帰り道
更新しました。
今回はかなり短めです。
宜しくお願いいたします。
「皆、寝ちゃったね」
旅行最終日、海で少し遊んだ後、佑真の叔父さんに挨拶をして帰りの電車に乗っていた。
「そうだな」
俺は唯の言葉に頷きながら辺りを見回す。
四人席に俺、一城さん、鈴音、佑真が座り唯が立っていた。
「立つの疲れただろ?変わるよ」
俺は駅を出発してから立ちっぱなしの唯に声をかける。
「ううん。いいよ。鈴音ちゃん安心したように寝てるから」
俺の肩に頭を載せながら眠る鈴音を見ながら唯が呟く。
「悪いな」
俺は一言謝る。
「鈴音ちゃん澪に心配かけないように溺れた後ずっと気丈に振る舞ってたから。お兄ちゃんなんだし甘やかしてあげなよ」
唯の声音は母親のように優しいものだった。
「ああ。そうするよ」
俺はそっと鈴音の髪の毛を触りながら答えた。
☆☆☆
「良く寝た~」
皆と別れた後、鈴音を家に送る為に歩いていた。
「疲れとれたか?」
俺は伸びをする鈴音に声をかける。
「うん。ありがとうおにぃ」
鈴音はニカッと笑いながら答える。
「なら良かったよ」
俺は小声で呟き道を歩く。
「ねぇ、私を助けた時、人工呼吸してくれたんだってね。佑真先輩から聞いたよ」
祖父母の家に着く直前、鈴音がポツリと呟いた。
「あ、ああ。ごめん」
俺は何故だか申し訳なくなってしまい謝罪する。
「あ、謝らないで!!おにぃがしてくれてなかったら死んでたかもしれないから」
鈴音は顔を赤く染めながら捲し立てる。
「だから、さぁ」
鈴音は呟き一歩距離を詰めてくる。
「っ!!」
そのまま、鈴音は自分の唇を俺の唇に優しく重ねた。
「お、おにぃのファーストキスあんな形で奪っちゃったからそのお詫び!!それ以外に深い理由なんてないから!!」
鈴音は先程よりも顔を赤く染める。
たぶん俺も同じかそれ以上に赤いだろう。
「じゃあね!!」
鈴音は走って去っていく。
「無理があるだろ」
俺は今も熱が残る唇にそっと触れながら呟いていた。
0時更新出来ず申し訳ないです。
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次話は明日更新の予定です。
宜しくお願いします。




