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ありふれた人生に終止符を  作者: 雑音
プロローグ
9/10

「暑いのは嫌い」






それにしても暑い。

今日の気温は三十五度はくだらないだろう。

多分、人の多い教室では四十度近くまで上がっている事だろう。

申し訳程度につけられた扇風機は本当に申し訳程度だ。

まぁ、こうやって誰も使わない教室の扇風機は独占し放題なのだが。


「でもやっぱりつまらない」


私は物足りなさを感じていた。

何かないだろうか。

面白い事。


旅に出るにしろ、お金は必要。

不良になるにしろ、先ず身なりと身体づくり。


こんな田舎でド派手に暴れる不良などいない。

平穏で、平和で、良く言えば長閑、悪く言えば廃れた町などに若者が集まるはずもない。


若者は自然と若者がいる所へと集まるものだ。

それはもう、明るいネオンや人でごった返す繁華街に。


まともな交通手段としても、私鉄しかない。

それも、ちょっと大きい、県庁のある市へ行くくらいだ。


本当に何もない。


ぐだぐだと暇つぶしの方法を探してみるも結局、いつもの様に何も思いつかず、六時間目の終業のチャイムが鳴り響いた。














「あっつ…」


両親共働きの我が家は、八十坪という平均的な一戸建てである。

家のローンがあとどれだけとかは全く聞かされていないけれど、まぁ、普通に生活できているから、普通に普通の普通すぎる人生を送っている。


鍵穴に差し込んだ鍵を捻る。

ガチャリと鍵の開く音がして、開き戸を開けた。


瞬間、むあっとした空気が流れる。

が、外よりかはマシな空気だ。

それでも暑い事に変わりは無い。


今すぐシャワーを浴びたい。

寧ろ水風呂に漬かりたい。


そのまま身を沈めてしまっても構わない。

この暑さを凌ぎ、究極的に暇なこの時間が終わりを迎える事が出来るのであれば。


まぁ、小さな浴槽でおぼれるなど滅多にないだろう。

というか、そんなところで溺れるなど相当な金づちか、酔っぱらいか、年寄りしかできないはずだ。


その前に恥ずかしいし。


直ぐに部屋に直行し、何も入っていないカバンを抛ると、タンスから下着とTシャツ、短パン、タオルを持って風呂へ直行した。

無論、除湿と扇風機の電源を点けることも忘れずに。

クーラーは嫌いだが、除湿はしないとやってられない。

付属の除湿ではなく、本格的な除湿機(冷えない奴)が欲しいが、金銭的な事情があるため手に入らない。

親に言ったところで、特に必要ないと判断されるがオチだ。


お小遣いなんてものはない。


年初め、正月にもらえるお年玉が私の一年間のお小遣いだ。

それなりに、お菓子やジュースは買い与えられるのだが、それまでである。


「夏なんて消え去れ」


これが私の夏の口癖だ。




































はて。

このメアドは一体?


i.sekai.wos_uk-ue@ifdea.dend.ne.jp









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