~それぞれの夜~side美姫&唯
ヒロイン二人(唯視点)のお話です。
宜しくお願いします。
「鈴音ちゃんと澪が同じ部屋で大丈夫かな?」
私は不安を口にする。
「大丈夫じゃないですか?鈴音さん自分の中でちゃんと線引きしてますから」
一城さんは言いながらベッドに腰かける。
「ならいいんだけど」
私は鈴音ちゃんの行動力を知っているため不安感を抱いてしまう。
だがこれ以上考えても何も出来ないので諦める。
「篠原君の方を心配しないあたりあれですよね」
「そうだね。まぁ澪はヘタレだから」
私は一城さんの言葉に答えながら苦笑する。
「一城さん鈴音ちゃんには敬語じゃなくなってたね。私にもタメでいいよ」
お風呂から上がった後の二人の会話を思い出しながら告げる。
「わかった。ありがとう宮内さん」
一城さんは少し嬉しそうな表情で笑顔を見せてくる。
やっぱり女子から見てもかなり可愛いと思う。
勝てそうに思えない。
「一城さん、嫌なら話してくれなくて良いんだけどもし良かったら何で澪に告白したのか教えてもらえない?」
私はずっと疑問に思っていたことを尋ねる。
「好きだからとかそういうのを聞きたい分けではないみたいね。わかった。話すよ」
一城さんは私に視線を向けて来くる。
「篠原君を笑顔にしたいと思ったの」
「え?」
一城さんの言葉に思わず呟く。
そんな私に気にせず言葉を続ける。
「彼、いつも笑ってなかったから。表面上合わせて笑顔を作ってただけでちゃんと心から笑ってなかったでしょ?だから私は自分の手で篠原君を心のそこから笑わせたいと思ったの」
一城さんの言葉は強い意志を秘めているように感じた。
「ねぇ?宮内さんはどうなの?」
一城さんは聞いてくる。
「私も同じ。それともう一つ」
言葉を続ける。
「私の傍にいて欲しいって思ったんだ。澪を繋ぎ留める何かが欲しいって。じゃないと、どこか行っちゃいそうで怖かった。他人に取られるんじゃないかって怖くて怖くてたまらなかった」
醜い本心を言葉にする。
「宮内さんでも怖いって感じるんだ・・・・・・」
一城さんは呟いていた。
「私も怖かったってのもあるんだろうね。常に篠原君の傍には貴女がいた。いつか貴女が彼の恋人になったら、篠原君に恋人が出来たら」
一城さんの目は不安に染まっていた。
「考えないようにしてただけでそういう気持ちもあったと思う」
一城さんは苦笑しながら告げる。
「一城さん、私負けないから。貴女にも、鈴音ちゃんにも!!」
「私も負けない。誰にも篠原君は渡さない!!」
言い終えた後、二人目を合わして笑う。
「もうそろそろ寝よう。おやすみ一城さん」
「おやすみなさい、宮内さん」
ベッドに潜り込むと睡魔が身体を襲う。
「負けたくないな」
私は呟く。
その声は誰にも聞こえることなく消えていく。
私は不安から逃げるように意識を閉ざした。
「あれ?僕だけ出番無い。一人だからかな?」by佑真
さて、今回二話更新させてもらったのは唯&美姫視点を次の日の分として更新すると話が2日目に行かないためというのと両方の視点を読んで欲しかったためです。
佑真、ごめん!!
展開が遅くて申し訳ないのですがもう少しお付き合いいただければと思います。
ブックマーク、評価お待ちしております!!
次話は明日投稿予定です。
宜しくお願いいたします。




