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スコール  作者: aotohana
7/11

スコール


12月…


「何難しい顔してんの?」


美咲から声を掛けられて、我に帰る。


「ん…美咲は彼氏にプレゼント何あげた?」


金曜日…航の誕生日だったりする。

私はネックレスもらってて…だからなにかあげたいけど、思いつかなくて…悩んでた。


「誕生日?ん~、ケーキ作って、あと時計あげた」


ケーキ?作るなんてすごい。

美咲はこう見えて料理が得意だったりする。


「う~ん、あいつ時計するかな…」


また迷ってきた。

悩む私を見て、美咲はにやつく。


「空…なんだかんだ言ってうまくいってんだね」


美咲がそんなこと言うから、顔が赤くなってしまう。


「可愛い、空。先輩と付き合ってる時は、こんなことなかったもんね。キスもしてないとか言って」


……。


「あれ!?ごめん…触れちゃいけなかった?」



「先輩には、キスされた…別れてからだけど」



「え?そうなの?…やっぱドキドキした?」


ドキドキ?

するもんだって思ってた…けど、先輩の無理矢理なキスは気持ち悪くて、嫌で…



「無理矢理されたから、気持ち悪かった」


無理矢理?

ちょっ…声大きいよ美咲。私が慌ててしまう。



「ちょっと何それ…先輩、そんなことする人なの?いやマジびっくりした。」



「で…航くんとのキスは?」


!?


「航とって…」


キス…あの時、河原でされて以来してない。

あの時…航にだって無理矢理されてって…あれ!?

先輩と同じなはずなのに…


あん時、しかも長いキスで強引で…

けど気持ち悪くなかった。


「空…また可愛い顔してる」


真っ赤に染まった私の顔を見て美咲は吹き出す。


「空…航くんのこと好きなんだね」


好き?私が航を?…。





「航くん…ずっと好きで私…」


「悪りぃ…俺彼女今いるし、もう遊ばねぇから」


もう空を諦めなきゃいけねぇって思った。

他に好きやつを早く作りたくて、告白されたら付き合ってた。


けど空に似たようなショートの子を選んでて…

結局違うって好きになれなくてすぐ別れて…。


俺ひどいことしてた。


今はもうバカなことしない。

空の気持ちが俺になくても…。


空と付き合ってからも、こうしてたまに告られる。

以前は他人事のようだったのに、今は気持ちが落ちる。自分と重ねて見てるからかもしれない。





「え?断られたの?航ほんとにもう遊ばないんだ」


女の先輩たちから航って名前が出てどきりとする。


「残念…航めちゃくちゃキスうまいから…教えたかったのに」



……。何?聞きたくない、そんな話。





部活中…


遠くの水道のとこ…空と祐也先輩の姿。

何やってんだよ…俺助けに行った方がいいかって思ったのに…


空と先輩…笑ってる。


なんで…笑ってんだよ。





いつもより会話が少ない帰り道…


「空…今日俺んち来いよ」


「うん…」


今日は航の誕生日…ケーキも作って…楽しみにしてたはずなのに…



航の部屋…


「あの…航…今日誕生日だよね」


驚いたコウの顔。


「知ってたんだ」


「そりゃ、知ってるよ、一応幼馴染みだもん。今は…彼女だし」


コウの瞳が揺れている。

顔が近づいてきて…キスされた。

触れるか触れないかのキス…すぐ離れる。



「あとね…ケーキ作ったから…食べよう」


顔が熱い…。



「マジで?すっげぇ」


形…少し崩れてて微妙だったんだけど、航は喜んでくれて…そんな彼の姿を見てたら私も嬉しくなった。


「あの…でもプレゼントまだ迷ってて…なくて待っててね」


結局…あれこれ悩んでたらこれだって決められなかった。


「いいよ、なくて」


航はそんなこと言う。私があげたいのに…

そのまま近づいてきた彼の唇が私をふさぐ。



苦しくて…息が漏れる。

身体熱い…



「空…嫌だったら、俺のこと殴っていいから」


航のこんな表情知らない。

優しく私に触れる…探るように…どこか不安げで…。



彼が制服のリボンをはずして、隠すものがなくなると…私は恥ずかしさでたまらなくなる。



「そら…」


航の吐息が熱っぽい。

彼の誕生日…私たちは愛し合った。




少し眠ってしまったらしい。

まだ身体がなんかふわふわしている。


隣には気持ち良さそうに眠る航。

どうしよ…いきなりでびっくりしたけど…


嫌じゃなかった…。

ちょっと前までは、こうなるなんて考えられなかったのに…。寝顔がどこか幼くて…可愛い。



「航…好きだよ」





目が覚める。夢かと思ったのに…

俺の隣には空がいた。


眠ってしまって…外はすっかり暗くなってて、

慌てて着替えた。



「空…準備できた?送ってくから」





空は俺とこうなるの拒まなかった。

俺は今、空を自分のもんにして…どこか幸せで…どこか苦しい。


「なぁ、空…」



後悔してない?


「いや…なんでもない」



俺たちは黙ったまま歩く。

冷たい風がピリっと頬を撫でていった。



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