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打ち上げinカラオケ

 番外編一話挟みます!!


 俺達は体育祭の打ち上げを行う為、駅前のカラオケ店に足を運んでいた。


「おせぇーよ篠原」


 店内に入ると桜井が最初に声をかけてきた。

 

「今回の立役者が来たところで初めようぜ!!」


「はぁ?立役者?俺が?」


 桜井の言葉を聞き思わず呟く。


「そうだろ?お前が一年C組との試合で活躍してくれたお陰で体育祭の総合優勝を取ることが出来たんだから」


「俺の力じゃない、優勝出来たのは唯や一城さん、他の皆が違う種目で優勝してくれたお陰なんだから」


 俺は首を横に振りながら呟く。


「そうか、なら、お前のカラオケ代奢らなくていいな?」


 桜井はニヤニヤと笑みを浮かべながら告げる。


「主役は遅れて登場するもんだろ?許してくれよ~」


 今までの会話を無かったことにしようとつとめる。


「よし、それじゃあ早速部屋分けをしよう」


 佑真はそんなやり取りを続ける俺達に微笑みながら全員へと声をかける。


こうして打ち上げは開始された。




 くじ引きで部屋分けを行った結果、俺は女子五人の中に男子一人という部屋分けとなった。 


 クラス委員の生徒が曲を歌う中、


「ねぇ、篠原君って一城さんと宮内さんどっちと付き合ってるの?もしかして二人共?」


一人の女子が俺に聞いてきた。


「あ、私も気になる。ねぇ、教えてよ」


 その言葉を聞きもう一人の女子が俺にグイグイと迫ってくる。

 距離が近い。

 自然とその女子の大きな胸に視線が向きかけるが本能に抗いながら視線を前に向け告げる。


「どっちとも付き合ってない」


 俺の言葉を聞くと直ぐ傍にいた女子がさらに距離を詰めてくる。


「じゃあさ~、私と付き合ってよ。サッカーしてる姿見たら惚れちゃった」


「え、ずる~い。篠原君、私となんてどうかな?」


 話していた二人の女子だけでなく他の女子にも迫られる。

 今までこんなことはなかったので思わず顔が熱くなる。

 少し離れた所ではクラス委員が白い目で俺を見ている。

 ・・・・・・頼むから助けて。

 女子は集まれば集まるほど怖いそう思い始めたとき、


「ヤバい・・・・・・」


一人の女子が扉の方を見て呟いた。

 俺も釣られてそちらに視線を向けると、引き吊った笑顔を浮かべる唯と無表情の一城さんがこちらを見ていた。


「どうぞ」


 クラス委員が扉を開ける。


「ねぇ、これどういうことかな篠原君」


「・・・・・・」


 唯は俺に声をかけるが一城さんは完全に無言である。

 ちなみに、唯が俺のことを名字呼びする時は完全にキレているときだ。


「え、え~と」


 俺はあまりの恐怖に言葉を詰まらせる。


「ご、ごめん冗談冗談」


 女子の一人が言いながら俺から距離を取るとそれに従うように他の者も離れていく。


「そ、そうそう。みんな俺のことをからかってただけだよ」


 俺は喉が渇いていくのを感じながら告げる。


「「・・・・・・」」


 二人は無言で俺のことを見つめ、暫くした後に去っていった。



「「「「ふぅ~~~」」」」


 二人が去った後、俺達は安堵のため息を溢した。

一城さんと唯の脅威が去った後、俺達はただただ歌い続けた。



 打ち上げ開始から一時間後、メンバー替えの為再びくじ引きが行われた。


 そして、新たなメンバーは俺を含めて全員男、しかもサッカーで同じチームだった奴らとなった。

 チームメンバー全員は定員の問題からも集まらず佑真含む数人は違う部屋となったが・・・・・・


「でよ、どうやって白雪姫と言われていた一城さんを落としたんだ」


