誓いの言葉(2)
教会の立派な扉の前には千里と双灯さんが立っていた。
千里は「もう泣きそうな顔しちゃってんじゃん」と微笑しながら俺の頬に触れ、空いている俺の手に小さな花束を持たせた。
「洸、陽季さんの手を離さなければ全部上手く行く。だから、途中で泣かないように堪えるんだよ」
千里の手はすべすべしている。
でも――
「陽坊は洸祈君の手を離すなよ」
「分かってるよ」
双灯さんの言葉に深く頷いた陽季は俺と繋ぐ手をその存在を示すように揺らした。
陽季の手は大きくて掴んだら離さないから大好きだ。
「それじゃあ、熱々カップルのごにゅーじょーだよ!」
満面の笑みが昔からほんの少しも変わらない千里が双灯さんと同時に扉を開け放つ。
その瞬間に俺の世界に満ちたのは静寂。
知り合いの目と静寂。
目は1人当たり2個だから、招待客は……目が……目で……。
「洸祈、俺の目を見て」
耳たぶを甘噛みされ、ごちゃごちゃな頭の中で陽季の声だけがまるで色や形を持ち、光っているかのように一番の存在感を放つ。
俺はギシギシと鳴る首を回して陽季の目を見た。
「俺が好き?」
俺は頷いた。
「俺が大好き?」
俺は頷いた。
「俺を愛してる?」
俺は頷いた。
「じゃあ、歩こう」
俺は頷いた。
その瞬間、俺の世界は大きな拍手に包まれていた。
「洸祈!笑顔笑顔っ!」
緑のドレスの菊菜さんは綺麗だ。
でも、「笑顔」と言う割に本人が泣きそうだ。
「洸祈君!カッコいいよ!」
ピンクのドレスの弥生さんは可愛い。
主役は俺と陽季なのに、女性陣は皆キラキラしてるんだから。
ちょっと意地悪だよ。
「くぅちゃん真っ白だねー」
くぅ?
くぅ。
あ、幼女と犬と犬。
紺のフリフリドレスとか、二之宮……良いチョイスをしたな。
青い花の髪飾りも合わせて、もう少しおしとやかになれたら、杏も立派なレディだったのに。
「ブーケはボクチャンにちょーだいねー」
――なんて欲丸出しだと、まだまだ餓鬼んちょにしか見えないぞ。
「こら、遊杏。ご祝儀出してないんだからブーケは取っちゃ駄目。マナーだよ」
勿論、ご祝儀は集めてない。
プランナーは陽季と俺とその他の皆。
この会場に散りばめられたペーパーフラワーも皆が作って飾ってくれたのだ。
皆が招待に応じて、今、ここで俺達を祝福してくれてるだけで俺達には高いご祝儀だ。
「杏、ブーケトス参加していいよ。でも、俺、目を瞑って投げるから」
立ち止まり、遊杏の眼前で白い花の花束降った。陽季は静かに待ってくれる。
「うぃー!頑張る!」
袖を捲る杏は随分と気が早い。
でも、決して周囲に呑まれずに自分らしく振る舞うところが杏の良いところだ。
それで周りとぶつかってしまうこともあるけれど。
杏の序でに長椅子の背凭れから顔を覗かせる伊予と金にも花の良い香りを嗅がせてあげた。金は鼻をひくつかせると顔を背けたが。
その時、彼らの奥から長椅子に座ったままの二之宮が体を捻って俺達を見、拍手をしながら微笑んでいた。
「さ、おいで。俺のお姫様」
「姫じゃない」
でも、大事にされるのは嫌いじゃないから、俺は陽季に寄り添って歩き出した。
赤い絨毯を一歩一歩。
陽季の手が熱い。
いや……俺の手かも。
汗ばんでるかも……陽季、ごめん。でも、熱いんだ。
「12月だけど何か熱いね。汗かく」
「ご、ごめっ……」
言われないのも嫌だが、言われたら言われたで全身が熱くなり、悪化する。
「いや、俺も熱いんだって。汗だく。でも、手は離さないよ。約束したからね」
そっか。なら、離さなくていい。
陽季が言うなら一生離さなくていい。
