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49話

更新しました!!



「起きな、もう着くよ」


 俺は声に従い目を開く。

 間近くに佑真の顔が写る。

 佑真は俺の体を揺すって起こしてくれたみたいだ。


「悪い、いつの間にか寝てた」


 俺は言いながら窓の外を見る。

 青い海が視界いっぱいに広がっていた。


「叔父さんに連絡しとくから三人を起こしといて」


 佑真は告げると少し離れスマホを操作しはじめる。


「鈴音、起きろ、着くぞ」


 肩に頭を載せている鈴音を先に起こす。

 

「う、うう」


 鈴音が目を擦りながら起きる。

 俺は他の二人も起こして目的地に着くのを待った。



☆☆☆


「よく来たね。いらっしゃい」


 電車を降り、改札を出ると一人の男性に声をかけられた。


「お久しぶりです叔父さん。今回はありがとうございます」


 佑真は言葉を返す。


「大丈夫だよ。この時期になると私はあの家を使わないから気にしないでくれたまえ」


 男性は佑真の叔父さんらしい。


「そっちが佑真の友達か。僕は立川というものだ。おじさんって呼んでくれれば良いよ」


「立川さん、今日はありがとうございます。佑真の友達の澪です。宜しくお願いします」


 俺が最初に挨拶を返す。

 おじさん呼びは少し気が引けたので名前で呼ばせていただいた。

 俺の後に他の三人も挨拶していく。


 挨拶を終えた後、俺達は車に乗って移動していた。

 叔母さんも来てくださり男女別れて移動していた。


「で、澪君だったね?君はどっちの子と付き合ってるんだい?」


 運転中のおじさんの言葉に俺は肩をビクッと震わせる。


「え~と、付き合ってる?どういうことですか?」


 俺は恐る恐る言葉を返す。


「フフフ、隠さなくて大丈夫だよ。あの子達のちょっとした仕草、視線を見てれば直ぐに分かったから」


 おじさんは笑いながら答える。

 うん、佑真の親戚は基本的に人間を越えている気がする。

 佑真も成績優秀で運動に関してはちょっと練習するだけで部活でやっているレベルの子達は直ぐに抜いてしまう超人だし。


「どっちとも付き合ってないです」


 俺はこの飛んでもおじさんには隠すことはできないと確信して言葉を返す。


「そうなのか。なら、相手を決めているなら早く伝えた方が良いよ。決めていないなら出来るだけ早く決めなさい。時間が経てば経つほど仲も傷も深くなるからね」


 おじさんは告げる。


「はい。ありがとうございます」


 俺は言葉をしっかり受け止めながら答えた。

 佑真の視線に気づくことなく。


「ほら、着いたよ」


 おじさんは声の調子を変えて呟く。

 そこには、白い一軒家が立っていた。

 後ろには視界いっぱいの海が広がっている。


「ここが僕の別荘だよ。後ろの海岸はプライベートビーチだ。この別荘を買うのにかなりのお金を使ってしまったがね」


 おじさんは苦笑しながら告げる。

 俺は、口をポカリと開けて別荘を見つめた。




「それじゃあ僕らは帰るよ。自分の家と思って使ってくれた構わないから」


 おじさんは笑顔を浮かべながら告げ、帰っていった。


「すごーい!!」


 玄関をくぐった直後、唯が感想を溢す。


「大きいですね」


「こっちには露天風呂がある!!」


 一城さんと鈴音も続いて感想を溢す。

 見た目からして大きかったのだが、中の体感の大きさは想像を越えていた。


「部屋分けなんだけど」


 興奮する女子三人に苦笑しながら言葉を続ける。


「宮内さんと一城さん。澪と鈴音ちゃん。僕一人っていうのでいいかな?」


「俺とお前で良くない?」


 俺は佑真に言う。


「ベッドがある部屋が三つしかないんだよ。一部屋に二つだから一人余るんだ」


「私が一人でいいですよ。後から連れてきてもらった身ですから」


 鈴音が佑真に告げる。


「僕でいいよ。お客さんを一人にさせるのは心苦しいから。澪も鈴音ちゃんと同室で大丈夫だろ?」


 佑真は鈴音の言葉を断り俺に確認してくる。


「鈴音に確認してくれ。兄妹とはいえ鈴音が嫌なら俺は出ていく」


「「「「どこにだよ?」」」」


 俺の軽口に全員の声が重なる。


「わ、私はおにぃとなら、まぁ、いいけど・・・・・・」


 鈴音は少し顔を赤くしながら小声でボソボソと答える。


「ごめんね。じゃあ、それぞれ荷物を部屋に置いて海にでも行こう。折角来たんだから遊ばないと」


「そうだな。折角だし泳ぐか」


 俺は佑真の言葉に同意する。


「それじゃあビーチ集合で」


 佑真の言葉に従い俺達はそれぞれの部屋に入っていった。


☆☆☆


「遅い!!」


 水着に着替え終わった後、俺は佑真と合流して女子組が着替え終わるのを待っていた。


「まあまあ。美少女三人の水着姿が見れるんだから我慢しなよ」


 佑真はこっちに笑顔を見せながら呟く。

 

「俺にとって一人は妹だけどな」


 俺は鈴音のことを考えながら苦笑いを浮かべる。


「お前が俗っぽいこと言うの意外だわ」


 俺は思ったことをそのまま口にする。


「まあ、僕も男子高校生だからね」

 

 佑真は親指を立てながら答えてくる。

 海に来てテンション上がっているらしい。

 普段聞けないことが聞けそうなのでLet´s try。


「三人の中で一番水着姿が楽しみなのは誰だ?」


 俺は佑真に尋ねる。


「う~ん。悩むね~」


 佑真はわざとっぽく呟く。

 はぐらかされる。

 そう感じた直後、言葉を続ける。


「でも、やっぱり」


「やっぱり?」


「宮内さんでしょ!!」

「唯でしょ!!」


 俺と佑真の声が重なる。


あれは(あの胸は)


 俺が呟く。


(ロマン)だよね」


 佑真がそれに続くように呟く。

 直後、俺達は顔を見合せて笑う。

 

「さすが佑真」


「澪こそ」


 俺達は無駄に声を作ったまま言い終え、手を交わした。


「何やってるのおにぃ?」


 そんな俺達を見つめる三人に気付かずに・・・・・・

 

 

 次回は水着回!!

 俺に水着回を書く技量はあるのか・・・


 ブックマーク、評価お待ちしております!!


 次話は明日更新の予定です。

 宜しくお願いいたします。

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