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ありふれた人生に終止符を  作者: 雑音
プロローグ
7/10

「笑顔の作り方」




暑さにやられたのは私だけでは無いはず。

ただ一緒に居るだけのクラスメイトたちに目をやった。


チラリと一瞥しただけなのだが、一人の男子と目が合った。

朝の男子だ。

名前は知らない。忘れたと言うより、知らない。


一秒にも満たないその一瞬だが、目が合った瞬間、目をそらしたのは男子の方だった。


たまたま目が合って気まずくなり反らしたのだろう。

授業中、やっぱり暇な奴は暇なのだと私は思った。












「雪ちゃん」


「・・・・あーども」


「どもじゃないでしょ!朝、何で宮内君と一緒に来たの?」


休み時間に入り、五分という少ない時間で私にそう問うてくるのは席が離れており、あまり話したことのない女子。

あまり話した事が無いが、この女子は人懐っこい為、記憶にも残らないような私でさえもこうやって話しかけて来る。


しかし、気がかりなのは「ミヤウチクン」という人物だ。

その前に「朝」とついていたということは先程目の合った男子、だろうか。


「一緒というか、玄関でバッタリ偶然。そんで遅刻しかけて走った…ってな感じ」


「へーそうだったんだ。ね、雪ちゃんって宮内君のことどう思う?」


「どうって、別に、特には無いけど」


一体何なのだろうか。

じーっとこっちを見つめる目の前の少女に目を離したくもなるのだが、離せば逆になにか面倒な事になりそうだった。


「ふーん。ま、雪ちゃんだもんね」


「え、何が」


雪ちゃんだもんねって何がだ。


「んーん。何でもない!あ、ねね、雪ちゃんに相談が有るんだけどぉ」


「何」


「宮内君に、女子の好みのタイプを聞いて欲しいなぁ…なんて?」


「自分で聞かないの」


普通そういうものは仲の良い女子か、自分から聞くんじゃないだろうか。

それを何故、ほぼ話したことのない私に頼むのだろうか。


「自分だと、ほら、バレちゃうじゃん?でも雪ちゃんだとその心配がないっていうかぁ」


「ふーん。そういうものなの」


「うん。そういうものなの!」


いい笑顔で言って来る彼女。

いや、やっぱり自分で聞いた方が諦めとか、希望とかが生れるんじゃないか。


「そのミヤウチ君とはあまり話したことないから期待はしないで」


「うんうん!オーケーオーケッ!!ありがとね!報告待ってる!」


彼女は表情の変化が激しい様だ。

最初に話しかけて来た時には若干怒り気味だったのに、今では超ご機嫌な笑顔。


彼女は楽しいんだろうな。

そんな変化の著しい表情ができるのだから。


羨ましいとは思わない。

ただ、どうしたら今の生活を満足行けるように過ごせるのか、聞いてみたい。





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