寧ろ、離さないで欲しいくらいだ。
嗚呼、来てしまった。
十字架の前。
陽季が俺の手を引き、俺達は皆と向かい合うように立った。
「ほな、皆座ってええよー」
マイクを持った司野のほんわかした声が教会に響く。
物音がし、それから静まった。
「今日は崇弥と葵君の誕生日であり、崇弥と陽季君の結婚式の日や。皆、集まってくれてありがとうな」
「とーぜんだよっ!」
千里の合いの手に皆が皆、「そうだよ」や「そうよ」と口々に言う。
ああ、もしかしてかなり和やかな雰囲気じゃないかと、俺は陽季の靴の爪先ばかり見ていた視線を上げた。
真っ先に目に入ったのは俺達が歩いてきたバージンロードに寝転がって大あくびをする伊予だ。
金が伊予の尻尾で遊んでいる。
そして、お喋りの堪えない皆の顔。
これでいいんだ。皆が喋ってくれる方が緊張が解れてくる。
「伊予柑と金柑って結構大胆だよね」
囁き声で陽季が言う。
「うん。いつも通り」
俺も囁き声で返した。
「ほんま、皆顔見知りやから、俺も司会をやり易いで。崇弥も少しは慣れてきたか?」
「司野がそう言うから、慣れてきた」
「せやったなら良かったで。陽季君はばっちりか?」
「ばっちりです」
そうはっきりと言う陽季の横顔はいつも以上にイケメンで困る。
もっと観察したいけど、ずっと観察してたら、俺が陽季の顔に夢中なのが皆にバレてしまう。
だけど、こんな確りしたイケメンが俺の彼氏であり恋人であり結婚相手なのだ。世界中に自慢してやりたい。
「そっか。じゃあ、奥でじっと待ってくれている天使さん達の為に式を進めるで」
陽季と事前に決めた式の流れは、入場して……誓い合って……指輪付けて…………キスだ。
「今日、二人の為に一日牧師さんやってくれるんは、崇弥と葵君、千里君がおった学校の先生であり、崇弥と葵君のお父さんの友人の璃央先生や。俺達の代わりに結婚の誓いについて暗記してくれたんやで」
一番手前の長椅子の隅に座っていた璃央が立ち上がると、俺達と十字架の間に立った。
璃央には招待状を押し付けて以来会っていない。
「陽季と結婚するから!来て!」とか璃央の家の中で叫んで逃げた。
何故なら、璃央は所謂お家事情に理解を示しており、形だけとは言え、俺が男と結婚するのは反対されるかもと思ったからだ。それでも璃央を呼んだのは、俺や葵、千里の成長に璃央が深く関わって来たから。璃央は俺にとっては父さんとはまた違う人生の先生の一人だったから。
「璃央……」
牧師の代わりをしてくれるとは思ってもみなかった。
司野が頼んでくれたのかな。
「洸祈、私を呼んでくれてありがとうな」
「……璃央こそ来てくれてありがとう」
璃央の首から下がったチェーンには鳥のモチーフが揺れていた。
十字架ではないけれど、璃央なら琉歌が傍にいるのが当たり前か。
でも、琉歌は俺と陽季の関係を理解してるのかな。
璃央は飾りの鳥を握ると、一度深呼吸をした。
会場も静かになる。
「これから結婚の誓いを行います」
陽季の指が俺の指に複雑に絡んでくる。
俺だけを見てと言わんばかりに。
だから、俺は陽季を見詰めた。
黒曜石みたいな陽季の目。
月みたいな陽季の髪。
初めて会った時、陽季の髪の色にはとても驚いた。
金髪は千里や二之宮で慣れていたが、白銀は初めてで、かつ、美しかった。
そして、「俺の手を取れ」と言った陽季はまるで太陽のように輝いていた。
「汝、市橋海。あなたは健やかなる時も病める時も、常にこの男、崇弥洸祈を愛し、敬い、守り、助け、その命尽きるまで彼と共に歩むことを誓いますか?」
