奈々子〜美が敵〜No.1
「奈々子さんのことが好きです。fiveの誰よりも、世界中の誰よりも好きです。だから、付き合ってもらえませんか?」
相変わらず、真面目君しか寄ってこない。タイプじゃないのに。はっきりいって、重くてキモくないか??
「気持ちは嬉しいんだけど…。ごめんなさい。私、真面目君はNGで…。他の人にお願い!じゃっ♪」
事実だし、という彼女の様な考えているようで考えていない性格の人が大勢いるから、真面目君が傷付き世の中の自殺者が増えているのではないのだろうか?
「奈々子、余りにもキツすぎません!?特に今回は…。コクられるのに飽きちゃった感じ?」
fiveの中でも仲良しの恋がお決まりのツッコミをいれてくる。
「んー…。ナルじゃないけど飽きたかもね。でも、あっちもいつもの奴等よりキモかったしいんじゃない?」
奈々子が彼に釘を刺す。
勿論、とは言わないがfiveにはファンクラブと呼ばれるものが存在する。ファン数が最も多いとされるのが、奈々子なのである。ちなみに次点は林檎である。(功がいるが全くもってお構いなしである。)今回コクった彼は、奈々子のファンの中でも1位2位を争う、熱烈なファンだったのである。
「あいつの噂って確か、あたしのストーカーとか言うじゃん??少なからず、しつこいファンらしいし。あー、怖い怖い。いやだ寒い。」
「自分でファンとか言えるって奈々子、凄いね…。」
当然恋もモテまくりだが、5位という結果である。奈々子は美貌が半端ないし、林檎はスタイルがいいし副会長、3位の結愛は賢く、舞はプロ顔負けのピアニスト。文化系の中でも画家系の恋はそれ故の順位というわけだ。それでも、3位以下の順位は誤差10人程度だが。
「奈々子、でもそういうやつなら特に仕返しとかしてこない??マジでストーカーされたら、殺されちゃうよ?」
その顔に真剣さなど微塵もない。むしろたくましい(?)微笑みが浮かんでいる位である。
「ヤバー♪大丈夫!きっとあいつが助けてくれる!!」
あいつとは、不良の関根保である。最近告白され、両想いだが、奈々子にフラれた哀れな野郎である。
「保??てかなんでフッたの?」
「弟みたいだから!!片想いがいーの♪好きだけどね♪」
これぞ、美人の奈々子、唯一の欠点。男の趣味が悪く、恋愛感覚がおかしい、という点。もったいなすぎる彼女である。
「奈々子おかしすぎ。」
今年の文化祭で奈々子(と恋が正確である)は勿論重要な客寄せであり、ダンパ出場も検討されている程だ。保は3組ではなく2組で、しかもタバコの影響で、ルックスのいい、健康的な体とは決して言えない人である。その為ダンパでは、自由に踊れるフリータイムでしか、踊ることができない。多分奈々子は無理矢理ペアを組まされるだろうから、フリータイムでも無理であろう。
ダンパやペアダンスと言っているが、正式名は「男女ペアカップルダンスパーティー」である。最優秀カップル賞(一組)、優秀カップル賞(各学年一組)、毎年あるとは限らないが、プロ審査員特別賞(数に指定はない)というのがある。ちなみに、功&林檎は、全ての賞を受賞している。これは今までで1度だけ…つまり功&林檎だけしか受賞していない。今年は特にメイン中のメインとして、最高潮に盛り上がっているこのダンパ。各クラス3組まで出場することができる。勿論本当のカップルじゃなくても出場できる。そのせいで、最優秀カップル賞を狙う3組は奈々子、恋を出場させようとしているのである。
「「私は出ない!」」
二人して頑なに拒否している。我執を捨てるわけにはいかない二人。
奈々子のいいところは自分を安売りしないこと。
今まで神と言われてきた奈々子だが、彼女にとってそれは苦痛で苦痛で堪らなかった。




