文化祭~出し物決め~
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宜しくお願いいたします。
「文化祭についての話し合いを始めるぞ」
伊藤先生は授業開始のチャイムが鳴ったのと同時に告げた。
クラスから歓声が上がる。
この学校の文化祭は他の高校とそこまで変わらないと思う。
食品、舞台、展示の三種類の内のどれか一つを出し物を選ぶことができる。
部活が参加するかどうかは自由。
文化祭は三日間で行われて、一日目は生徒、保護者のみの解放。二日目、三日目は一般解放となっている。
「それじゃあ、文化祭のクラス代表をやりたい人はいるか?」
クラス代表とはまぁ、名前の通りである。
文化祭委員は文化祭の運営がメインの仕事である為クラスの方にはあまり参加できないらしい。
「はい」
唯が手を上げた。
彼女はこういうことをやりたがる性格ではないので正直意外だ。
「他にやりたい人はいないか?いないな。宮内さんにここからの進行をお願いしてもいいか?」
「はい。皆、宜しくね。最初に何をやるか決めたいと思うんだけど意見はあるかな?」
唯が話し合いを進めていく。
「私、演劇やりたいです」
一人の女子が意見を出す。
「演劇か~、面白そうだね。他に意見はある?」
「俺、食品でメイド喫茶やりたい」
一人の男子が発言する。
完全に己の欲望である。
女子からサイテーと言う声があがる。
ここからクラスの議論は白熱した。
非リア充男子率いるメイド喫茶組と女子率いる演劇組が対立していた。
両者が一歩も引かない理由は
メイド喫茶組
『メイド喫茶は男の夢である』
『一城さんと宮内さんのメイド服姿見たいじゃん』
である。
演劇組
『クラスの美男美女を有効活用したい』
『一城さんのお姫様姿と佑真君の王子様姿が見たいんです』
である。
気持ちは分かるが互いに対して本音は変わらない。
これ、佑真が執事をやるっていったらメイド喫茶になるんじゃないか?
俺はそんなことを考えながら話し合いを見守る。
最初はノリノリだった伊藤先生も今では角で居眠りを始めている。
唯も少し表情に苛立ちが現れている。
その後、十分程話し合われたが決まりそうにないと言うことで多数決でどちらにするか決めることとなった。
そして、
「はい、一年A組の出し物は演劇となりました。拍手~」
唯が疲れた様子で決まったことを告げた。
人数で押せば勝てると考えていた男子達が呆然と結果を受け入れた。
確かに男子の方が人数が多いのだが楽をしたい男子(出演者以外は準備のみの為)とクラス内に彼女がいるリア充男子(恐らく自分の彼女のメイド服姿を他人に見られたくなかったのだろう。もしくは尻に敷かれているのか)が演劇組に票を入れたため夢は敗れた。
「じゃあ、後は今日の抽選しだいだな。十分後に帰りのホームルーム始めるから用意しときな」
伊藤先生は話が纏まったのを確認してから教室を後にする。
この日の放課後、抽選の結果俺たちのクラスの出し物は演劇と正式に決定した。
俺はどちらに手を上げたかだって?
そんなのメイド喫茶に決まってるだろ?
だって・・・唯と一城さんのメイド服姿は見たいじゃん。
二人にご奉仕されてみたいじゃん・・・・・・
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多くの方に読んでいただけて光栄です。
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次話は明日投稿の予定です。
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