「誓います。俺はこの手を離すことは絶対にありません」
「離さないで、はる」
陽季の誓いは受け取った。
次は俺の番だ。
「汝、崇弥洸祈。あなたは健やかなる時も病める時も、常にこの男、市橋海を愛し、敬い、守り、助け、その命尽きるまで彼と共に歩むことを誓いますか?」
誓えば、俺は陽季を忘れない。
俺は陽季を忘れないし、陽季は俺を忘れない。
この先、何があっても、俺は陽季のもので陽季は俺のもの。
俺の帰る場所は陽季の隣。
「誓います」
そう誓った瞬間、陽季の瞳に映る光が揺れた。
揺れて分裂して瞬いて……よくテレビで特集されるUFOらしい光の残像みたいな。
「はる……泣いてる?」
突っ立って唇を真一文字に結ぶ陽季に代わって、俺が陽季の頬っぺたに親指を滑らせる。
湿った感じがし、今度は濡れた感触がした。
見間違いじゃない。
陽季は泣いている。
俺が泣く前に陽季が泣いちゃってる。
「陽季、頑張って。まだ俺の指に指輪をはめてないよ?」
すると、陽季がこくりと頷き、その際にぽたりと床に涙が落ちた。
「さ、天使さん達、出番やで。幸せ一杯な二人に大切な指輪を持って来てや」
かつかつ。
こつこつ。
頭に白い花の冠を乗せ、白のドレスに身を包んだ二人の少女。
籠を持った天使達がバージンロードを並んで歩いて来た。
「琉雨……真広ちゃん……」
「旦那様、陽季さんにこれを」
琉雨が掲げた籠には銀色の指輪が一つ。銀の輪には瑠璃が飾られている。人によってはラピスラズリの方が聞き覚えがあるかもしれない。
俺がこの日の為に一人で選んだ。
俺はブーケを璃央に預けると、無言でぼろぼろと男泣きする陽季の右手に手を添えた。
強く強く俺の手を握る陽季の指を少し力を込めて引き剥がす。
そして、琉雨天使様から指輪を貰った。
「陽季、愛してる。瑠璃は海の石なんだって。つまり、陽季の石。それと、幸運を呼ぶんだ。指輪のお返し遅くてごめんな。でも、この指輪と俺が陽季を守るよ」
陽季の左手の薬指。
これで、陽季のファンにも分からせることが出来る。
陽季には相手がいるんだってことを。
俺は陽季の薬指の根っこまできっちりと指輪をはめた。
外れないように。
「ありがとう、洸祈……っ」
またぼたぼたと涙の量を増やす陽季。
声も手も震えている。
「俺も、洸祈に、っ」
涙が落ちないように上を向きながら、ぷるぷると震える手で真広ちゃんが持つ籠をまさぐる。
「陽季お兄ちゃん、もうちょっと前。前だよ。あ、そっち後ろ」
皆がざわざわし出し、俺と同様に陽季が指輪を俺に渡せるのかと心配している。
そうしてどうにか陽季が摘まんだのは俺の二十歳の誕生日にくれた指輪。
陽季に回収される直前までネックレスにして掛けていたから、俺の温もりが残っているかもしれない。
「左手頂戴」
「はい」
宙を漂う陽季の左手に俺の左手を乗せた。
指輪を摘まむ右手が降りてきて薬指を探す。
俺は「はる、それ中指」と、小声で指摘し、陽季は指輪に俺の薬指を通した。
きっちりはめてくれる。
「愛してる。愛してるよ、洸祈。俺、今、世界一の幸せ者になってるよ。お前に出会えて本当に良かった」
下ろし立てのスーツの裾で遠慮なく涙を拭いた陽季。
俺を見詰め、肩を掴む。
そして、俺の唇を奪った。
甘い。
キスに味なんてないし、チョコでも食べた後じゃなきゃ甘いなんてことはないけど、このキスは甘かった。
とてつもなく甘かった。
「んっ…………んん!?ん!」
甘いの嬉しいのだが、まさか、陽季は結婚式のキスで舌まで使う気らしい。
舌使ったらR18になるから!ここには18未満がいるんだけど!