 桜井が俺に問いかける。


「分からない」


「はぁ?分からないだ?」


 俺の言葉に苛立ちを隠さずに告げる。


「突然告白されたんだよ」


 告げた瞬間、俺は自分のした失態に気づいた。

 だが、既に言葉(爆弾)は放たれた。


「お、おい。告白されたってどういうことだよ?」


 サッカーでキーパーをしてた田中が驚きながら俺に問う。


「呼び出されて告白された。以上、終わり」


 俺は焦りながら告げて話を強引に終わらせようとする。


「わかったよ、じゃあこれだけ教えろ」


 桜井はそう言いながら言葉を続ける。


「お前は告白されてなんて答えた」


「一城さんのことをよく知らないから付き合えないって答えた」


 俺は超簡略化した理由を告げる。


「「「「お前、バカだな」」」」


 部屋にいる全員の声が重なる。


「一城さんだぞ、あの容姿だぞ。いったい何人が突撃したと思ってるんだよ」


「だけどよ~、あっちは本気で告白してきてくれたんだ。俺もちゃんとした気持ちで彼女に応えてやらないとだめだろ?」


「やっぱり、お前だわ」


 桜井は俺の言葉を聞き変な感想を漏らす。

 

 この時、桜井達は澪が一城さんに思いを向けられている理由をなんとなく理解したのである。



 この後も色々と部屋分けをした後、打ち上げの時間は残り二時間となっていた。



 そして、最後の部屋分けは唯、一城さん、佑真、桜井等を含むメンバーで大部屋で残り時間を過ごすこととなった。


「じゃあ、体育祭優勝を祝って乾杯!!」


「「「「乾杯!!」」」」


 俺は、今日初めて打ち上げぽいことをしていると思いながら飲み物へと口を付ける。

 この部屋分けになるまで唯と一城さんとの関係のことを聞かれ続けた為打ち上げという印象を全然感じなかったのだ。


「それにしてもさー、何で篠原はサッカー部に入ってないんだよ。あんなに上手いんだから入ればレギュラー間違い無しだぜ?」


 桜井がコーラを飲んでいる俺へと問う。


「サッカーするのに疲れちゃってさ」


 俺はコーラを一気に飲み干して告げる。


「ふーん、ちなみに何処の中学だったんだ?」


北西(ほくせい)中」


 俺の言葉に桜井が目を丸くする。


「え、全国に行った北西?」


「その北西」


 高校は私立の為少し離れた場所の高校に来ている為公立の北西中学から上がって来たのは俺、佑真、唯の三人だった。


「もしかして、一昨年突然消えた北西のエースって・・・・・・」


「澪だよ」


 俺の代わりに佑真が答える。


「まじか、篠原ってメチャクチャスゲーじゃん」


 桜井は言いながら目を輝かせる。

 なんか、ヒーローに憧れる少年みたいな目で見られてるんだが・・・・・・


「今度サッカー教えてくれよ」


 桜井は尻尾をブルンブルンと振る犬に見えてきた。


「俺なんかでいいならいいよ」


 俺は桜井に苦笑しながら告げる。


「ちょ、俺もお願いしていいか?」


 サッカー部のメンバーが俺に押し寄せる。


「あ~、わかったよわかった。今度な」


 俺の言葉にガッツポーズをしながら喜ぶサッカー部面子。


「それじゃあ、そろそろカラオケといこうか」


 サッカー部軍団が喜ぶ中、佑真の一声によりカラオケはスタートした。


「まずは私からだね~」


 呟きながら唯がリモコンを操作して曲を予約する。

 唯が選んだ曲はスキマスイッチの奏だった。

 普段の明るい姿が印象的な唯からは予想外な曲選だった。

 彼女は優しく綺麗な声で歌詞を紡ぐ。

 全員が彼女の歌声に聞き惚れていた。

 そして、気づいた時には彼女は歌い終えていた。

 

 唯に盛大な拍手が送られる。

 

