16)現在の感染者数を例に挙げましょう。今日は東京は286人だったそうです。多いですね。では次に、感染者数が収まって緊急事態宣言が解除された日の人数はというと、調べてみると東京は14人でした。

 20倍以上ですね。これがもし、検査件数が増加したからということであれば、検査件数も20倍くらいは増えていないと話が合いません。因みに今日の検査件数は、小池百合子都知事によると四千を超えるそうです。


 ということは、そこから算出される緊急事態宣言が解除された五月二十五日の検査数は……二百件と少し。

 調べてみると東京のその日の検査数は920件だったそう。検査件数増加率は4倍強。話が合いませんでしたね。


 以上の簡単な計算から、現在の感染者数の増加は少なくとも検査件数が増加したから、とは言えないということになります。



 残りの選択肢についても、気になるので言及しておきます。

 まず 1.新型コロナは風邪みたいなもの ですが、確かにコロナウイルスは風邪を引き起こす病原体であり、言っていることは間違っていません。ただし今回の新型は普通の風邪ではなく、後遺症が残ったり死亡する危険のある風邪です。

 この点に関しては 2.若者は感染しても致死率が低い も絡んできます。


 2番も別に間違いじゃない。若い人の死亡率は確かに低いです。しかし私は命を数で数えるべきではないと思うのです。さっき散々感染者数と言っていたじゃないか、何を突然の綺麗事と思われるかもしれませんが、実感としても大事なことだと思っています。


 例えば、世界の新型コロナの死者数は58万人です。物凄い数、これはまさにパンデミックだと思いますが、総人口70億人からすれば0.008%です。あれ、意外と大したことない、と思ってしまうかもしれません。しかし、例え1万人のうちの一人だとしても、それが私の身内なら、そこにパーセントなんて関係ない。

 私のお父さんが死んじゃったんだ、僕の子どもが感染してね、となった時、仕方ないね、確率的にしょうがないよ、では納得いかないと思うのです。


 今回問題としたような、死亡率が低いなどという考えを一体どれだけの人がお持ちかは分かりませんが、これはとても安直で、危険な捉え方だと思います。


 少し話は変わりますが、皆さんは横断歩道の赤信号を無視して渡ることはありませんか。私はそのような場面に遭遇すると、そのリスクとメリットを考えてしまうのです。

 赤信号を渡るとき、それは命懸けの行為だと思います。赤信号ということは、車が突っ込んでくるかもしれないわけで。それはまぁ、信号待ちをしている所に突っ込んでくる車もありますが、赤信号を渡るときの方がリスクは大きい。

 そのリスクも、よく見て渡れば大したことはないかもしれない。けれど赤信号を渡るということは、死んでしまうリスクをわざわざ負っていることになる。


 では果たして、死亡率を上げてでも渡らなければならない理由があるのかというと、実は別にそこまで急いでいるわけでもなかったりします。


 今回の問題はそれに少し似ている気がします。確かに罹らないかもしれないし、感染しても死なないかもしれない。かと言って、じゃあわざわざそのリスクを負ってでもやらなければいけないことがどれだけあるのか。

 経済活動をしなければ生活が破綻する。となれば、出来る限り正しい情報を得て、出来うる限りの努力を以って事に当たるべきであり、多分大丈夫だとか、たとえ罹っても死ぬことはほとんどないだとか、そのような理屈を並べるべきではないと思います。


 私の書いていることもどこまで正しいかは分かりません。もしかしたら真逆のことを言っているかもしれない。私の書いたことが全てではありません。ですからご自身でしっかりと確かめて、悔いのないように対策を講じることが良いと思います。

 やらないで後悔するよりも、やって後悔する方がいい。ってこれは結構いいこと言ったのではないでしょうか。座右の銘にしようかな。

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