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啼く鳥の謳う物語2  作者: フタトキ
惨殺掲示 【R15】
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惨殺掲示(4)

熱い。体が熱い。


痛い。体が痛い。


動かない。体が動かない。


狂いそうだ。


「うっ…」

司野(しの)!」

あれは崇弥(たかや)

俺の家族であり俺の息子。

「…崇弥」

血塗れやで…?

痛いんちゃうん…?


あ…泣かんでや。

そんな泣きそうな顔すんなや。



「や…め…助け…て…」

第三者。

誰や?

崇弥…その刀、人に向けちゃいかんで…危ないやろ?

「お願い…だ…金なら…」

お金で解決はいかへんな。

でも、その足痛そうやな。

腱、切れてんとちゃう?

「いくら…だ…?」

だからお金じゃ崇弥は靡かへんで。な、崇弥?

「アンタの命、3000万で買ってくれるんだ。アンタ、それ以上だせる?その代わりに雇い主を消さなきゃいけないから…ざっと30兆3000万以上。大目に見ても、だけど」

何言うてるん?命は売買するもんやない。

崇弥…どないしたん?

俺に言えないん…?

「む…り…だ。しかし!…100億では―」

「桁が違うんだけど。アンタにつけば俺は国を敵にしなきゃいけないわけ。いいじゃん別に…アンタ、国に死刑宣告されてんだぜ?お国の為に…さ?」

崇弥…駄目や。

何でそんなになってるんや。


いけない。


「たかっ…や」

「司野、直ぐに塵を片付けるから安静にしてて」

違う違う違う。

「だ…め」

駄目や。

命を軽く扱ってはいかん!

崇弥…。

「かえ…ろ?」

帰ろう?



「帰れないや」



「へ?」

「もう…帰れない。こんな俺に帰る場所なんてないから…」

イヤ。

イヤや。


崇弥…。

「何度…言わせりゃ…気が済むん…や…崇弥!」

「………司野」

動け足。

動け手。

全部俺のやろ!

動けや!

「殺しちゃ…あかん。あかん…絶対にや!」

「司野、動いちゃ駄目だ!」

崇弥、傍に居させてや。

なぁ、居場所ならあるやんけ。

「俺の…隣…じゃイヤか…?」

俺の隣、空いてるんや。

崇弥に居てほしいんや。

「司野!」

温かやな。

君が抱き締めてくれるとなぽあって温かくなるんやで。

だから、

「父さんの…腕ん中…帰って…きてや…」

だから、

「…帰ろ?」





俺が赦す。

崇弥の全てを赦す。




だから…―


一緒に帰ろう?

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