妹との買い物
更新しました。
宜しくお願いいたします。
「で、何を買うんだ?」
俺は妹とショッピングモールに来ていた。
「色々、あんたと違って色々必要なのよ」
鈴音は不機嫌な声で呟く。
「それじゃあ、ささっと回ろう。で、飯食って帰ろうぜ」
俺は妹に告げる。
彼女は俺の言葉に頷き動きだした。
「よろしければ試着いかがですか?というかしてくださいお願いします」
一店目、店内に足を踏み入れると女の店員さんに声をかけられていた。
ここまで歩いて来る途中、男女問わず多くの視線を向けられていた気がしていたのだが気のせいではなかったらしい。
元読者モデルとはいえ店員さんにお願いされるとは・・・
「この服、試着してみてもいいですか?」
鈴音は店員に確認した後、その服を持って試着室に向かう。
店員さんはそこで俺の方に近づいてきた。
「可愛い彼女さんですね。周りの人から大層羨ましがられるんじゃないですか?」
「え~と」
俺は兄妹と言った方が良いのか少し思案する。
もし、店員さんが鈴音の気に入らないことを言ってしまったら家に帰ってから怖いので訂正することを決める。
「彼女じゃないですよ。兄です」
俺は告げる。
「へぇ~、妹さんなんですね。失礼かもしれないですけどあまり似ていないのでお付き合いされてるかただとばかり・・・・・・」
確かに俺と妹の容姿はあまり似ていない。
というか同じ所がほぼ無い。
客観的に見て母はかなりの美人だった。
そこを受け継いだのが妹だった。
「似ていないというのは良く言われますよ」
俺は店員に苦笑しながら答えて鈴音がいる方へと向かう。
「もう少しかかるか?」
俺は試着室内の鈴音に声をかける。
店員さんが話かけてくれたことで少しはマシになったものの周囲の女性客の視線が集まっていたので早くここから立ち去りたかった。
「今終った」
彼女は一言呟きカーテンをあける。
そこには白いワンピースに身を包んだ妹がいた。
一言で言うと物凄く似合っていた。
女性の服のことが良くわからない俺にはこれしか言えなかった。
「どう、かな?」
鈴音は遠慮がちにどこか不安げに訊ねてくる。
「あ、え、えーと、似合ってると思うぞ?」
俺は彼女から視線を反らしながら答える。
「あ、ありがと。じゃあこれにしようかな・・・・・・」
感謝だけ告げられカーテンを閉めてしまう。
後半は小声で呟かれたため何を言ってるかは理解できなかった。
「それから数分後、鈴音は来ていた服を購入して店を出た」
店を出る間際、
「やっぱり、彼女にしか見えませんよ?」
と店員さんに小声で言われたのだが、鈴音は妹でそれ以上でも以下でもないので意識するようなことを言わないで欲しいと心の中で呟いていた。
「荷物持つよ。まだ行きたい店あるんだろ?」
俺は彼女の荷物を持って他の店へと向かった。
「疲れた~~」
二時間後、買い物終了と同時に音をあげていた。
やはり、女性物のお店に行くとお客さん達に視線を向けられるのは辛かった。
「あ、ありがとうね」
鈴音は一言だけ呟きジュースを飲む。
俺達は晩御飯を食べるためファミレスに来ていた。
「あ、電話だ。ちょっと外行ってくる」
俺は鳴ってもいない電話を握りしめ外に出る。
鈴音が座っている場所から見えない位置まで移動すると自分に出せる精一杯の低い声で呟く。
「誰だ?ずっと後を付けて来ていただろ?」
俺は途中から誰かの視線を感じていた。
他の人達の(恐らく鈴音関連の)興味の視線では明確な殺意のこもった視線だった。
ファミレスに入った後、この位置に身を潜めた気がしたので様子を見に来ていた。
ガチャという何かが壁にぶつかった音の後に誰かが走りだす。
「おい、待て」
俺は叫び追いかける。だが、逃げた誰かが人混みの中に消えてしまい見失ってしまった。
「(たぶん、男。恐らく鈴音か、警戒しとこう・・・・・・)」
俺は心の中で呟きファミレスに戻る。
鈴音とはファミレスの中ではほとんど喋ることなく食事を終えた。
服屋や家では鈴音が気を使ってくれたお陰で静かにはならなかった。
だけど、それは彼女の優しさだ。
俺から話を振らないといけなくなると無言になってしまう。
恐らく、このヒビの入った関係に向き合うには、治すのにはもっと時間がかかるのだろう。
この後、何事も無く無事家にたどり着いた。
初日の夏コミに行った皆様、お疲れさまでした。
自分も行ったのですがあまりの暑さに熱中症になるかと思いました。
皆様は大丈夫でしたでしょうか?
二日目、三日目に挑む方、水分補給をしっかりして体調を崩すことなく夏コミを楽しんでもらえればと思います。
水分、大切、絶対!!
*肌の白い方、日焼けにご注意ください
日焼け止め忘れたことに絶賛後悔中の松輝より
次話は明日更新の予定です。
宜しくお願いします。




