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瑕疵  作者:
3/3

心理的はーどる


 Spirited Away (2001) - The Name of Life (Instrumental piano) Inochi No Namae いのちの名前


 を 聴きながら


 ””


 小説でも詩でも絵でも、……きっと、そうだ


 それらは、いつまでも同じではいられないから


 その時々でふさわしい物語が存在して

 その時々……って

言い方、変?


 なんというのかな、心理的はーどるがあるの


 たとえば、この気持ちの時に、この物語は絶対につむげない、というものが



 ……だから、なんというのかな 私、難しいです



 一気にすべてかけてしまうそのような技術をもっていないの


 だから、私、難しいです。


 書きたい物語は、常にいくつもいくつも存在しているけれど

 それらを手のひらにのせられるのは

、ほんの数滴で

 それも、ほとんど零れ落ちてしまうわ


 感情の流布は、思いをうすめてしまうから


 いつもいつもすり抜けていくさまをかなしく見つめるしかない


 息をするためだけに それらを見つめるだけに


 精神を集中できれば 



 きっと、今よりもずっと

純粋なひとみで


 ひとみのままで


 赤ちゃんでいられるわ



 けれど、そんなわけにはいかないから


 いつもいつまでも、それらは対岸の先にある


 どこか特別な橋渡り


 こわごわと向かうの


 突き落とされてしまわぬように


 滑り落ちてしまわぬように


 それが書けるようになるまで


 じっと待ちながら 橋渡りをするの


 わたってしまえばしばらくは大丈夫でも


 いつまでも対岸の先にいれば、戻れなくなってしまうわ


 だから、戻ってきましょう


 こちら側に


 そんなことを繰り返せば それらは常に遠くに潜み


 こちらをじっと覗いているように


 それらはそこで惑っていても、それらがそこで楽しんでいても


 それはそれで、私は構わないと思うのに


 ……それらは、動かないの じーっと息をひそめて


 こちらをただ覗いて


 私があちら側にむかって行ってみようとしなければ


 彼らの物語は動きも終わりもしないからこそ


 そういうことって


 まるで、無限の夢をつくっているみたい


 いつもいつまでも どこかに存在しているかもしれないそれを


 ただただ

 知らされるみたいにかたちにしようとして

 指を置いては物語をつづっていく


 ひそめているものたちが


 おしゃべりをしようとするところを


 ただただ用心深くスケッチするひとみたいに


 それはいつもいつまでも


 そんなものなのだわ

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