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ありふれた人生に終止符を  作者: 雑音
プロローグ
1/10

「あーつまんね」


「つまらない」


私がそう感じ始めたのは、中学校二年生の夏休み一歩手前の時だった。


産れた時から同じ場所に住み続けている私にとって、世界が広がらないことはとても不満だった。

田舎なうえに、なかなか土地開発もされない。

小さな商店街は時代とともに廃れ、それでも老人は増えていくばかり。

活気の無くなって行く街に飽き飽きしていた。


田舎町が廃れていくのと反比例して、都市や現代技術は発展途上を続け、小さなゲーム機が子供の心を奪って行く。

私が小さい頃には毎日のように響いてたはずの子供の声が今では聞こえない。

皆に忘れ去られてしまったかのような不気味な静けさが神社や公園を包んでいる。


小さな子供を抱えたお母さんがちょこちょこ来るくらいで、本当に、静かだった。




こんな小さな町を見続けて十四年。


私は本当に限界だった。

面白くない町。

詰まらない町。


というか、自分の人生がこれでいいのかというくらいに詰まらなさ過ぎて、飽きていた。

こんな詰まらなくて面倒くさい人生ならさっさと終わらせるのもありなのかもしれないなんて考えた事もあった。


暇つぶしのパソコンでさえ、最近では飽きていた。

毎日が同じ事の繰り返しで、何の変化も無い。


朝七時に起きて、朝食を食べる。

学校へ行く支度をしてから家を出る。

登校して、授業を受ける。

友達と呼べるのかも分からない、大抵、いつものメンバーで喋って終了。

部活をせずに帰宅。


帰宅後、パソコンの電源を入れて、じっと動かない。


これが私の一日。


詰まらないことこの上ないでしょ。

だから、私は何かがしたかった。

とにかく何でも良かった。

この詰まらなさ過ぎる人生に終止符が打ちたかった。




[詰まらない?何かに興味を持てばいいんじゃない?]


[中二病かて!高校になれば楽しいよ!]






「高校って、待てる訳無いじゃん」




人生が詰まらなさ過ぎて、人生を終わらせようと考えながらも死ぬのは嫌だなと言う考えに至った結果、とうとう私はある決意をした。



「よし。旅に出よう」




中学生の私が至った決意。


それは自分がこの詰まらない世界から逃げる事だった。




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