答えの理由
告白された時へと戻り、俺は二人の少女と向き合っていた。
「理由を教えて欲しいな・・・・・・」
唯が今にも泣き出しそうな表情で、消え入りそうな声で呟く。
「俺は、唯のことは幼なじみとしか思ってなかった、異性として見ていなかったんだ。だけど、お前のことは大切だと思ってるよ。大切だからこそ、今のお前の気持ちに答えてはいけないと思ったんだ・・・・・・」
これが理由だ。
俺は、彼女のことを家族のように思っていた。
時には頼りになる姉、時には守ってあげたくなるような妹。
それが、正直な気持ちであった。
だから、彼女とは付き合うつもりはなかった。
「そう、だったんだ・・・・・・。ありがとう」
彼女はどこか嬉しそうにそしてどこか悲しそうに呟き屋上を去っていく。
「私も理由を聞いてもいいですか?」
一城さんは、静かな落ち着いた声で聞いてくる。
「はい。俺は、一城さんのことを全然知らないんです。喋ったのだって今日が初めてだし・・・・・・。だけど、一城さんが真剣な気持ちで自分に思いを告げてくれたのはわかりました。だから、俺は軽い気持ちであなたの思いに答えてはいけないと思ってたんです」
俺は、自分の考えを口にする。
彼女は、笑顔で俺の言葉を聞いていた。
「やっぱり、貴方は優しいですね。ごめんなさいね、呼び出して・・・・・・」
彼女は、俺にそう呟き屋上を後にしていった。
「はぁ~~」
俺は、家に帰る直ぐにベッドへと飛び込み、大きなため息を溢していた。
美少女から告白されたのだ嬉しくない訳がない。
二人の気持ちを断った罪悪感もあった。
「俺が、幸せになる資格なんてないのにな・・・・・・」
だが、それ以上に心を縛るものはあるのだった・・・
前回の後書きでいつ追い付くのかとかいってましたが最初から追い抜きましたね・・・
読んでいただきありがとうございます。
次話は明日投稿させていただく予定です。
宜しくお願いいたします。