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VRMMORPG 「7th world」

VR-MMO-RPG-GAME

作者: 尚文産商堂

頭の固い制作者の人らが仮の名前として名付けた名前がどうやら「大規模仮想空間複合現実型多人数同時接続式電子計算機遊戯」という名前らしい。

簡単にいえば、VRMMORPGゲームのことを言っているそうだ。

だが今では、7th World という名前で売られている。

20**年の4月1日に、1980円で販売開始された、史上最も売れたオンラインゲームだそうだ。

PCにソフトをインストールした後、付属している眼鏡とヘッドセットを装着する。

すると、あたかも自分がその場にいるような感覚が味わえるという。


俺は、クリスマスプレゼントとして、やっと買ってもらった。

これからさっそくしてみたいと思って、箱を開けて、中から説明書通りにブルーレイディスクとゴーグルとヘッドセットがあることを確認して、パソコンにディスクをセットする。

そしてインストールを手順通りに行って、やっとID入力までたどり着いた。

IDは、箱の説明書の中に印字されているものを打ち込んでいく。

これは仮IDで、正式なものは中に入ってから決定することになるそうだ。


インストールが終了し、ゴーグルとヘッドセットを自分につけて、椅子に深く座る。

これからゲームを終了するまでの間は、ずっとこれらをつけっぱなしにする必要がある。

体は現実世界にあるため、無駄に動かれても困るということから、ヘッドセットに電極がつけられており、そこから微弱な電磁波を絶えず放出し、現実世界で体が動かないようにするためだそうだ。

だから、あらかじめ退出時間を設定することも可能となっている。

その場合は行動が制限されることになるが、仕方ないだろう。

俺の設定時間は、入りたてのため標準の1時間半となっていた。

最長で24時間連続して入ることが可能になっている。

また、一度退出すると30分は再入出ができないことになっているそうだ。

これは、微弱な電磁波による脳の損傷を抑える最低限の時間で、長ければ長いほど問題がないとされている。


俺はそのあたりの説明を全部目で追いながら、全て承諾することにする。

目の前には二つの扉があり、左は承諾しない、右は承諾するとなっている。

俺は迷わず右の扉を開けた。

そこには、女性が、白い服を着て立っていた。

「新しい人ですね。ようこそ、セブンスワールドへ。私はナビゲーターのエイトです。どうぞよろしくお願いします」

俺は答えないでエイトを見ていた。

見た目、20歳ほどのどこにでもいるようなブルネット、長髪の女性だ。

「さて、この世界は7つの世界に分かれています。ここは、その枠外にある、(はじ)まりの世界。最初に、このゲームのメカニズムを紹介します。ついて来てくださいね」

ここはオートのようだ。

何も考えなくても、自動的に体が動いていく。


「このゲームは、炎氷水空土白黒の7つの世界が確認されています。それぞれは、一定のレベルになれば「監理」より宅急便で届く鍵を用いることによって、自由に行き来することができるようになります。その時には、またお知らせすることになります。監理というのは、この世界で使用される称号の一つで、全ての世界を知っている人のことを指します。まあ、私がそうなんですけどね」

エイトは俺に笑いかけてくれながら、先ほどとは別の扉をくぐると、そこは一面の草原だった。

だが、一抱えほどの大きさの7面ダイスが円形になっている空き地においてあった。

「さて、ここであなたが進む世界を決定します。そのサイコロを振ってください」

俺はサイコロを抱えて、空き地の真ん中めがけて投げつけた。

ポンポンと何回か跳ね、空き地の外に出ようとすると壁のようなものに遮られて、そして、空き地の真ん中で止まった。

「あなたが出した目は3でした。なので、水世界へとご案内しましょう」

エイトは空き地の向こうに水色をした扉を出した。

「こちらへ来てくださいね」


扉を抜けると、そこは小さな町だった。

「水世界の「始まりの町」と呼ばれる街です。ここでは、この世界に慣れていただくために、一定のチュートリアルをしていただきます。まずその前に、こちらへ来てください。宿の手配をしていただきます」

連れてこられたのは、3階建てぐらいの比較的大きめなホテルだった。

「宿というのは、その場での活動の拠点となるところです。どのような場所にでも、宿というのが存在し、そこにチェックインすることにより、ログアウトすることが可能となります。なお、ログインはその宿の部屋から自動的に始まり、大きな町では、クエストの依頼が個人に対して行われる場合があります。宿の中では、一切の戦闘行為ができません。なお、ギルドの仮眠室を宿として使うことも可能で、この場合は、ギルドの本部にある仮眠所となります」

「ふむふむ」

ホテルの中に入ると、1階にはエントランスフロアになっていた。

「いらっしゃいませ。本日は、ようこそいらっしゃいました」

受付の人が俺にお辞儀をして聞いてくる。

「本日は、どのようなご用件でしょうか」

「予約をしていた185461895です」

「185461895様ですか。では、こちらの部屋をお使いください」

カードキーと一緒に台帳と書かれたノートが差し出される。

ここで、エイトが再び俺に話しかけてきた。

「今回は、私が予約をしておきましたが、これからはギルドを通じて、または自らが電話等を行うことによって予約を行うことになります。なお、何連泊するかということについては、予約時に指定することになりますが、延長することも可能です。なお、ここで使用する数字は仮IDと同一のものとなり、台帳に記載する文字があなたがこれからこの世界で使用するIDとなります。IDは後日変更することも可能です」

差し出されている台帳に、キツツキと俺は書いた。

そしてエイトにいろいろと言われながら、俺はカードキーを受け取って、部屋へ向かう。

「部屋の扉を開けると、後はオートとなります。真っ先にベッドもしくは既に敷かれている敷き布団に向かい、即就寝となります。本日は以上です。では、よい夢を…」

エイトが最後の言葉を告げる前に、俺はすでに部屋に足を踏み入れていた。


現実世界に戻ると、もう1時間近く経っていた。

次はどうするのかというのを、攻略Wikiを見ながら、ぼんやりと考えることにして、俺は一旦ソフトを切った。

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