小テスト
遅くなって申し訳ございません。
特に0時更新を待っていてくださった皆様、本当に申し訳ないです。
「これから小テストを返して行きます。呼ばれた人は取りに来てください」
文化祭が終わり一ヶ月以上が過ぎた。
11月も終わりへと近づいている中、事件は起きた。
「篠原君」
「はい」
何か、先生の声が心なしか低い気がする。
そんな感想を抱く。
先生は世界史の担当であり俺は世界史は得意ではない。
むしろ、日が経つごとに悪化してきている。
「篠原君、貴方、全て同じ答えを書きましたよね?」
先生は笑顔を浮かべながら告げる。
とても怖い。
三十を越えた彼女が結婚できないのはその怖さのせいだと言われている。
「はい」
今回の小テストは四択問題だった。
俺はZERO点よりはましだと考えて全て四を解答欄に書き込んでいた。
「なのに、なのに、何故、0点なのですか!!」
先生に叫ばれる。
「嘘だろ!?全部同じ数字選んだんだから一つは当たってるだろ?」
俺は先生に叫び返す。
同じクラスの生徒達は俺に憐れみの視線を向けている。
お願いだから止めて欲しい。
「貴方が選んだのは四、このテストに四という答えは存在しません」
「何でですか?」
俺は恐る恐る訊ねる。
「このテストは三択ですから(^ー^)」
瞬間、俺は絶望に囚われた。
辺りは闇、一筋の光も見えなかった。
「放課後、職員室に」
「断る!!」
俺は叫ぶと教室を飛び出し保健室へと逃げ込んだ。
保健室に着いた直後、保健室の先生にバカだろと言われたのはまた別のお話。
「篠原君、私言いましたよね、このテストが平常点になると」
「はい」
結局、職員室に足を運んでいた。
保健室に逃げた件については心情を推し測ってくださり許していただけた。
「これでは平常点が0ということになってしまいます」
「先生、どうか俺に救いを!!」
俺は有りもしない誇りを捨てて土下座する。
周りの先生達が先生に視線を向ける。
ほとんどがナニコレという視線で担任の伊藤先生や教科を担当している先生達だけは同情の視線である。
「それが無理なんですよ」
「な、なんだって!?」
「ふざけない」
「はい」
俺は反省して正座する。
「だから、テストで五十点以上取ってください」
「先生、退学届けをもらえますか?」
俺は先生の言葉を聞き、不可能だと考えて告げる。
「やるだけやってください。これは今日の分の補習プリントです。解いて帰ってください」
「はい。失礼しました」
俺は受け取り職員室を去る。
「「「「はぁ~~」」」」
この時、職員室へ出た俺と職員室内にいた先生達全員が溜め息を溢したのは仕方がないことだっただろう。
「で、澪はまた留年騒動か」
佑真は俺にプリントを解説してくれながら呟く。
「悪かったな、俺はバカだよ」
選択肢にない答えを選ぶバカである。
「それはそうと、文化祭の後から二人と上手くいってないみたいだけど大丈夫なの?」
佑真は一番切り込んで欲しくないこと、そして悩んでいることを聞いてくる。
「分からない。二人っきりになるのを互いに避けてるからな。必然的にお前を含めた四人でいることが多くなってる」
俺は今の状況の自分なりの分析を述べた。
文化祭以後、一城さんと唯、両方との間に距離が出来ていた。
いや、互いが作っていた。
二人っきりになると先に進んでしまいそうで怖かった。
「もう、限界だろうね」
佑真が呟く。
それは目に見えていた。
「澪の今やっている行動は甘えだよ」
佑真は静かに諭すように告げる。
「分かってる」
俺は一言呟き勉強へと逃げる。
「いつ、答えを出すんだい?」
佑真は俺の心を読むような視線を向けてくる。
彼には答えを出すことは伝えていた。
暫くの間、沈黙が教室を充たす。
「クリスマス」
俺は一言小さく呟く。
「クリスマスに答えを出す。ちゃんと選ぶ」
決意を口にする。
「なら、今は勉強頑張らないとね」
佑真は俺の言葉に頷き世界史の解説を再開する。
俺は、彼の優しさに甘えながら勉強へと取り組んだ。
《速報》遂に主人公、篠原澪は答えを出すことを決めました。
次話は明日更新予定です。




