たとえ、間違っていても
こちら側は久しぶりの更新!!
宜しくお願いします。
⚠️時系列は71話最後のデートの最後の部分からになります。
「二人とも、大切な事を伝えたい。聞いてほしい」
一言で全てが変わるだろう。
この選択は間違えている。
分かってる。
もう、元に戻れない。
だけど、俺にはこれしか選べない。
だから、俺はこの道を選ぶ。
誰にも泣いて欲しくないから。
三人で笑っていたいから。
たぶん、誰にも認めて貰えない。
理解されない。
それでも構わない。
だから一歩踏み出す。
顔には笑顔を。
精一杯の優しさで。
たどり着く場所が分かっていながら、誰も、幸せになんか出来ないことを知りながら、一時の平和を守る為だけに、俺は、全てを背負う。
自己欺瞞でもいい。
罵声を浴びせられようとも構わない。
二人に嫌われても構わない。
最後に笑っていられるなら、彼女らが笑顔でいられるなら、それで・・・・・・
どうか、俺に最後の勇気をください。
「ごめん。俺は、二人とは付き合えない」
遂に、俺は答えを告げた。
心が悲鳴をあげる。
痛いと叫ぶ。
まともに彼女の達の顔を見ることが出来ない。
下を向いた視線は、ただ一点を見つめ続ける。
俺は、唯が好きだ。
幼なじみとして、異性として。
気づいたのは小学生の頃。
たぶん、初恋だ。
彼女の太陽なような笑顔に惹かれていた。
隣にいるだけで、包まれるように暖かく、ずっと傍にいたいと思った。
中学になって、気持ちを隠すようになった。
常に、他の人に取られたらと思いながらも、言葉に、行動に出来なかった。
そんな中、あの事故が起きた。
悲しみと恐怖だけが俺を支配した。
自分が鈴音から両親を奪った。
その事がバレるのが怖かった。
唯が離れていったらと思うと、何も出来なかった。
そんな俺を、唯は、優しく、静かに受け止めてくれた。
事実を知っても、隣にいてくれた。
彼女の優しさが、それに甘える自分が、悲しくて、苦しくて、悔しくて、でも、隣にいてくれることが何よりも嬉しかった。
俺は、美姫が好きだ。
最初は、何とも思っていなかった。
告白されて、彼女のことが気になるようになった。
最初はとても遠い、自分とは住む世界の違う人間だと思っていた。
彼女はどんな時も、見守っていてくれた。
綺麗な笑顔を浮かべ、俺を見ていてくれた。
彼女の優しさに触れて、強さに触れて、あっという間に好きになっていた。
雪ちゃんのことを聞いた時は凄く驚いた。
あの時の俺は、父のように人を助けて死にたいと思っていた。
だから、無茶苦茶なことを出来た。
自分のことなんかどうでも良かった。
そんな俺を、彼女は否定してくれた。
否定した上で、俺を見てくれた。
嬉しかった。
彼女の優しさに救われた。
俺は、二人を好きになってしまった。
どちらかを選ぶかなんて出来ない。
二人を泣かせたくない。
でも、そんなことは出来ないから、
だから、俺は、間違いを選ぶ。
だから、俺は、どれも選ばない。
「バカ!!気づかないと思うの?ずっと傍にいたんだよ、澪が何を考えてその答えを口にしたかぐらい分かるよ!!」
最初に口を開いたのは唯。
彼女の頬に涙が伝っていた。
「ホント、バカですね、澪君は。ま、そんな貴方の優しさに惚れた私が、ううん、私達が負けだけどね」
美姫は、呆れたような、でも、優しさに満ちた表情で俺を見ていた。
「違う!!俺は・・・」
二人共、好きじゃない。
その言葉を言うだけで全てを否定出来る。
だが、喉まで出かけた言葉は口に出来ない。
嘘でも、好きじゃないとは言えなかった。
「ごめんね、私達、澪を傷つけちゃったね」
「ごめんなさい。私達も逃げていたんだと思う」
唯と美姫がそれぞれ謝罪の言葉を告げる。
「何で、なんで、二人が謝るんだよ。俺が、選べない俺が悪いのに」
もう、限界だった。
張り詰めた感情が、バレていたと、誤魔化せないと分かった時に緩んだ瞬間から溢れだした。
「澪君、私ね、本当は、貴方に選んで欲しくなかったの。自分が選ばれないのが怖かったというのもある。でも、それ以上に、変わって欲しくなかったんだ」
美姫は、ポツリと言葉を溢す。
「うん。私もそうかも。変わって欲しいって思いながら、三人でいたいって思ってた」
唯も、美姫のことを見つめながら言葉を紡ぐ。
「だから」
唯が、
「二人を選んで」
美姫が、
答えを口にした。
「それは、」
「大丈夫。澪なら出来るよ」
唯が笑顔で告げる。
「二人を幸せにしてくれるなら、それでいいですから」
