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学校の怪談 2

葉子の中学校では。

グラウンドを走り回る妙な霊に悩まされていた。いや、無視すればそれでいいのだが、鬱陶しいものは鬱陶しいのだ。


「ねぇー葉子ぉー何とかならないのぉー?」


「先生は無害なら放っておけって。触らぬ神に祟りなしって言うでしょ?」


「あれって神様なの? 悪霊じゃないの?」


「さあ? 私には取り憑いた無害な霊にしか見えないよ。」


「もぉーあれじゃあ練習できないじゃん! 大会が近いのにぃー」


「葛原がバイトしてるって言ってもどうせ詐欺商売だろ?」

「そうそう。本当はあんな悪霊ごときに手が出せないんだろ?」

「だいたい葛原だってただのバイトだよな? 除霊とかできないんだろ? 詐欺商売だもんなー」


「違うよ。先生はすごいよ。先生が言うならそうなんだよ。」


「でもさー葉子がお願いしても来てくれないなんてケチなのね」


「だよなー。除霊とかって元手がかかんないんだろ?」

「そうそう。ちょいちょいーってやってくれればいいのにさ」

「やっぱりケチなんじゃん」


「先生はケチじゃないもん! 前日とか前々日からすっごい準備してから仕事するもん! いきなり言われても無理なんだよ!」


しかしクラスの空気は清がケチな上に詐欺商売をやってると決めつけてしまっている。そこには成績トップをずっとキープしている葉子への嫉妬もあったのかも知れない。土日が潰れるほど入り浸っているのに成績は落ちない。しかも男子人気ナンバーワンなのに話題はいつも『先生』ばかり。悪く言いたくもなるのだろう。


「おーい葛原。ちょっと校長室まで来てくれるか?」


「はーい。じゃあね。くれぐれも遊びで手を出したらだめだからね!」


教師に呼ばれて校長室に向かう葉子。一体何事なのだろうか?


「失礼します。」


「よく来てくれたわね。まあお座りなさい。」


校長の田村敦子だ。大きな体で生徒思い、教師達の信頼も厚い教師だ。


「それでグラウンドの霊なんだけど、どうしたらいいと思う?」


「阿倍野先生は放っておけと。霊にむやみに近寄るのはよくないそうです。ただ悪霊になる前に対処することも大事だそうです。悪霊になる前後で料金がすごく変わるそうです。」


「具体的にはいくらか分かるかしら?」


「ごめんなさい。分かりません。でも依頼だったら校長先生から出すようにと聞いてます。あ、これ名刺です。」


「そう……ありがとう。阿倍野 清さんとおっしゃるんだったわね。なるほどね……」


「あの、私はもういいですか? 部活に行かないと……」


「ええ、いいわよ。わざわざありがとう。先生によろしくね。」


葉子が退出した後、校長は携帯を取り出しどこかへ電話をかけた。清に依頼をするのだろうか?

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