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「とかげのしっぽ 前編」

作者:蓮華
トカゲのしっぽが切れたとき、生える部分は同じかな?
 じめっと暑い梅雨の夜、弘と理子は出会います。
 互いの印象違えども、忘れることはできないで、各自の生活戻ります。
 家に帰れば妻の由美のダイナマイトが、ちっち、ちっちとカウント打って、優しい弘を脅かす。
 ビクビクおどおど、こんな生活もう嫌だ――とはいえないで、心の中に留めておいて、乾いた洗濯物を取り入れるとき、妻の由美が手洗いせえと背後で吠える。弘の給料ほんまに安い、と姑のサエが飛んできて、エラいことを提案しにきた。
 まだまだ続くぞ女の文句、痩せろにトロい、考え甘いデ、弘の存在ことごとく無視。
 一方その頃、理子は理子で、株に全てを捧げています。
 モニター睨んでマウスでカッチン、そんなことばかりしていたらつい、市場の一部になれました、亡霊みたいになりました。
頭の中は株でぱんぱん、細かく光る数字でいっぱい。
独りでずっといるのでね、人の匂いが消えている。
お金が増えても、欲がないので、自分のお金は減りません。
ますます増えるぞ理子の資産、一攫千金、夢じゃナシ。
だから家族にお家を買って、自分もマンション購入し、そこでひたすら数字入力していたら、兄の宗一郎が怒ります。
 どこにも行くな、そこへもあかん。
 ほんだらどっちに転べばええのんや。
 無口な理子はうなずくだけで、発言権は持てません。
 そこんところが弘と同じ。
 こんなもんだとあきらめて、白旗挙げれば忘れてもらえる、甘いといわれるゆえんだぜ。
 梟ホーホー鳴く頃に、ようやく再会できた二人のもとへ、理子の兄の宗一郎が、ミサイル掲げて突っ込んで、平和な時を潰しにかかって、さあどうする。
 まだまだ出てくる邪魔者たちが、逃げるトカゲを捕まえに。
 祭りに灯が点き明るくなって弘の心が晴れたとき、妻の由美が沸いてきて、ぷちんとしっぽを切るのです。
 途切れたところをじっと見つめて、弘は何を思うかな。
 伸びてく模様は違うかな。
前編
2014/09/10 19:00
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