美姫も、優しい笑顔を浮かべていた。
「ごめん。ごめん。ごめん・・・・・・」
俺の目から涙が溢れる。
ひたすら謝る俺を二人は優しく見守ってくれた。
こんなことは男として最悪なのだろう。
だけど、俺はこの優しさに甘える。
「唯、美姫、俺と付き合ってください。どんな困難があろうとも、必ず二人を絶対に幸せにする。今日の選択を、後悔になんかさせない!!」
俺は、意を決して、覚悟を言葉にした。
「「はい。私達と付き合ってください」」
この日、俺は彼女達と付き合い始めた。
これからは、困難な道が続いているだろう。
だけど、俺は、両方の手から伝わる熱を絶対に忘れない。
絶対に離さない。
そう、決意した。
のだが、
家に帰るなり、恐怖で顔を青くしていた。
右には美姫、左には唯。
前には・・・・・・鈴音がいる。
「で、どういうこと?」
二人を連れて帰った俺に、妹様は無の表情で視線を向けていた。
目からは何も読めない。
怖い。
「二人と、付き合うことになりました」
俺は事実のみを告げる。
「へぇ~~、本気?」
「本気です」
俺はもう妹のことを見られなかった。
「はぁ~~、ま、いいけどね」
「え?」
俺は困惑の声をあげる。
「え?じゃないよ。おにぃの考えることぐらい想像出来るっての。どれだけ一緒にいると思ってんのよバカ」
俺は、呆れながらも認めてくれた彼女に安堵のため息を溢す。
「でも、一つだけ条件がある」
の、だが、終わってなかった。
「はい。何でも聞きますのでお許しを」
『はい。何でも聞きますのでお許しを』
「言質取ったから」
あらやだ。妹怖い。
「はい」
「私も、私も彼女にして」
「え?」
「え?じゃないバカ。私も入れろって言ってるの。それが条件!!」
「でも、俺達は・・・・・・」
「もう、そんな言い訳いらない。私、知ってるから。私とおにぃ、本当は兄妹じゃないんでしょ。なら、結婚できる。問題ない。分かった?」
完全に言いくるめにくるのだが、ちょっと待って欲しい。
「いや、兄妹は駄目だろ。世間体にもあれだしさ・・・」
「ハーレム作ろうとしてる時点で世間体も何もないから。私を入れて。私のこと、嫌いじゃないでしょ」
正直、妹のことも、異性として好きです。
何俺、屑じゃん、超屑じゃん。
どうせ屑なら、星屑のように誰かの願い事も背い生きてやれ。
俺の好きな歌にそんな歌詞があるのだが、願い事ではなく、想いを背負い生きないといけなくなってしまった。
「ああ、もう、分かったよ。鈴音も俺と付き合ってくれ」
「ふざけんな、もっと真剣に告白しろバカ!!」
「「ふふふふ。あはははは」」
今まで黙っていた美姫と唯は顔を見合せ笑い始める。
「「笑うな!!」」
俺と鈴音の声が重なり、二人揃って顔を赤らめる。
まるで、今までと変わらないように、でも、関係だけは変わって、俺達は進んでいく。
俺に三人もの美少女達を幸せに出来る甲斐性があるかは分からないが、絶対に幸せにしてみせる。
俺を選んだことを後悔させない為に。
俺が選んだ道は間違いだけど、今、笑っていられるのは本当だから。
きっと、大変だけど、皆で笑っていられる今を、これからを守っていきたい。
「ねぇ、僕も君のハーレムに加えてくれないかな?」
俺のハーレム(何か言い方が見当たらなかった結果こうなった)が出来てから初の登校日、目の前には顔を赤らめた佑真がいる。
口からはトンデモ発言が飛び出ていた。
「すいません。お引き取りください」
「連れないな~~~~。僕と君の仲じゃないか」
一歩、また一歩と距離を詰めてくる。
「冗談だよな!!そうだと言え!!怖いからこっちに来るな!!」
学校に、俺の悲鳴が響いた。
お久しぶりです!!
ハーレムルートいかがでしたでしょうか?
先日、コメントを頂いてから、以前のハーレムルートのプロットを全削除して新しく書き上げました(笑)
勢いで書いているので、今までの各ヒロインルートとは異なりかなりの矛盾、作風の違いがあるかも(汗)
あくまでIFルートと言うことで楽しく読んでいただければと思います。
読んでみたいIFルートがあればコメントいただければと思います。
あ、友情end?ちゃんと考えてます。
・・・・・・プロットに出来ないレベルで思い浮かんでないですが(泣)
読んでくださりありがとうございました。
現在連載している『ライトノベル作家になりたい俺とライトノベル作家の彼女』の方も読んでいただければ嬉しいです。
ありがとうございました。




