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体育祭二日目


 翌日、俺達は種目ごとに分かれ作戦会議をしていた。

 

 俺達は、五種目中二種目を優勝、残りをベスト4以内で終えなければ総合優勝することが出来ない状況となっていた。


「最後まで諦めず楽しんでほしい」


 それが加藤駿介がクラスに向けて言った最後の言葉だった。


「みんなに大切な話があるんだ」


 佑真は作戦を話し合った後、最後にと前置きしてから告げた。


「澪を決勝戦まで温存したいと思う」


 佑真の言葉にチームメイト全員が困惑の表情を見せる。


「なんでだ?」


 サッカー部の桜井は佑真に理由を問う。


「決勝まで勝ち上がってくるだろう一年C組に勝つには澪が鍵になると思うからだ」


「分かった。みんなもそれでいいよな?」


 正直、俺は佑真の意見は反対されると思っていた。

 俺自身、最初の試合から出場するつもりであった。


「桜井・・・・・・」


 俺は彼の名を呼ぶ。


「何をしたいのか俺はわからない。だけど、お前が一人努力していたのは見てきているんだよ。だから、絶対に俺達が決勝戦まで勝ち上がってやる。代わりに決勝戦で一暴れしてくれや」


 桜井は笑顔で俺に告げる。


「ありがとう」


 俺は桜井に感謝しながら残りの時間を過ごした。


☆☆☆

 

 体育祭二日目は順調に進んでいた。


 女子の種目であるテニスは唯の活躍によりベスト8まで勝ち上がり今試合が行われている。

バレーボールは現在二回戦が始まるのを待っていた。

 

 男子種目のバスケはベスト4まで勝ち上がったが奮戦虚しく敗退。

 サッカーは現在準々決勝進出、試合待ち。

 

 男女合同種目のバドミントンは現在一回戦が行われていた。


 俺は唯の試合を見ていた。

 本来、団体戦を除きテニスの試合は応援が行われることはないが今回は体育祭ということもあり多くの者が声援を送っていた。


 試合は一セットマッチのデュース無しで行われていた。


 カウントは唯から5-0。恐らく、このサーブゲームをキープして勝利を勝ち取るだろう。


「15-15」

 

 審判がカウントを告げる。


 唯はトスを上げサーブを放つ。

 ボールはセンターへと吸い込まれるように飛んでいく。

 相手の選手はサーブのコースが良かったためボールをラケットに当てることしか出来なかった。

 しかし、ボールはフワフワとあがり唯のコートへと帰ってくる。

 だが、唯はいつの間にか前に詰めてきており、飛んできたボールをドライブボレーでコートに叩き込む。


「「「「うぉーーーー」」」」


 唯の流れるような動きに見ていた全ての生徒が声を上げる。


「さすがだな、唯は・・・・・・」


 唯の姿に見惚れながら俺は呟いた。

 彼女は幼い頃からテニスをしている。

 部活には入っていないものの外部のテニススクールに所属して活動しているのだ。

 

「30-15」


 彼女は構えボールを打つ。

 今度はワイドにボールを放つ。

 相手の選手はコンパクトなスイングでラケットに当てて深く返してくる。

 唯はしっかりと深い球を左右にコントロールして打ち返し、十回程ラリーが続いたところ、相手の球が浅くなった瞬間に距離を詰めてオープンコートにボールを打ち込む。


「40-15」

 

「ハッ」

唯はトドメと言わんばかりに声を出し今までで一番早く、キレるサーブをワイドに打ち込む。

 ボールはバウンドした直後唯の方から見て左に曲がっていく。

 相手の選手はボールに触れることが出来ず、試合は幕をおろした。

 

 俺は試合の勝敗が決した直後その場を去った。

 

 その後、唯は楽々勝ち上がり見事優勝していた。


 バレーボールも一城さんの活躍によって現在決勝戦が行われていた。


 そして、サッカーの方も無事決勝戦まで勝ち上がり俺の戦いが始まるまであと僅かとなっていた。

 対戦相手はもちろん1年C組であった。


 やっと体育祭二日目になりました。

 今回の話は短めでしたが次の話は長くなると思います。

 次回はいよいよ試合が始まります。 

 色々とサッカーのことを調べているのですが未熟な部分が多くあると思います。


ランキングが再び上がっていて嬉しかったです。

正直、再び上がっても15位以上には行けないと思っていました。

評価ポイント、ブックマークしてくださった方々ありがとうございます。


また、アクセス数もここ数日より増えていました。

 読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。


 次話は明日更新の予定です。

 宜しくお願いいたします。

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