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ありふれた人生に終止符を  作者: 雑音
プロローグ
3/10

「遅刻なんて」



ご紹介が遅れて大変申し訳ありません。

私の名前は黒島雪。

夏生まれのくせに名前が雪という、とても不思議だが至って普通の中学二年生の女子。

ただ最近、現実逃避が多くなり、「二次元世界」または「異次元」、「異世界」に憧れている、軽い厨二病になりつつある者です。






「はよっす」


「…おはよ」


朝から爽やかな笑顔と共に挨拶をくれたのはクラスメイトの男子。


「何、朝からめっちゃ不機嫌じゃん。どうかした?」


「別に…特には何もない」


終業式まであと数日。

となれば夏休みまでもあと数日。


あと数日で学校とは暫くおさらばだ。

それまでがなんとなく憂鬱だ。

夏の暑い中登校し、もう何度も「くだらない」と思った授業を受けて、夏休みまで待つこの時間が。


無駄としか思えない。

どうして私たちは毎日を同じことしかしないのだろうか。

先週の金曜日と同じように、朝起きて、朝食の後登校。授業を受け、適当ないつものメンバー「いつメン」と話して、部活をせずに帰る。

一年生は絶対加入の部活だが、二年生では自由となったため、特に入る意味を見いだせなかった私はすぐに退部した。


「あ、やっべ。ホームルーム始まる。走るぞ」


「あ、ちょ」


ホームルーム始業の合図のチャイムが鳴り始めると男子が私を引っ張る。

だが、私は特に急ぐ気は無かったため、つんのめり、思いっきり引っ張られ、そのままこけるわけもいかなく、教室まで全力で走らされることとなった。

正面玄関から、北校舎まで約三十メートル。

そこから、北校舎正面入り口から右脇にある階段を二階分駆けあがる。

そして、二年生フロア最奥。

そこに私たちのクラス「2-1」がある。


チャイムが丁度鳴り終わった時にドアから駆けこむ私たち。

同級生たちは唖然とこちらを見ていた。

ああ、視線が痛い。


「どうっすっかなー」


出席簿とボールペンを持った先生が、こちらを見てにやにやしていた。


「え!今のセーフっしょ!ちゃんとチャイム終わると同時!マジ!」


先程の「どうっすっかなー」というのは私たちの駆けこみが遅刻かいなかの判断をしているようだ。


「いや、ほんのコンマ01秒チャイムの方が早かったな」


「うえ…マジないよーしげっち」


「しげっち言うな。ほら、席着け。今日はセーフにしてやる。心優しい俺様が許してやろう!」


「うわ!マジサンキュー!しげちゃん大好き!」


「しげちゃんも禁止だバァタレ。遅刻にすっぞ」


「勘弁!」


急いで席に座るクラスメイトの男子とは反対に特に急ぐ事も無く、普通に席に着く私。

「いつメン」の人以外から、やや冷たい視線が飛んでくるが特に気にしない。

気にしたところで意味が無い。

それよりか、私を引っ張った男子の方が騒いでいるため、私の行動から直ぐに目がそっちにいく。

だから、何も気にする事は無い。


そして、今日もまた詰まらない一日が始まる。






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