文化祭一日目
更新しました。
宜しくお願いします。
「今日まで準備お疲れ様でした。今日から三日間は全力で楽しんで最優秀賞狙って行こう!!」
「「「おーーー!!」」」
朝、文化祭開始前最後のクラスのHRの時間、唯が全員に声をかける。
全員が唯の声にしっかり応える。
クラスメイトのやる気は十分だった。
「澪はちゃんと観客席で見ててくれよ。魔王の召喚魔術で澪をステージに召喚するからさ」
佑真が笑えない冗談を言ってくる。
実際にやられたら怖すぎる。
冗談であることを祈る。
「劇の時間まではそれぞれ自由行動。文化祭を楽しんで来てね」
唯はそう締めくくる。
そして、何人かの男子が唯や一城さんの周りに集う。
目標は勿論文化祭を回ることだ。
そして、多くの者が突撃しては散っていく。
二人は俺に助けを求める視線を送ってくるのだが・・・・・・
「佑真、一緒に回ろうぜ」
佑真に誘いの声をかけた。
「別にいいけど」
佑真は苦笑いを浮かべ必死に女子二人の方から視線を反らしている。
文化祭直前、多くの夏休みリア充が別れた。
価値観の相違故らしい。
そして、文化祭を前に多くの独り身男子が女子を攻略しに行きほとんどが散った。
結果、この学校には夏休み前から付き合っているリア充、後から付き合い始め継続しているリア充、文化祭の為に生まれたリア充の三種類が生まれた。
そして、多くの戦場で散った独り身男子達は二つの誓いを建てた。
1.これ以上リア充を増やさないため互いを監視する(夢への突撃は可)
2.別れた男子達をこちらに引き込む。
さらに、これとは別にこいつらは必要のない物を作成した。
要注意人物、乃ち監視対象者。
名前が明らかになっているのは篠原澪と新藤佑真である。
その為、常に多くの男子が俺達に謎の視線を送っていた。
そして自分たちは一城さんと唯に突撃している。
頭が痛くなってくるような状況だがそんな訳で下手な行動は出来ずにいた。
安全策として佑真を誘ったのだ。
「いいのかい?本当は二人と回りたかったんでしょ?」
小声で佑真が俺に確認する。
「別にいいよ。明日誘ってみる。今日は監視が強いから」
俺は佑真に告げる。
現に見えない所から他クラスの男子が俺達を監視しているように感じた。
「わかった」
こうして、俺は文化祭一日を佑真と回ることになった。
二人にはメールを見ろと視線で訴え教室を後にした。
☆☆☆
「凄いねこれは」
「ああ、凄いな」
文化祭を回り始めること一時間弱、桜井や他の男子と合流した俺はとある一日目限定非公式有志団体の前に来ていた。
そして、その団体名を前に呟いていた。
非公式有志団体~男の夢~
見るからにヤバい団体である。
「は、入るのか?」
俺は桜井に尋ねる。
声は何故か震えていた。
「ああ、合言葉は教えてもらっている」
桜井はニヤッと得意顔になって告げる。
合言葉、それだけでヤバいのがわかる。
「合言葉をどうぞ」
「あいつの胸はAカップ」
「確認しました。どうぞ」
桜井を除き俺達全員はあまりのヤバさに硬直していた。
「入るぞ~」
桜井に押され俺達は中に入る。
「な、なんだこれは?これは、本物なのか?」
俺は、目に入った写真と数列を前に呟いていた。
「ああ。これはとあるリッチな男子生徒が十万円近くを費やして作ったデータバンクだ」
そう、ここにはこの学校の全女子生徒のスリーサイズのデータが集っていた。
俺は桜井の言葉を聞いて呆然としてしまう。
十万、バカだ。
「あれ?一部生徒の情報に規制がかかってるね」
佑真は一つの写真を見ながら呟く。
それは二年生の先輩達の中で最も綺麗だと言われ人気の高い女子生徒だった。
「人気のある女子生徒の情報には別途これだ」
桜井は手で銭の形を作る。
なるほど、ただのリッチなバカではないらしい。
でも、使った費用の元を取れはしないだろう。
「なるほどね~」
佑真は呟く。
「で、いくらなんだ?」
「S、A、Bランクとあって順に500、250、100円だ」
桜井に一応値段を確認する。
「そうか」
俺は一言告げ、スタッフの男子生徒に千円を渡して告げた。
「一城美姫と宮内唯の情報を買いたい」
情報を手にした後、俺達は男の夢を去った。
この後、教師陣にバレて男の夢が秘密裏に葬り去られたのは別の話。
気づいたら演劇の時間まで残り僅かとなっていた。
俺達は、ご飯を食べクラスへと戻った。
こうして、一日目は終わりを告げた。
一日目は保護者と生徒のみの公開であるため投票はない。
だが、Aクラスの生徒は確かな手応えを感じていたようだった。
日にちごとで分けた方がキレイに纏まったので一日目のみの執筆となりました。
ブックマーク、評価、コメントお待ちしております!!




