妹再び
更新しました。
宜しくお願いいたします。
「なぁ、一城さんや唯は夏休み何処か行ったりすんの?」
俺は帰り道を歩きながら訊ねる。
「私は家族と海外に・・・・・・。宮内さんは?」
一城さんは答えると唯に問う。
「私は特には・・・・・・。澪は?」
「俺も何処も行く予定はないな」
俺は答えながら道を歩く。
明日から学校が休みになると思うと嬉しいような寂しいような気持ちになる。
「何処か皆で行きたいね~~」
唯が呟く。
「せっかくなので旅行にでも行きたいですね」
一城さんが唯の言葉に同調する。
「それじゃあ、皆で行くかい?」
突然後ろから現れた佑真がそんなことを言い出す。
「おい佑真、どこに行くんだよ?」
「旅行だよ。知り合いに別荘を持っている人がいるから相談してみようか?」
佑真は都合の良いアニメのキャラみたいなことを言い出す。
「えーと、俺はお願いしたいけど、どうする?」
俺は置いてきぼりになってる二人に聞く。
「私も、家族旅行と日程を外してもらえれば」
「私も行きたいけど」
「わかった。日程の候補が上がったらメールするよ。僕これから用事があるから先に失礼するね」
佑真は走り去っていく。
「なんか、行けそうだな旅行」
「「そうだね(ですね)」」
俺の言葉に二人は同意してまた帰り道を歩きだす。
道が別れるまで他愛もない話をしながら二人と家への道を歩いた。
「ただいま~~」
扉の鍵を開け、誰もいない家に挨拶をしながら靴を脱ぎリビングへと向かう。
「チッ、何であんたがいるのよ」
椅子に座る不機嫌な妹様が何故か居た。
家だからか結構ラフな格好をしている。
読者モデルをやってたこともある美少女なので露出の多い格好だと妹とはいえ少しドキッとさせられてしまう。
「何でってなここ俺の家だぞ?お前こそ何で帰ってきてんだよ」
「家出してきたからよ」
「はぁ?」
妹の言葉に間の抜けた返事をする。
妹にこれ以上聞いても教えてもらえないと判断した俺はいつも通りソファーに鞄を置き制服を脱ぎ始める。
「ちょ、何で脱ぎ始めてるのよ、変態!!」
鈴音は俺の行動に気付き顔を真っ赤に染めながら怒鳴る。
「兄妹なんだし気にすんなよ。幼稚園の頃は一緒に風呂に入ってただろ?」
俺はパンイチ姿で彼女に告げる。
「よ、幼稚園の頃のことでしょ、少しは気にしろバカ!!」
鈴音は読んでいたファッション雑誌を俺の方へと放り投げ部屋を出ていく。
「悪いな・・・・・・」
俺は呟くと私服へと着替え、宝物を隠してから妹を呼ぶ。
「着替えたからもういいぞ?」
「遅い」
鈴音はご機嫌斜めな声で呟く。
「悪いな。で、何で来たんだよ?」
俺は再び妹に問う。
「家出してきたって言ってるでしょ。それと、暫くこの家に泊まるから宜しく~~」
鈴音はそれだけ言い残し自分の部屋へと戻っていく。
「はぁ~~」
俺はため息を溢しながらスマホに電話番号を入力していく。
「お久しぶりです」
『あなたからかけてくるなんて珍しいじゃない?』
電話の相手は祖母だ。
「鈴音がこっちに来てるんで一応連絡しておこうと思って」
『やっぱり。そっちに行ってると思ったのよ。で、鈴音は何と言ってるの?』
「暫く泊まると・・・」
『わかりました。貴方に一つだけ、もし、鈴音に手を出したら貴方を消しますから』
祖母は最後にそれだけを言い残し電話を切った。
「妹だぞ、出す訳ないだろ!!」
俺は聞こえないと知りながら祖母に向かって叫んだ。
☆☆☆
「はぁ~~~、風呂に入るか」
夕食の準備を終えた俺は先に風呂に入ろうと風呂場へと向かった。
「あっ」
風呂場の扉を開くとちょうど服を脱いでいる鈴音と目があった。
鈴音がいることを忘れいつも通り何の警戒も無しに扉を開いてしまった。
そこまで考えた直後頭が真っ白になる。
鈴音の白い素肌や成長途中の胸が視界に入ってきてしまう。
一通り彼女の裸を見て、
「(ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい)」
頭の活動が再開する。
よく、漫画やラノベの主人公などがこういう場面に遭遇する。
だが、現実で自分がいざその場面に遭遇すると何をどうしたら良いのかわからなくなってしまった。
何か参考になる主人公達の言葉を全力で探す。
二秒後、答えは出た。
「ご馳走さまでした!!」
口に出して気づいた。
うん、間違えた。
「変態!!」
俺は鈴音に殴られ壁に頭をぶつける。
走り去っていく妹の足音を聞きながら俺はゆっくりと意識を手放した。
台風凄いですね・・・・・・
まぁ自分は一日中家にいたので被害はなにも受けていないのですが。
さて、次話は明日更新の予定です。
もうそろそろ話を動かさなければ・・・・・・




