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ありふれた人生に終止符を  作者: 雑音
プロローグ
6/10

「これは飛ばすべき」




泣きたいな。

いや、寧ろ鳴いていたい。


蝉のようにあれだけ鳴き叫んで、一週間という素晴らしく短く、あまり好まれない外見ながら人生は儚く美しいという命を終えてみたい。


唐突に思う事が有る。

時たま道路で見かける、人間によって無残に殺された動物の死骸についてだ。


人は人を撥ねた場合、それが過失にしろ故意にしろ確実に撥ねた側は処罰され「犯罪者」または「被疑者」、「容疑者」などと呼ばれることになる。

しかし、人が人以外の「生物」を撥ねた場合はどうだろうか。

誰も罪には問われ無い。当の本人が罪悪を感じるか否かはその本人次第であり、申告の必要が無ければ、自主したところでそれは意味が無い。

「罪」なのに、それは「罪」として処理され無い。

ある意味それは、「償いたい」のに「償うべき相手」が居ないということになる。

人は残酷だと思う。

人に対しては「平等」を考えるくせに、他の生きものには「保護」という対象とはなっていても、絶滅危惧種や天然記念物でもない限り、例え「殺」してしまっても罪に問われ無いのだ。

あまりにも残酷ではないだろうか?


うっかり目に入った小さな虫でさえ、その瞬間までは確かにあったのだ。

小さく、儚くも本能のままに生きていたはずの「命」が。




なんて、考える辺り、よっぽど頭が狂っているらしい。

くだらないことばかり考えるようになったのだろうか。

これは暑さによる、思考回路のフル回転か、停止へのラストスパートか。


いかほどにしろ、おかしくなっていることには違いない。


世の中の弱肉強食は残酷でありながら、それは食物連鎖を生むという素晴らしい循環を見せている。

生物の世界においてそれは必須というのか。

もし、弱肉強食の世界が無くなってしまったら…なんて考えた所で私には答えを導き出せそうにない。

「弱肉強食の無い世界」など確実に回らない世界だろう。

すぐに滅ぶか、再び「弱肉強食」が生れるか、だ。


己が生き延びるためのみを本能的に学び、進化し続ける。

それが生物であるのだろう。

人間の文化だって、日々進化し続けている。

人間はもともと何万年もかけて直立二足歩行や言語を手に入れていた。

しかし、今ではどうだ?

たった百年ほどで文明がひっくり返ってしまっている。

全ての生活で火が欠かせないことなんて言い切れることはない。

確かに未だ、火は重要視されており、火力発電から生れる電力はまだまだ必要である。

しかし、どうだろうか。

原子力どころか、今では太陽光や太陽熱さえ扱えれば自宅の電力を賄えたり、それを売ることもできるではないか。

そうなれば化石燃料など要らなくなってくる。

枯渇しそうだというなればそれを補うどころか移行できるものに変えればいいという、人間は進化を遂げる。

技術進化、技術革命は人間の得意分野だ。

人間は他の生きものと違い、言葉を発し、コミュニケーションをして思考を持ち、「考える」と言う事が出来る。


前に進みたがる人間の進化の賜物というべきか。


とりあえず私は、全てにおいて退屈させてくれなければそれでいい。

しかし、たった百年ほどのこの進化のしようは少々問題ではないだろうか。

例えばもし、まだ何の発展も遂げていない地球以外の星が見つかれば地球人はどうするのだろうか。



全く。

暑さでおかしくなっているというのはどうもバカの考えがダラダラと流れるようだ。


いや、実にバカらしい。

これは確実に意味が無い。




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