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啼く鳥の謳う物語2  作者: フタトキ
彼の選択
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僕の大好きな子

雑談させてくださいな!

というより、行き詰ってます(_ _(--;(_ _(--;

昨夜はやり過ぎた。


お預け2週間コースは僕のリミッターを簡単に外し、特殊嗜好で長時間。

オマケに邪魔者だったのは隣部屋の洸のみで、その洸は陽季(はるき)さんに連行してもらったから、家は二人きり。

汗の匂いやら何やら……あおの匂いがまだ色濃くする。

「あお、大丈夫?」

「大丈夫……じゃない。至るところ……痛い……」

特に手首が痛そうだ。

天然物と言うことで麻の縄にしてみたが、擦れたらかなり痛いのだと、後始末中に今更のように気付いた。僕も自分の指先を麻縄に滑らせてみたが、痛かった。

ビニール紐の方が良かったかも。

「えっと……お風呂まで歩ける?」

「………………うん……」

あおは腕を突いて起き上がろうとするが、その瞬間に手首の痛みに小さく悲鳴をあげて倒れた。

ベッドにダウン。

「……やっぱ……ムリ……」

「…………ごめん……」

昨夜はそこまで激しくしたつもりはないが、マニアックさで言えば今までの数々の場の中で群を抜いていたと思う。

「……僕があおの為に何か出来ることない?」

最初からあんなことをしなければ良かったのだ。

でも……あおの色んな姿や顔を見たくて……。

昨日だって新しい表情が見れたし。

撮影はまだあおには早いからできなかったけど、これでもかって目を見開いて網膜に焼き付けた。今も目を瞑ればあおのあの顔が……。

千里(せんり)?」

「あ、あお?で、僕は何が出来る?」

「え……あ…………」

あおがすごく悩んでるみたいだ。

それはもう……悩んでる。

僕はあおに毎度毎度エッチしかできないんだ。

……うわ、僕ってただの変態じゃん。

「……っと……皿洗い……と水に濡らしたタオルを持ってきて貰っていいか?」

「うん!待ってて!」

これは、どうにかこうにかあおが作ってくれた僕が出来ること。

なら、張り切らなくちゃ!



僕はあおに濡れたタオルを持って行き、皿洗いをせっせとしていた。

手ぇ冷たい……。

お湯付けたら肌がカサカサになっちゃうし。でも、あおはカサカサにしていつも皿洗ってるんだ。

それにしても、

「昨日のあおはエロかったなぁ……」

洗剤の付いた指は皿の表面を滑らかに撫でる。

「あおの肌はすべすべでぇ……綺麗だったなぁ」

冬場のあおの肌色はいつも以上に白くて……今朝の縄の痕も綺麗だったんだ。

あれ、バレたら洸に殴られそうな気がしてきた。

「時折、洸ってあおの生着替え中に、平気であおの部屋にいるんだよなぁ」

僕は即追い出されるのに。

「兄弟特権ってやつ?」

「そうだけど?」

「え!?」

この声!?


洸祈(こうき)お兄様ご登場です」

洸だ。


「何で!?陽季さんとイチャイチャしてたんじゃないの!?」

帰って来るの早すぎ!

「夕食驕ってもらって、寝て起きて朝食食べて帰って来たんだけど」

「何それ!体ダルいんでしょ!?もっと甘えてきなよ!」

「別にダルくないし、陽季は仕事なんだけど」

水曜日が休みなのは用心屋の話だった。と、思い出した。

「じゃあ…………お風呂入って体洗ったら?」

「なんで?」

「だって…………」

陽季さんとイチャイチャした体だし……僕の部屋に間違っても来ないようにしたいし。

「言っとくけど、昨日は陽季とセックスしてないからな。キスまでだ。それに、朝は陽季のとこでシャワー借りた」

……陽季さんとの肉体関係の詳細は言わなくていいよ。

しかし、どうにか洸を今のあおと鉢合わせさせることは避けなくては。

「なぁ、(あおい)は?」

きた。

「あおなら寝てるよ」

「まだ?」

「うん」

あおは寝てるんだから、ほっといてあげて……――

「あいつが時間過ぎても寝てるなんておかしいだろ。ちょっと見てくる」

!!!!

「駄目!」

泡だらけの手を素早く洗い、僕はリビングを出ようとする洸に抱き付いて止めた。

「ちぃ?」

「あお、ずっと仕事だったでしょ!?だから、お休みしてるの!!」

起こしに行くなよ!

「…………そうだな。じゃあ、俺も寝るかな」

陽季さんのとこで寝たくせに、また寝るの?

ていうか、寝るってことは洸の部屋行くってことで、僕の部屋の隣!ベッドのあおと壁1枚挟んで隣じゃないか!

