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体育祭が終わり・・・


 体育祭から数日たったある日俺は屋上へ来ていた。

 今日は、体育祭の代休ということで午前授業だった。

 

 俺は、金本に呼び出されていた。

 本当だったら体育館裏で話す筈だったのだが体育祭の道具が置かれていた為屋上へと移動した。


「篠原、チームメイトが怪我をさせる為にサッカー選手としてやってはいけない事をしてしまって本当に申し訳なかった」


 金本が深く頭を下げる。

 

「相手選手故意で怪我をさせるなんて最低な事だ。本当に何て言ったらいいか・・・・・・」


 彼は頭を上げず呟く。


「金本、頭上げろよ」


 俺の言葉でやっと彼は頭を上げる。


「俺はお前のこと正直言って嫌いだがお前がサッカーに真摯に向き合ってるのはプレーからわかったよ。お前がやったことでも指示したことでもないんだからお前は謝る必要なんてねぇーよ」


 俺は本心を話す。

 彼は、相手チームの中でキーパーを除きただ一人ラフプレーを行わなかった。

 それに、一つ一つの技が練習によって気づきあげられているのは一目で分かっていた。


「でも・・・・・・」


「あ~もう。変なところで真面目だなぁ。あいつらのことを許せるかと聞かれた微妙だが、気持ちは少しはわかるつもりだよ。この学校のサッカー部はかなり強い。そ一年で次期レギュラーとか言われてチヤホヤされてたんだ。そんな中でいきなりサッカー部でもなんでもないやつに負けかけたらな・・・・・・」


 俺は彼に近づき、


「足はそこまで酷い怪我じゃないんだから気にするなよ。久しぶりにサッカー出来て楽しかったよ」


肩をポンと叩き屋上を後にする。


「篠原、約束は守る。本当にすまなかった」


 俺の背中に彼の言葉が届いた。




「許しちゃうあたり澪だよね」


 下の階では唯が俺の荷物を持ち待っていてくれた。


「ほんと、優しすぎますよ」


 唯の後ろから現れた一城さんが笑顔を見せながら告げる。


「そんなことねぇーよ」


 俺は呟きながら唯から鞄を受け取る。


「クラスのみんなは先にカラオケに行ってるよ。私達も行こう」


 唯はスマホで確認しながら告げる。


「打ち上げは13時からですよ早く行きましょう」


一城さんはそう言いながら俺の手を引く。


「一城さんだけずるいな~」


 唯は言いながら掴まれていない方の手を握る。


「二人とも恥ずかしいからやめてもらえませんかね?」


「「いや(です)!!」」


 こうして、俺達は打ち上げ会場であるカラオケ店に向かった。

 



 この日、俺達の体育祭は本当の意味で終わった気がした。

 

 


 



 体育祭編遂に終了しました。

 エピローグ的な部分でもあるので少し短めでした。


 次話の更新は明日を予定しております。


 もしかしたら、もしかしたら二話連続更新になるかもです。(期待はしないでください笑)


 それでは皆様、熱中症にお気をつけてお過ごしください。

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