沸き上がる拍手と誰かの口笛の中で、俺は陽季の舌に負けるわけにはいかないと必死になる。
自分の結婚式でみっともない姿を晒す悪夢だけは絶対に嫌だ。
「ごほんっ。では、本日この時をもって、市橋海と崇弥洸祈が結婚致しましたことを宣言致します」
璃央、宣言より先に陽季を止め――
「もう無理」
「!!!?」
陽季の体重が掛かって床に押し倒された。
「陽季さんったら、大胆だよっ」
陽季の影からにんまり笑顔の千里。その顔はもっとやってしまえの顔だろ。
葵はおろおろし、菊菜さんと弥生さんにはばっちり写メを撮られてしまっている。
「典型的なバカップルだよ、今の君達は」
二之宮、違う。
陽季が馬鹿であって、俺は馬鹿じゃない。
車椅子に座って見下ろしてくる二之宮に訂正したいが、口が使えない。
陽季に奪われている。
待って、誰か俺のリボン外してない?
陽季?
ちょっと、襟のボタン外されてる!
誰か助けて!
「くぅちゃん!ブーケ!ブーケ投げようよ!ボクチャンが取るからぁ!」
そうだ、杏。助けて。
「せや!ブーケトスやった!皆まだ結婚式終わっとらんよ。崇弥と陽季君の退場までやろ?」
司野の声はマイクを通しているから良く響く。
皆、俺を貪り食おうとする陽季を離して。
幸福感で一杯だけど、性的事情は夜にして欲しい。
俺は手をがむしゃらに伸ばし、葵が掴んで引いてくれる。
そして、俺はどうにか立ち上がった。
陽季は俺が立ち上がった勢いで双灯さんの腕の中へと転がる。
「何で俺、ぼろぼろなの……」
リボンは首に引っ掛かるだけ。
髪はボサボサ。
真っ白だったスーツは床の汚れで若干灰色がかってしまった。
泣かないけど、泣きたい気持ちもある。
「洸祈、大丈夫?」
「……だいじょばない……」
ちっとも全く少々たりとも大丈夫じゃない。
「ぽんぽん、です。旦那様、しゃがんでください」
天使の琉雨が俺の背中をぽふぽふし、俺がしゃがめば、首のリボンを結び直した。
「うぐ……エンジェル……」
超可愛いよ。写真に残したいよ。
「まだ結婚式は終わってませんよ。陽季さんと手を繋いでここを歩いて行くまでが結婚式です」
「…………うん」
琉雨の髪から花の匂い。
天国があるなら、きっとこんな匂い。
「洸祈、ブーケトスするよ」
琉雨の匂いをすんすんしていると、陽季に首根っこを掴まれる。
それにしても、後ろに固めていた前髪を無残に散らした陽季は涼しい顔だった。
一体、誰のせいだ。馬鹿。阿呆。
「ほな、女性陣お待ちかねのブーケトスやで。男性陣は両端行っててな」
「くぅちゃんくぅちゃん、ボクチャンが取るからぁ!」
杏は何でそんなにブーケ欲しいのか。杏にも想い人が出来たからとかだと、幼女保全学会会長としてははっきり言って、あげたくない。
じゃあ、二之宮にあげるとか?
