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留年!?

更新しました。

宜しくお願いいたします。


「篠原君、君、留年するよ?」


 俺は担任の伊藤先生に呼び出されていた。

 真剣な表情で見つめられ身構えているなかでそれは語られた。


「り、留年ですか?」


 俺は伊藤先生の言葉を信じられず呟く。


「うん。君、前回の自分の点覚えてる?」


 伊藤先生は鬼の形相で告げる。


「え~と、国語11点、英語13点、物理18点、化学9点、生物8点、英語表現8点、世界史15点です」


「一つ忘れてるよね」


 伊藤先生は笑顔で告げる。


「数学0点です」


 俺は一番思い出したくなかった教科の名と点を告げる。


「俺は初めて最初のテストから0点を取るやつを見たよ。よくこの学校受かったな」

 態度も口調も教室での先生と変化する。


「自分も不思議で仕方がないです」


 俺は変化をあまり気にせず開き直り答える。


「開き直るなバカ!!」


 伊藤先生は言いながら俺の頭に拳骨を入れる。


「痛い!!体罰ですよ?」


「うるせー、衝撃を与えたら少しはバカが治るかと思ったんだよ」


 言いながら何かの書類を見つめる。


「でだ、お前が留年を回避するには全教科で50点以上を取るしかない。出来るか?」


 伊藤先生は俺の目を見る。


「ムリですね」


 即答した。


「俺に取っては全ての教科が異世界言語で書かれてるようにしか見れんのですよ」


 俺は理由を告げる。


「だよな、ということで教師面子に話を付けてきた」


「さすが先生!おれたちにできない事を平然とやってのけるッ

 そこにシビれる!あこがれるゥ!」


 俺はあまりの事態にテンションを崩壊させていると


「30点取れ」


 そんな俺をスルーして告げた。


「先生、退学届けは何処ですか?」


 俺は辺りを見回しながら先生に告げる。


「諦めるのが早いわ。とりあえず努力しろ。そうすれば何とかしてやる」


 伊藤先生は頭を掻きながら呟く。


「わかりました。やれるだけのことはやってみます。先生、短い間でしたがありがとうございました」


 俺は伊藤先生に告げて職員室を後にした。

 扉を閉めた瞬間、伊藤先生が深いため息をこぼしたように見えたのは気のせいではないだろう。



「何で呼び出されてたんですか?」


 教室に戻ると自習をしていた一城さんに声をかけられた。

 ちなみに、佑真は用事があるらしく、唯はテニススクールがあるので先に帰っていた。


「成績が悪いから次のテストで点を取らなきゃ留年するぞって言われた」


 ただあったことを告げる。


「前回のテストの点を聞いてもいいですか?」


 彼女の言葉に頷き得点を一つ一つ告げていく。

 一城さんは一教科聞いて幾度に顔をひきつらせて行き、最後に数学を聞いた時には無表情で冷たい視線を向けてきた。


 バカでごめんなさい。

 お願いだからそんな目で見ないでください。

 

「ハァ~~」


 一城さんは俺の表情から気持ちを読み取ったのかいつもの優しい目に戻り溜め息をついていた。


「で、何点を取ればセーフなんですか?」


「全教科30点以上です」


 俺はとぼとぼといった様子で答える。


「今日から丁度一週間後が試験・・・・・・今日からなら、いける」


 一城さんは聞き取れない小さな声でぶつぶつと呟きながら思案したあと


「篠原君、今日から一緒に勉強しましょう」


そう告げてきた。


「え?一城さんも自分の勉強があるんじゃないですか?もし大丈夫だとしても迷惑が・・・・・・」


 彼女の神のような申し出に俺は敬語で確認してしまう。


「私の方は大丈夫です。やりますか?やりませんか?」


 彼女は問う。


「やります!!お願いします!!」


 俺は即答した。


 こうして、俺の留年回避の為の試験勉強は幕を開けた。




 久しぶりに短めの回となりました。

篠原君の留年を賭けた戦いが幕を開けましたね。

 ちなみに、自分の高校では試験で0点を取ると強制的に単位を一下げられました。(経験者は語る)詳しい仕組みはよく分かりませんが・・・・・・

 

 ということで試験編スタートです。


評価、ブックマークの方いただければと思います。


次話は明日更新の予定です。

宜しくお願いいたします。

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