 唯は少し照れながら次の人へとマイクを渡す。


「ありがとう」


 佑真はマイクを受けとる。

 既に歌を予約していたようで操作をせずに歌が流れ始める。

 佑真が選んだ曲はSMAPの世界に一つだけの花だった。

 佑真は彼のイケボを遺憾無く発揮して歌い終えた。

 一部の女子が顔を赤く染めて佑真を見つめていた。

 イケメンでイケボ、そしてスポーツ、成績優秀。

 非の打ち所が無い彼にまた新たなファンが生まれたようだった。


「サンキュー」


 俺は佑真からマイクを受けとるとflumpoolの君に届けを入れる。

 俺は歌い終えると一城さんにマイクを渡した。


「篠原さんって結構いい声してますね」


 一城さんはマイクを受け取りながら俺に告げる。


「ありがとう。お世辞でも嬉しいよ」


 俺は一城さんに感謝を告げる。


「お世辞じゃないんですけどね~」


 一城さんは何か呟きながらリモコンを操作して曲を選んだ。

 彼女が選んだ曲は西野カナのトリセツだった。

 正直、意外の一言だったが彼女は見事に歌いきった。

 男子の何人かが普段の一城さんとは違う声に聞き惚れていた。


 

「じゃあ次はアニソンで行こうぜ」


 一人の男子生徒の言葉で二週目のジャンルが決定した。


「僕から行こうかな?」


 佑真は秦基博のひまわりの約束を歌った。

 佑真の歌声に女子の何人かが涙していた・・・・・・


「私、アニソン(?)全然知らないんでこの曲で」


 次に歌ったのは一城さん。

 Supercellの君の知らない物語を歌った。

 彼女の綺麗な歌声とマッチしていて、感情移入してしまうところだった。


「澪、このアニメ好きだからこの曲にしよ~と」


 唯はそんなことを呟きながら曲を予約する。

 周りの男子から凄い目で睨まれる。

 唯の番が来たとき、俺は思わず硬直してしまった。

 彼女が選んだ曲はマク〇スFの挿入歌の星間飛行だった。

 彼女はいつもの明るい声で歌っていき、キラ☆という歌詞のところではアニメに出てくるヒロインと同じポーズをしてくれた。

 歌い終わった後男子から大歓声が上がった。

 佑真と桜井に関しては俺に親指をたててGJしてきていた。

 二人のキャラが変わる前に俺は自分の歌う曲を入れる。


「佑真、頼む」


 俺は曲を入れた直後佑真に呟く。


「やるのか?」


「ああ」



 そして、その曲の順番が来た。


「誰だよプリキ〇アの主題歌入れたやつは?」


 桜井が苦笑しながら告げる。

 俺は、曲が流れた瞬間に前の曲を歌ってた人からマイクを奪いとり、


「プリキュア、プリキュア」


熱唱した。

YES等を含む一部の部分は佑真にも歌ってもらった。

 歌い終わった後、唯はお腹を押さえて笑い、一城さんは必死に笑いをこらえようとするものの耐えれておらず、他の面々も大爆笑していた。

 桜井だけは苦笑いを浮かべていたが・・・・・・






 この後、みんなで盛大に楽しんだ後打ち上げは終わりを告げた。





 こうして、俺達は現実から目を背けていた。

 一週後に迫る定期考査から。

 

 今回は番外編でした。

 次話は本編に戻ります。

 また、長くなってしまった・・・・・・

 他の作者様に比べたら同じくらいもしくは短いのかもしれませんけど。


 さて、ここからは定期考査、夏休みと言う流れで進んで行きます。

 8月内で夏休み回は終えることができるのか?


 プリキ〇アに伏せ字したのに歌詞では何も隠さず・・・


曲名、歌手、歌詞を実名などでのせていいのかイマイチ分からないまま書いてしまったので訂正が入るかもです。


評価、ブックマークしてくださった皆様ありがとうございます。

 目に見える形で残ると作者のモチベーションが上がるのでとても助かっています。


次話は明日投稿の予定です。

宜しくお願いします。

 

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