欠伸しながらリビングのドアを開けた洸。僕は慌てて彼の後を追った。


が、


「………………えっと……洸?」

「お前の言いたいことは分かる。『洸って本当に琉雨(るう)ちゃんが好きなんだね』だろ?」

いや……そんな台詞じゃ僕の気持ちは抑えられないんだけど。


フツーにさ、

「洸のド変態!!!!」

ぐらい言わないと。


「変態とは失礼な。ロリコンと言えよ」

「あのね、琉雨ちゃんが出掛けているのをいいことに部屋に不法侵入、挙げ句に琉雨ちゃんのベッドで寝るなんて、ロリコンじゃなくてただの変態に決まってるよね!!!?」

「ああそう。なら、俺、変態でいいや。じゃ、おやすみー」

「おやすみー」で済まされるものか!開き直り早いし!!!!

僕は平然と犯罪に走る洸の腕をがっちりと掴んだ。

「何?」

「だめ!絶対にだめ!」

「お前も琉雨のベッドで寝たいの?えー……俺が琉雨の体臭の残り香を満喫した後なら良いけど」

この超ド級の変態!!

これは絶対に阻止しないと!

「僕は洸みたいな変態ロリコンじゃないの!」

変態ロリコンってなんか、キモそうなモンスターの名前みたいだな……。

「僕は洸に、琉雨ちゃんの体臭残るベッドの匂いを犬みたいに嗅ぐその犯罪行為をするなって言いたいの!」

「お前に言われたくないし。家族の体臭ならお前だって葵のベッドの匂い嗅ぎまくってんじゃん。琉雨だって家族だ」

くそっ……バレてたか。

「時々、葵がいない時に葵の部屋入ってベッドで寝てるだろ。枕とか布団の匂い嗅いでさ。……性欲も発散してるんじゃないの?」

「………………」

「お前も人のこと言えないだろ?」

………………言えない。

「てことだから、お前も俺もお互いに秘密な?」

耳打ちしてくる洸。

「………………………」

「葵の着物、実家にある奴1着貰って来ようか?葵用のオーダーメイドの奴だ」

あおの着物……!?

「欲しい!」

「何に使うんだ?」

「決まってんじゃん」

僕も洸の耳に唇を近付ける。

「――――――」

「へぇ、マニアックな趣味してるな」

にやりと洸がほくそ笑む。

「洸に言われたくないよ」

「陽季がマニアックなんだ」

「結局、洸も楽しんでるでしょ?」

「………………」

図星らしい。

ま、構わないけどね。

「それじゃ、琉雨達が帰ってくる前に起こしてくれ」

「分かったよ」

僕達はお互いに見詰め、お互いに背を向けた。


もう何も言うことは――



「――俺はある!!!!言うことが大いにある!!!!」

廊下に立っていたのはあおだ。

「いやん、セクシー……」

豆腐1丁の如くパンツ1丁。白いお肌を素足と一緒に晒している。

「セクシーじゃない」

あおはむっつりしていてもセクシーだよ。

腕やら足やら首やら……。

「あお……縄の痕、赤くて綺麗だ……」

「っ…………見るな!」

「見るよ」

「!?」

僕は咄嗟に逃げるあおを腕の中に捕まえた。目の前の肩にも赤い痕。

そこを僕は舌先で舐める。

「千里!」

「さっきの話聞いてたんでしょ?……僕、あおのベッドで勝手に寝てたよ」

……あおの耳が赤い。

触れ合う心臓も微かに早い鼓動を打っている。

「………………あおの淫らな姿思い出して……オカズにしてた」

「……っ……ぁ…………」

あおって言葉にも弱いんだよね。

「あお……今からお風呂でしょ?全身丁寧に洗ってあげるよ」

「……ふぁ…………」

これで腰抜けたとか、可愛すぎ。

僕は脱力したあおを支え、ゆっくりと風呂場へ向かう。


僕は琉雨ちゃんの部屋のドアに背を向けた。







「あ…………皿洗い途中だった……」

「……へ……何?」

「ううん。何でもないよ」

浴槽でかくて良かった。

こうやってあおを抱き締めながらお風呂入れるし。

「そう…………千里……」

「なぁに?」

ちゃぷちゃぷと水面を游ぐアヒルをつつくあお。彼は頭を後ろに倒して僕を見上げてきた。

額が出ていて益々可愛い。

「……眠い」

「寝ていいよ」

「…………おやすみ」

「うん。おやすみ」

僕はねだるあおに口付けをして彼をそっと抱き直した。



おやすみ、あお。

また『啼く鳥』の短編書きました。本編を進めずにですがm(_ _"m)

お暇でしたら、「俺の先生」を読んでくださいな。o@(^-^)@o。


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