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番外編~鈴音ルート~

久しぶりに更新しました!!

THE・番外編。

鈴音ルートで書かせていただきました。

宜しくお願いいたします。


 これは、私がおにぃ、篠原澪からプロポーズされる前のお話。


 




「お疲れさまでした!!」


 私は、スタジオに全員に挨拶をする。

 現在、モデルとして活躍している私なのだが、今日はテレビ番組の特別ゲストとして参加していた。


「あ、あの、鈴音さん、私、鈴音さんの大ファンなんです。サイン貰ってもいいですか?」


 楽屋に戻ろうとしたその時、小学生の女の子に声をかけられた。 


 まぁ、只の小学生女子ではない。

 彼女の名前は白川遥(しらかわはるか)

 とあるドラマに出演して大ブレイクした人気子役だ。


「うん。別にいいよ。あのさ遥ちゃん、少し楽屋でお話しない?」


「え?いいんですか?」


 彼女はパアッと笑顔になって訊ねてくる。


「うん。いいよ。私、遥ちゃんとお話してみたかったんだよ。ついて来て」


「はい!!」


 こうして、私と彼女の交流は始まった。


 遥ちゃんとはプライベートで色々な所へ行って様々な会話をした。

 あっという間に打ち解け、気付いた時には本当の姉妹のような関係になっていた。


「鈴音さん、鈴音さんは好きな人とかいるんですか?」


 ある日、遥ちゃんが突然訪ねてきた。


「うん?どうして?」


 一応、芸能界に身を置いているので警戒してしまった。


「私、好きな人がいるんです。それで、アドバイスを貰えればと・・・」


 彼女は顔を真っ赤にしながら呟く。

 怪しんでごめんね。

 心の中で謝罪しながら彼女の顔を見る。

 

「分かった。先に言っておくと私、今彼氏いるよ」


「え?」


 彼女は驚いた表情を見せる。

 一般には付き合っている人はいないということになっているのでこの反応は半分予想できていた。


「このことは皆に内緒ね」


「は、はい」


 彼女は高速で首を縦にふる。

 ちょっと可愛い。


「あの~、色々と聞いても?」


 遥ちゃんは遠慮がちに聞いてくる。


「じゃあ、私が先に話すね。のろけ話っぽくなったらごめんね」


「だ、大丈夫です」


 彼女が真剣な表情を向けてくる。

 そんな大層なものではないんだけどね・・・


「彼と付き合い始めたのは今から五年くらい前、私が高校三年生の時のクリスマス。おに、彼から告白してきてくれたんだ」


「そうだったんですね。告白の言葉はなんだったんですか?」


「ごめんね。それは教えられないかな。じゃ、続き話すね」


 言葉教えたら兄妹だってバレちゃうの、ごめんね。


「当時、彼は二人の女の子にアプローチされてたの。一人は私よりも美人な人。もう一人は彼の幼なじみ。彼、クリスマスの日に二人とデートしてたんだけどね、そこで二人に付き合えないって言って私の所に来てくれたの。あの時は凄く嬉しかったな・・・」


 今でも思い出すと頬が自然と緩んでしまう。


「元々、私は彼のことが好きだったの。だけどね、二人に譲ろうと思ってたんだ。だけど、我慢出来なくて、気付いたら二人から彼を奪っちゃってた」


 あの後、二人と話した時、許して貰えて良かったな・・・


「好きになった理由はね・・・・・・」





 私は全て話終えると、遥ちゃんに向かって告げた。


「これでおしまい。あまり参考にならなかったでしょ?」


「いえ。凄く素敵でした!!」


 彼女は興奮した表情でこちらを見つめてくる。


「あの、結婚とかは考えてるんですか?」


「うん。出来るなら彼と結婚したいと思ってるよ。だけど、彼からプロポーズしてくれるまで待とうとも思ってる。たぶん、彼なりに私のことを考えてくれてるから」


 私は遥ちゃんに答えながらおにぃの顔を思い出す。


「よく、彼氏さんのことわかってるんですね。羨ましいです」


「じゃ、次は遥ちゃんの番だね。好きな人ってことはまだ付き合ってないんだよね?」


「はい。私の片思いです。たぶん、私のこと意識してませんよ」


 彼女はアハハと笑う。


「遥ちゃんみたいな可愛い子だったらイチコロだと思うけどね。で、何で好きになったの?」


「私、子役をしているせいで学校で浮いてたんです。あまり学校にいけないのと、皆、私に遠慮して声をかけてくれなかった。一人でいたとき、彼が声をかけてくれたんです。そのお陰で皆と話せるようになって。彼、優しいから色々と私を助けてくれて・・・。気付いたら、好きになっちゃってました・・・」


「へ~。で、私にアドバイスって何を聞きたかったの?」


「私なんかが彼のこと好きでいいのかなって・・・。彼、学校で男女問わず多くの人に好かれてたんです。だけど、私に話しかけたせいで男子の中で彼が浮き始めちゃって。なのに、彼はそんなこと悟らせないようにいつも笑顔で私に色々な話をしてくれるんです。それが辛くて・・・・・・」



 彼女は顔を苦しそうに歪める。


「ねぇ、遥ちゃんはその男の子のこと好きなんだよね?」


「はい!!」


「じゃあ、彼を支えてあげな。彼に気づかれなくても気づかれてもいい。彼を支えてあげる。それと、一人で友達を作る。彼に頼っちゃだめ。最後に・・・彼を好きで居続けてあげなさい。そして、いつかその気持ちを伝える。その時まで彼を好きでいていいと思うよ。恋愛は自由なんだから!!」


 私は自分の考えを述べる。


「彼を・・・支える・・・・・・」


「うん。一番大切なのは、彼を好きだという気持ちを忘れないことだと私は思うよ」


「はい!!ありがとうございます!!私、頑張ります!!」


 彼女は強い決意を秘めた瞳で私を見る。


「よし!!がんばれ!!」


 こうして、恋バナは終わりを告げた。


 私の言葉で彼女の物語は動き始めた。

 その時、私はまだそのことを知らなかった。


 だけど、彼女の恋が実りますように。

 ただ、それだけを願っていた・・・




 この数ヶ月後、クリスマスの日、私はプロポーズされた。


 その一年後、私はモデルを引退しておにぃと結婚した。


 結婚がバレた時、マスコミに兄妹で結婚はどうかなどと騒がれたが知るもんか!!

 私はおにぃが好きなんだ!!愛してるんだ!!

 だから、私はこの想いを通した。




 そして、


「篠原さん、元気な赤ちゃんですよ。男の子です!!」


「おにぃ、家族、増えたね」


「ああ。これからは三人で頑張って行こうな鈴音」


 新しい家族が産まれた。


 これから、家族としての新しい物語が紡がれていく。

 多くのことが待ち受けているだろう。

 彼と一緒に歳をとっていくのだろう。

 だけど、私はおにぃを支え続ける。想い続ける。


 例えどれだけ長い時間が過ぎようともこの命が尽きるその時まで彼を愛し続ける・・・


 


読んでくださった皆様ありがとうございます。

番外編はこの一話のみで終了かな?と考えていますが番外編はまた書くかも・・・


ここで告知を!!

次の物語は現実を舞台にした恋愛をもう一度書かせていただき、投稿させて頂きました。

題名は『ライトノベル作家になりたい俺とライトノベル作家の彼女』です。

今回の作品は不定期更新で書いていきます。

こちらの作品を読んでくださった皆様も読んでくださると嬉しいです。

宜しくお願いいたします。


新作のURLです

https://ncode.syosetu.com/n5092fb/



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