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金が欲しい祓い屋と欲望に忠実な女子校生  作者: 暮伊豆


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34/90

秘密の放課後レッスン

そして放課後。清が再び附属渡海中学校に姿を現した。部活も終わり生徒達は帰路につく。

体育教師、石神は落ち着かなかった。あのイケメン祓い屋が放課後迎えに来ると言ったのだ。自分のような色黒で化粧っ気のない女を。学校にメイク道具すら持って来ていない有様。その上同僚から借りるというアイデアすら浮かばない女子力のなさ。結局手洗い場の石鹸で顔を洗い、更衣室にて濡れタオルで体を拭くことが精一杯だった。それでも男性教師からの人気は高い。理由は顔と胸、そして純真そうな性格。知らぬは本人ばかりなり、である。


そしてついに体育教官室に清がやって来た。午前中と違い、アクティブな服装だ。


「石神先生、お迎えにあがりました。ご都合はいかがですか?」


「は、はい! ばっちりです!」


しかし彼女は頭の中で……

(しまった……今日の下着は綿のダサいやつだ……)

そんなことを考えていた。


ちなみに彼女が考えるダサくない下着とは、同じ綿の新品のことである。


「初めてのことで大変かとは思いますが、ゆっくりやりましょう。」


「い、いえ! は、初めてじゃありません! ごめんなさい!」

(やっぱりこんなイケメンは処女が好きなの!? 私の経験なんてたった一人、それも大昔なのに……回数だって……でも、ゆっくりしてくれるんだ。優しいんだな……)


「ほほう、それは意外でした。どちらで修行をされたのですか?」


「しゅ、修行ですか!? 目をつぶってたら終わった……ような感じで……」

(意外って言った! つまり私は清純に見られたってことよね! でもさすが祓い屋さん。アノことを修行って言うなんて……真面目な人……)


「それはすごいですね。それほどまでに深く集中されていたのですね。そうなると基礎は軽く済ませて、いきなり最後までできるかも知れませんね。」


「いきなり最後まで、ですか……で、でも今日お会いしたばかりで……」

(なんで褒められてるのぉー! いきなり最後までって……やっぱりイケメンって手が早いよぉ〜!)


そんな二人が歩いて訪れたのは体育館。体育教官室からさほど離れていない。


「あの……ここで……ですか?」


「ええ、この広さがちょうどいいと思います。」


「広さ……が、必要なんですね。」

(アレに広さがいるなんて聞いたことないよぉ! いやいや、まだ他の先生だっているし! いやそれよりムードが! 私だって食事して夜景見ていい雰囲気になって肩が触れたりなんかして、目が合ったりして! それからでしょおぉぉー!)


「では早速。まずはランニングです。楽勝ですよね?」


「はいっ! 楽勝です!」

(まずはランニング? この人変わってるなぁ……)


「走りながらこのお札を私に押し付けてみてください。私は逃げますから剥がれないようご注意くださいね。」


「はい!」

(お札プレイ? 祓い屋さんはこうすると気持ちいいの? こう?)


「さすがですね。筋がいいですよ。では次の段階です。先ほどおっしゃった修行の成果を見せていただきますね。手に霊力を集めてみてください。」


「れいりょくって何ですか?」


「え? 修行されたのではないんですか?」


「え、あの、私の場合、自分でしたと言うより……されたと言うか……それっきりですし……」


「ああ、深く集中されてたって話でしたね。それなら記憶には残ってなくても体が覚えてるかも知れませんね。でしたら少し呼び起こしてみましょうか。」


「体が……ですか? 痛かったことしか覚えてないような……」


「ああ、無理矢理すると痛かったりしますよね。久しぶりならゆっくりやりますよ。ではお手を拝借。」


清にしては珍しく会話のズレに気付いていない。これは清のミスである。葉子には趣旨を説明したのに石神に説明してないからだ。葉子にしか説明してないくせに、二人に説明したつもりになっているのだ。そんな間違いをする人間がいるとは……


清に両手を握られて顔を赤くする石神。しかし色黒なため赤面したようには見えない。


「あっ、手が熱いです。」

(すごい……世の中にはこんなプレイがあるんだ……手があそこになったみたい……)


「やはり先生には中々の霊力がありますね。修行の成果があったのでしょう。」


「ところでれいりょくって何ですか?」


「霊力は魂の力です。筋力は肉体の力ですよね? 人間も魑魅魍魎もみんな多かれ少なかれ目に見えない霊力を持っていますよ。今は私の霊力を先生に流しているんです。感じますよね?」


「ええ! 感じます! すごく感じてます!」

(れいりょくってアレの力のことなのかな? すごく気持ちいい……お昼も……ばかりなのに……)


「じゃあ手を離しますから、その感覚を忘れないでくださいね。霊力、血液が体を巡るイメージですよ。」


「はいぃ! も、もっと……」

(いやいや私何言ってんの! ここ体育館だよ! 私ったら体育館で何を……)


「いいですね。ではそのまま自分で霊力を廻しておいてくださいね。3分ほど。はいスタート!」


「はいぃ! 自分でしておきますから……見ててください……」


そう言って右手をジャージのズボンに入れる石神。一体何を勘違いし、何をしようとしているのか。さすがにそれには清も……

(なるほど。快楽を霊力に変えるタイプか。日の本(ひのもと)では珍しい、房中術の一種? 大陸系か?)

本気で勘違いしていた。

原因としては……

・石神に本当に霊力があったこと。

・教師というフィルターがかかっていること。

・ここが体育館であること。

などが挙げられる。


この勘違いはいつまで続くのだろうか。そろそろ3分が経過する。

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