董子さんの為ってのもあるな。
「走るのは禁止。椅子には注意してやー」
「うちの女性陣皆出てる……菊さんと蘭さんは危険だぞ……」
男性陣が隅に寄り、車椅子のグリップを握っていた董子さんに二之宮が何やら耳打ちする。すると、クリーム色のドレスの董子さんも真ん中へと出てきた。
月華鈴からは真広ちゃん、弥生さん、菊菜さん、双蘭さん。
二之宮家からは杏、董子さん。
我が家からは琉雨が参加だ。
総勢7名。皆にブーケをあげたいが、一つしかない。
「ほら、これ」
「ありがと」
俺は白薔薇にカスミソウのブーケを璃央から受け取った。
「陽季、目を瞑ってぐるぐるしてから投げるから。投げる時に支えてくれる?」
「分かった」
「皆、走らないでよ。危ないから。誰が取っても恨みっこなし。あと、皆、すっごく綺麗だよ」
「洸祈君の方が綺麗だよ」
「ありがとう、弥生さん」
こんなぼろぼろでも綺麗って言われたら嬉しいよ。
俺は目を瞑った。
皆との大体の距離は覚えているから、極端に近距離か遠距離かにならないように注意しないと。
目を閉じてぐるぐると回る。
時折、すっ転びそうになる俺を陽季が修正する。
「いくよぉおお……おお……」
回り過ぎた。くらくらして死にそう。
そして、俺は花束から手を離した。
くぅん。
「間違ってないね。うん。女性陣だもん」
「……まさかの」
静まり返った教会。
千里が「わお」と口を開け、葵は千里の肩に頭を乗せて寛ぐ。
俺は陽季に凭れながら何も言えなかった。回ったせいで、頭が回らない。
ただ、
「い、伊予さん!酷いですよう!!!!」
という琉雨の叫び声は聞こえた。
~おまけ『うちはうち、よそはよそ』~
「で?陽季さんのとこはどうなの?洸ってドM率高そうだから苦労してるんじゃないの?」
「え!?」
「ほら、陽季さんって洸の為にSやってるMでしょ?大変だよね?」
「え!!!?」
「僕のとこもツンデレだけど、あおはスイッチ入ると止められなくなるんだ。もうエロエロ」
「エ……えっ!!!!!?」
「僕はあおを存分に苛めて気持ち良くさせたい派だから寧ろ興奮するけど、あ、ガチ泣き以外なら泣いてるあおも大好き。虚勢張って煽ってくるあおを組み敷くのも大好き。で、陽季さんはどうなの?」
「え?」
「洸って根は甘えたMだからねー。要求高いんじゃない?」
「あ、えっと……」
「で、本題なんだけど、あおと洸って双子でしょ?ツンデレ要素高いままも可愛いけど、時々はあおにそれはもうとろとろに甘えられたいんだ。日常にちょこっとスパイスを加えたらそれはもう美味になるかもしれないみたいな。どうすればいいと思う?」
「それは……葵君は葵君だし……洸祈も葵君みたいに賢者にはなれないし……」
「賢者?え?」
「洸祈に「俺に優しくして?」「暴力反対」って言ったって効果ないのと同じだよね?そういうことだよ」
「え?DV受けてるの?陽季さんが?」
「もしかしたら、叩かれても罵られても存分に甘やかしてやるといいかもしれない。普段から甘やかすといつも甘えてくる」
「結局、甘やかすだけ…………そもそも、あおはそんな暴力的じゃないし。……でも分かったよ」
「何を?」
「うちはうち、よそはよそだって」
「え?あー……そうだね」
「それにあおは充分甘々だって分かったし」
「そうなの?」
「取り敢えず、陽季さんはこれからも頑張って。じゃじゃ馬の洸を乗りこなせる数奇な人は陽季さんだけだよ」
「うん。…………うん?」
「僕は僕で、あおと甘い夜を過ごす為の策を色々考えてみるから。おやすみなさい」
「あ……おやすみ、千里君」




