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最後のデート

更新しました。

宜しくお願いします。


「うそ~ん」


 十二月二十五日、十二時五十分、集合場所に向かっていた俺はその光景を見て呟いていた。


 唯と美姫という超絶美少女が二人並んでいる。

 唯は栗色のダッフルコートに白いセーター、赤色のスカート。

 美姫は赤色のチェスターコートに黒色のセーター、白いチュールスカート。

 

 モデルと見間違えてもおかしくないレベルの二人を多くの男性が囲んでいた。

 二人は困惑した様子だった。

 

「悪い、遅くなった」


 少し大きめな声で告げる。

 瞬間、囲んでいた男達が俺へと視線を向ける。

 視線には色々な感情が含まれていた。

 出来れば逃げたい。


「大丈夫だよ」


「私達が早かっただけだから」


 唯と美姫がそれぞれ言葉を返してくれる。

 そろそろ男性陣の視線が怖くなってきた。

 刺されそうなレベルである。


「私、左~」


「なら私は右で」


 俺の左腕に唯が、右腕に美姫がしがみついてくる。

 嬉しいという感情と怖いという感情が入り乱れる。


「あ、ああ。早く行こうぜ」


 俺は美少女二人を侍らせて街へと向かった。



 暫く歩いているが道を歩く人達からの視線が凄かった。

 殺気、妬み、僻み、その他諸々、とりあえず凄かった。


「で、何処に向かうの?」


 唯が訊ねてくる。


「何処でもいいよ。何処に行きたい?」


 特に決めている訳ではないのでお任せである。


「私、洋服見たいな」


 美姫が呟く。


「じゃあ、ショッピングモールにでも行くか」


 結局、先程まで鈴音と行っていたショッピングモールに戻ることになった。  



「これ、どう?」


 唯は試着した服を見せてくる。

 大人っぽい雰囲気のコーデだった。


「い、いいんじゃないか?」


 俺は視線を彼女から外しながら告げる。

 普段の可愛いといった様子とはまた異なる彼女の姿に心臓が加速する。

 

「やった!!」


 彼女は可愛らしい声とともにガッツポーズをする。

 ヤバい、可愛い。  


「私はどうですか?」


 一城さんが声をかけてくる。

 一城さんは白いセーターに青いロングスカートという組み合わせだった。

  

「綺麗だな」


 俺は素直な感想を呟く。

 やはり、彼女は可愛いというより綺麗という言葉が良く似合う。

 彼女の美しい銀色の髪が彼女の美しさを一層際立てせていた。

 

「宮内さんより反応が薄いな~」


 彼女はそんなことを言いながら近づいてくる。

 背伸びをして顔を下から覗き込む形になる。

 上目遣いまでしてくる。

 さすがにポーカーフェイスを保つのが辛くなってくる。

 頬が熱を持つのを感じる。


「顔、真っ赤ですよ」


 美姫はいたずらが成功した子供みたいな表情で告げる。

 思わず可愛いと思ってしまう。


「美姫もだよ」


 俺は呟くと彼女の顎をクイッと持ち上げ顔を近づける。


「わ、わ、私着替えますね」


 美姫はそう告げると俺から距離を取り試着室に駆けこむ。


「ちょっと、いや、かなり、恥ずかしかったな」


 あまり慣れないことはやるべきではないと考えながら呟く。


「(じ~~~~~~)」


 そこで、こちらを見つめていた唯と視線が重なる。


「な!?」


 俺は驚き、顔が真っ赤に染まるのを理解した。


「私も、してほしかったな」


 彼女はカーテンから顔だけ出しながら上目遣いで呟いてきた。


「はぁ~」


 俺は溜め息を溢して唯の元に近づく。

 流石に顎クイはかなり恥ずかしいので壁ドンにさせてもらった。


「ひゃ!!」


 彼女は変な声を出してへたり込んでしまう。  

 顔から湯気が出ているのを幻視できた。

 

「えへ、えへへへへへ」


 唯が故障した。


「お、おい」


 俺は心配になり声をかける。

 そこに、


「お客様、イチャつくのは外で行ってください」


 店員にそんなことを言われてしまった。

 店員の指をチラッと見るが結婚指輪はない。

 目が怖い。


「「「す、すいません」」」


 俺、唯、美姫の三人で謝罪して店を後にした。

 この時、俺はこのようなことを二度とやらないと心に誓った。



「凄くおしゃれ。よくこのお店知ってたね」


 暫く回った後、予約していたレストランに来ていた。

 唯の言い方少し酷くない?

 と言っても予め、雑誌などを読みあさり下見をした上で選んだお店だ。

 普段はこんなお店来ないからな(泣)

 下見に使った合計金額は言わないでおこう。

 一つだけ口にするならば、今日までのご飯がカップラーメンになったということを報告しておこう。


「本当に澪君の奢りでいいんですか?」


 美姫が聞いてくる。


「ああ。こういう時は男の俺に任せとけ」


 まあ、今後暫くはカップ麺生活だけどな!!

 鈴音にもカッコつけてご飯をおごったこと。現在来ている服がそれなりに高かったことが今後のカップ麺生活の理由である。


「お言葉に甘えさせてもらうね」


 美姫が笑顔で告げる。

 まぁ、二人の満足そうな表情が見えたので良しとしよう。

 

☆☆☆ 


 ご飯を食べ終えた後、クリスマスツリーのイルミネーションを見に来ていた。

 このショッピングモールには三つのクリスマスツリーがありそれぞれイルミネーションの色が違う。

 今来ているのはショッピングモール中央のクリスマスツリーだ。

 ここは赤、青、緑の三色のイルミネーションが施されていた。


「うわぁ!!綺麗!!」


 唯がクリスマスツリーを見ながら呟く。

 

「そうね。凄く綺麗」


 美姫も呟く。


 俺は黙って二人の姿を見る。


「綺麗だな」


 クリスマスツリーではなく二人に向けて呟く。

 聞こえていないだろうけど。



 二人の姿を見ながら俺は覚悟を決める。

 二人の美しい姿を目に、記憶に焼きつける。

 こんな二人の姿を見るのはこれが最後だろうから。





「二人とも、大切な事を伝えたい。聞いてほしい」


  

 一言で全てが変わるだろう。

 先の事を考えるとそれだけで体が恐怖に包まれる。

 だが、俺は選ばないといけない。

 だから一歩踏み出す。

 その先がどのような場所にたどり着こうとも。

 遂に澪が答えを出す時が来ました。

 補足すると途中、澪のキャラが変わりかけていたのは緊張からです。

 決して少女漫画の男主人公にジョブチェンジしたわけではございません。  

 因みに、私はあることに気づいてしまいました。佑真の出番もうなくない?

 まあ仕方がない。

 そう仕方がないんだ。

 物語は残り僅かですが楽しんでいただければと思います。

 

 コメントくださった皆様ありがとうございました。


次話の投稿は必ず近日中にしますが確約出来ないので未定ということにさせてください。  

ですが、必ず投稿するのでお待ちいただければと思います。


次話も宜しくお願いいたします。



 

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