惨殺掲示(4)
熱い。体が熱い。
痛い。体が痛い。
動かない。体が動かない。
狂いそうだ。
「うっ…」
「司野!」
あれは崇弥。
俺の家族であり俺の息子。
「…崇弥」
血塗れやで…?
痛いんちゃうん…?
あ…泣かんでや。
そんな泣きそうな顔すんなや。
「や…め…助け…て…」
第三者。
誰や?
崇弥…その刀、人に向けちゃいかんで…危ないやろ?
「お願い…だ…金なら…」
お金で解決はいかへんな。
でも、その足痛そうやな。
腱、切れてんとちゃう?
「いくら…だ…?」
だからお金じゃ崇弥は靡かへんで。な、崇弥?
「アンタの命、3000万で買ってくれるんだ。アンタ、それ以上だせる?その代わりに雇い主を消さなきゃいけないから…ざっと30兆3000万以上。大目に見ても、だけど」
何言うてるん?命は売買するもんやない。
崇弥…どないしたん?
俺に言えないん…?
「む…り…だ。しかし!…100億では―」
「桁が違うんだけど。アンタにつけば俺は国を敵にしなきゃいけないわけ。いいじゃん別に…アンタ、国に死刑宣告されてんだぜ?お国の為に…さ?」
崇弥…駄目や。
何でそんなになってるんや。
いけない。
「たかっ…や」
「司野、直ぐに塵を片付けるから安静にしてて」
違う違う違う。
「だ…め」
駄目や。
命を軽く扱ってはいかん!
崇弥…。
「かえ…ろ?」
帰ろう?
「帰れないや」
「へ?」
「もう…帰れない。こんな俺に帰る場所なんてないから…」
イヤ。
イヤや。
崇弥…。
「何度…言わせりゃ…気が済むん…や…崇弥!」
「………司野」
動け足。
動け手。
全部俺のやろ!
動けや!
「殺しちゃ…あかん。あかん…絶対にや!」
「司野、動いちゃ駄目だ!」
崇弥、傍に居させてや。
なぁ、居場所ならあるやんけ。
「俺の…隣…じゃイヤか…?」
俺の隣、空いてるんや。
崇弥に居てほしいんや。
「司野!」
温かやな。
君が抱き締めてくれるとなぽあって温かくなるんやで。
だから、
「父さんの…腕ん中…帰って…きてや…」
だから、
「…帰ろ?」
俺が赦す。
崇弥の全てを赦す。
だから…―
一緒に帰ろう?