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放課後デート

更新しました。

宜しくお願いいたします。


 俺は唯と駅の方向に向かって歩いていた。

 学校を出た直後、手を繋いできた。

 恥ずかしさのため振りほどこうとしたのだが、上目遣いで「ダメ?」と言われ諦めた。


「二人でこうやってどっかに行くのも久しぶりだね」


 唯は上機嫌で告げる。

 たしかに、唯と二人でどこかに出掛けるのは久しぶりだ。

 たぶん、唯に告白されてからは初めてだろう。


「そうだな。ま、高校になってから忙しかったし仕方がないだろ」


 俺は答えながら空を見上げる。

 今日はテスト返しで午前授業だったためまだ全然明るかった。

 ま、昼だから当然だけど・・・・・・


「そういえば、体育祭で鈴音ちゃん来てたよ」


「あ、ああ。話したよ」


「そうだったんだ。でも良かったね久しぶりに会えて」


「そうだな・・・・・・」


 俺は唯の言葉に笑顔を作りながら答える。


「やっぱり・・・・・・」


 彼女は暗い表情で何か呟く。

 だが、一瞬で元の笑顔の戻す、


「あのさ、駅前にオススメの喫茶店があるんだけどそこに行ってみない?」


 唯は笑顔で告げる。


「え、ちょっと待て。駅前?喫茶店?」


 俺は唯の言葉に引っかかる。


「うん。ケーキが凄く美味しいんだ」


 うん。ヤバいね。バレたら死ぬかもね。


「お、俺、コーヒー飲めないし、喫茶店じゃなくてファミレスでも行かない?俺、ご飯、食べたい。Ok?」


「別にいいけど、なんか怪しいね」


 流石幼なじみ、鋭い。


「奢ってやるから早く行こうぜ」


「マジ?ヤッター」


 彼女は満面の笑顔を咲かせファミレスへと急ぐ。

 

 誤魔化せて良かった。

 俺はそう思いながらファミレスへと向かった。


☆☆☆


「食べた~~」


 ファミレスにて、私は奢ると言ったことを本気で後悔していました(まる)


 俺は目の前に並ぶ皿を見ながらため息を溢す。

 彼女は一人でハンバーグセット三人前をペロリと食べてしまった。

 二千円なーりー


「ねぇ、何で鈴音ちゃんに会ったり、名前を出すだけで苦しそうな顔をするの?」


 唯は突然そんなことを言ってきた。


「何言ってんだよ?何で鈴音()に会うのを嫌がる兄がいるか?」


 俺は動揺を隠しながら告げる。


「嘘。幼なじみを甘く見ないで。ずっと澪のことを見てきたんだよ。澪が苦しんでるのは分かるよ」


 彼女は答えるまで逃がさないという意思を宿した目を向けてくる。


「苦しむ?何言ってんだよ?」


 俺は唯から視線を外しながら言う。


「ちゃんと答えて!!」


 彼女は静かに、だが、強く告げてきた。


「チッ」


 俺は舌打ちをしてしまう。


「こっちを見て!!」


 彼女は両手で俺の顔を押さえる。


「私はもう嫌だよ。澪が苦しむのも。澪が苦しそうにしてるのを見るのも。お願い、教えて」


 唯の言葉は今にも消えてしまいそうなほど弱かった。

 だが、俺は理由を答えられない。答えたくない。

 だけど、


「俺が父さんと母さんを・・・・・・鈴音の両親を殺したんだよ・・・・・・」


 答えてしまった。

 何故か言葉が口から溢れた。

 自分が今どんな表情をしているのか分からない。

 唯は唖然としていた。

 何も言えなくなっていた。

 俺達の両親が亡くなったことは誰にも話していなかったからその事に驚いているのかも知れない・・・・・・


「悪い、俺もう帰るわ」


 俺は席を立ち上がりお金を置いてファミレスを去った。


 家に帰った後、鳴り響く携帯の音を布団に潜り耳を塞ぎ聞こえないようにしながら涙を流し続けた。

さて、唯さん澪の本音に近づきましたが・・・

唯さんのターンはもう少し後になりそうですね。


 さて、デート回でありながら後半少し暗くなってしまい申し訳ないです。

 唯の活躍を待っていた皆様本当にごめんなさい。

 

 投票してくださった方々ありがとうございます。

 まだまだ受け付けておりますのでよろしければ投票の方宜しくお願いいたします。


 ブックマークがもうすぐ400を越えそうで今か今かと待ち望んでおります(笑)


 


 次話は明日更新の予定です。

 宜しくお願いいたします。

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